見出し画像

階段を横に昇降する練習がいいらしい・・・

▼ 文献情報 と 抄録和訳

慢性脳卒中患者における横方向の階段歩行トレーニングの有効性;パイロット無作為化比較試験

Huang, Wan-Yun, et al. "Efficacy of lateral stair walking training in patients with chronic stroke: A pilot randomized controlled study." Gait & Posture 88 (2021): 10-15.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景・目的] 脳卒中患者は、日常生活動作(ADL)の能力が低下しており、筋緊張や筋力、動作制御が長期的に変化するため、歩行時の転倒リスクが高い。慢性脳卒中患者において、横方向の階段歩行訓練が患部下肢の筋力、バランス、ADL、歩行能力に及ぼす効果を検討する。

[方法] 実験群は15分間の横方向の階段歩行訓練と15分間の従来の理学療法を受け、対照群は30分間の従来の理学療法のみを受けた。両群とも週1回、12週間にわたり介入を受けた。アウトカム測定には、筋力、脳卒中患者のための姿勢評価スケール(PASS)、下肢のフーガル・マイヤー評価(FMA-LE)、バーテル指数(BI)、タイムドアップ&ゴーテスト(TUG)、およびリハ・ウォッチシステムで測定された歩行パラメータが含まれた。

[結果] 合計24名の参加者が研究を完了した。実験群では、患肢の股関節伸展筋力、屈筋力、外転筋力、FMA-LE、BI、TUG、および歩幅、速度、ケイデンスの歩行パラメータに有意な改善が見られた。患肢の足底筋力(p=0.024)、PASS(p=0.017)、BI(p=0.039)、TUG(p=0.049)、歩行速度(p<0.001)については、2群間で有意な差が認められた。

[結論] 理学療法と並行して横方向の階段歩行訓練を行うことで、慢性脳梗塞患者の股関節筋力と歩行パラメータが有意に改善した。この結果は、臨床リハビリテーションプログラムに横方向の階段歩行トレーニングを取り入れることを支持するものである。慢性脳卒中患者における横方向の階段歩行トレーニングは、歩行、バランス性能、ADLを改善するための効果的な治療法として用いることができる。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

15分間横の階段昇降を行うという練習自体が負荷量の大きい練習と思う。Does and Intensity dependentな改善が見られるということなのだろうか?個人的には「普通の階段昇降 vs. 横向きの階段昇降」の結果が知りたい。横向きが特異的にいいのかどうかが気になるところだ。