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運動スナック:間食するように運動する

▼ 文献情報 と 抄録和訳

運動スナック。心代謝系健康増進のための新たな戦略

Islam, Hashim, Martin J. Gibala, and Jonathan P. Little. "Exercise Snacks: A Novel Strategy to Improve Cardiometabolic Health." Exercise and sport sciences reviews 50.1 (2022): 31-37.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

✅ 運動スナックの定義
1日を通して定期的に行われる、1分以下の激しい運動を単独で行うこと。

[論文要旨] 運動スナックは、心肺機能を向上させ、座りがちな行動が心・代謝系の健康に及ぼす悪影響を軽減する、実行可能で、耐容性があり、時間効率のよいアプローチであると仮定する。小規模の概念実証試験で、その有効性が実証されている。この新しい身体活動戦略については、さらなる研究が必要である。

✅ 運動スナックに関する論文例
[題目] 食前の「運動スナック」:インスリン抵抗性患者における血糖コントロール改善のための新規ストラテジー
[目的] インスリン抵抗性患者において、毎回の主食前に少量の激しい運動(「運動間食」)を行うことが、長時間の連続した中強度の運動を一回行うよりも血糖コントロールが良好になるかどうかを検討すること
[方法] 運動スナック群は、毎食30分前に6×1分間の強度(90%HRmax)傾斜歩行をすることとした。
[結果] 運動スナック群は24時間の平均グルコース濃度を0.7 ± 0.6 mmol/l(p = 0.01)減少させ、この減少はその後の24時間持続した(ベースラインと比較して、対照的に0.6 ± 0.4 mmol/l 低下;p = 0.01).
[結論] 主食前の短時間で強度の高い「運動スナック」として運動を行うことは、インスリン抵抗性を有する個人の血糖コントロールを改善するための時間効率の良い効果的なアプローチである。
● Francois, Monique E., et al. Diabetologia 57.7 (2014): 1437-1445. >>> doi.

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

名前がいい、これに尽きる。
ずっと、短時間運動の有効性には注目してきた。
だが、知識がぼやっとして散逸していたように思う。
このワードによって、凝集した、結晶化した。

気軽さ(短時間)、美味しさ(効果性)、病みつきさ(中毒性)。
いろんな要素を「運動スナック」の一語で示しうる。
元定義では「激しい運動」に限定されているが、個人内では強度の枠を外して使ってみたい。

✅ 運動スナックの強み
・短時間でできる
・ワークアウト可能性が高い
・習慣レバレッジ(note)など他の習慣との組み合わせが容易

運動を続けたい、でも、できない。
そんな人にはぴったりの概念かもしれない。
おれのK2Pで運動の習慣化、実践に用いて試そう!

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