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筋筋膜トリガーポイントの画像評価:現時点でのベストプラクティスとは?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

画像による筋筋膜トリガーポイントの評価;システマティックレビュー

Mazza, Dario F., Robert D. Boutin, and Abhijit J. Chaudhari. "Assessment of myofascial trigger points via imaging: A systematic review." American Journal of Physical Medicine & Rehabilitation 100.10 (2021): 1003-1014.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景・目的] この論文の目的は,筋筋膜性疼痛症候群および筋筋膜性トリガーポイントの画像診断法による客観的な特徴づけに関する発表文献を系統的にレビューすることである。

[方法] PubMed,Embase,Ovid,Cochrane Libraryの各データベースを使用し,引用文献の検索はScopusで行った。引用は、2000年から2021年の間に英語で査読のある雑誌に掲載されたものに限定した。1762件の抄録をスクリーニングしたところ、69件の論文がフルテキストレビューを受け、33件が組み入れられた。筋筋膜トリガーポイントまたは筋筋膜性疼痛症候群を評価する画像データを抽出し、一般的な研究方法、研究集団、サンプルサイズ、筋筋膜トリガーポイント/筋筋膜性疼痛症候群の評価に関する重要な質的・量的情報を集計した。対象となる研究の方法論的品質は、「診断精度研究の品質評価」の基準に基づいて評価した。

[結果・レビュー内容・考察] 画像を用いて評価した活動中および潜伏中の筋膜トリガーポイントの生体力学的特性および血流は,健康な組織のものとは定量的に異なることがわかった。これらの研究は有望であるが、さらなる研究が必要である。今後の研究では、診断テストの精度を評価し、結果の再現性をテストして、最も性能の良い方法を確立することに重点を置くべきである。方法論の一貫性が高まれば、より大規模な臨床研究に画像診断法を導入する動機付けになるだろう。有効性、コスト、使いやすさ、時間的制約に関するエビデンスを考慮すると、現時点では超音波を用いた方法が筋筋膜性疼痛症候群/筋膜性トリガーポイントの評価に選ばれている画像診断法である。今後、客観的な診断基準を開発することは可能であると思われ、このレビューでは、この目標に向けて有望な結果を示すいくつかの方法を紹介している。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

筋筋膜トリガーポイント。
概念的には理解できるのだが、まだ実態がよく掴めていない。
その中で、超音波をはじめとした画像技術によって、「実態をもった現象」として捉えることができれば、一気に霧が晴れそうだ。
筋筋膜やそれが引き起こす機能障害、パフォーマンスへの影響は、架空の創造物ではない。
だって、目に見えているわけだから!!!

聞くより、見るほうがいい。
座っているより、行くほうがいい。
(モンゴルのことわざ)

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