ローマは一日にして成らず
私の机の前に、2枚の浮世絵が飾ってあります。
一枚がこちら
「おしをくりはとうつうせんのづ」です。これはある人の45歳の頃の作品です。
70歳前半の作品がこちらです。
葛飾北斎「富岳三十六景 神奈川沖浪裏」です。
「おしをくりはとうつうせんのづ」の頃は、西洋画の技法を学んでいたので、その影響が強かったようです。
しかしそれにしても、北斎も最初から超絶技法を身につけていた訳ではないのですね。当たり前ですが。
北斎は75歳で出した「富岳百景」の跋文(あと書き)に「70歳までに描いたものは、実に取るに足らないものだ。73歳でようやく生き物の骨格や、草木の出生を悟った。80歳になればますます腕は上がり、90歳で奥義を究め、100歳になれば神技と言われるだろう。」と書いています。
北斎は89歳で死ぬ間際、「もう5年生きられたら本物の絵描きになれるのに。」と言い残したそうです。
飽くなき探求心が天才北斎を産み出したのですね。
凡人の見本のような私にはとても真似できません。ただ、絵を飾るだけです・・・
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