作業療法士がAIとツールで書類業務を効率化した5つの施策
作業療法士の皆さんは、利用者様への直接的なケアだけでなく、膨大な量の書類作成に追われているのではないでしょうか。しかし、AIやさまざまなツールを活用することで、書類業務の効率化を図り、より多くの時間を利用者様へのケアに充てることが可能です。
今回は、訪問看護時代の取り入れたこと、実践したことをもとに、作業療法士が書類業務を効率化した5つの施策を具体的な事例を交えながらご紹介します。
1. AIによる自動記録作成
事例: 訪問看護記録やリハビリテーション計画書といった定型的な文書を、AIが利用者の情報や評価結果から自動的に生成します。
効果: 手書きやテンプレートへの書き込みといった作業が大幅に削減され、記録作成にかかる時間が短縮されます。また、人為的なミスを減らすことができ、より正確な記録を残すことができます。
2. 音声入力による記録作成
事例: スマートフォンやタブレット端末に搭載された音声認識機能を活用し、訪問中の会話や評価結果を音声入力することで、リアルタイムで記録を作成します。
効果: 両手がふさがっている状態でも記録を作成できるため、利用者様との対話を中断することなく、よりスムーズなケアを提供できます。また、文字入力に比べて高速に記録を作成できるため、時間効率が大幅に向上します。
3. クラウド型の電子カルテの導入
事例: 訪問先の端末からクラウド型の電子カルテに直接アクセスし、記録を入力・共有します。
効果: 紙のカルテを持ち運ぶ必要がなくなり、場所を選ばずに記録作業を行うことができます。また、複数のスタッフで情報を共有できるため、円滑な連携が可能です。
4. RPA(Robotic Process Automation)の活用
事例: 定型的な事務作業、例えば請求書の作成やデータ入力などを、RPAに任せることで、作業の自動化を実現します。
効果: 人手不足が解消され、作業ミスを減らすことができます。また、解放された時間を、より付加価値の高い業務に充てることができます。
5. スマートデバイスの活用
事例: スマートウォッチやフィットネストラッカーなどを活用し、利用者のバイタルデータや活動量を自動的に記録します。
効果: 手作業でのデータ入力の手間が省け、より客観的な評価が可能になります。また、収集されたデータを分析することで、より効果的なリハビリテーション計画を立てることができます。
まとめ
AIやさまざまなツールを活用することで、訪問看護の作業療法士は、書類業務の負担を軽減し、より多くの時間を利用者様へのケアに充てることができます。これらの施策を導入することで、作業療法士の働き方改革が加速し、ひいては利用者様のQOL向上につながることが期待されます。
導入の際の注意点
セキュリティ: 医療情報を取り扱う上では、情報漏えいのリスクを最小限に抑えるためのセキュリティ対策が不可欠です。
操作性: 使い慣れないシステムは、かえって作業効率を低下させる可能性があります。直感的に操作できるツールを選ぶことが重要です。
費用: ツールの導入には、初期費用やランニングコストがかかります。費用対効果をしっかりと検討し、導入するツールを選ぶ必要があります。
今後の展望
AIやツールの進化は日進月歩です。今後も、より高度な機能を持ったツールが登場することが予想されます。作業療法士は、これらのツールを積極的に活用し、働き方改革を推進していくことが求められます。
最後に
本記事が、訪問看護で働く作業療法士の皆様の業務効率化の一助となれば幸いです。