連載小説|鏡像 4話
前回の続きは⤵
そうだ、今日戻ってきた理由は学校があるかだ。
急いで準備に取り掛かっていると、ふと煩わしいなと思うようになった。
こんな便利な時代に不便で仕方ない学校があるのか。
そう疑問を抱く。なんなら国という仕切りの前に学校が窮屈だ。
しかし、少なくなった教科を見ては学ぶ楽しみを奪われるのは辛いのかもしれないと思う時がある。
昔はあんなに勉強が苦手だったのに。
なんなら学歴社会の時代に勉強意欲が起きて欲しかった。
今は何で人を測れるのだろうか。学力か?
今の人間に必要なものはなんなのか私は分からなくなった。
「これ以上勉強をしても意味があるの」
そう嘆いていたらまた私の声に反応したAIが答えをくれた
「世界の基準としてはまだ革新を起こそうと、ある程度勉強は義務付けられてるのだ。政府はこれからメタバースで教育を出来るか開発をしている途中です。」
まだ、これ以上の発展を求めるのか。
傲慢だな
そう感じる人が多いのだろう。
証拠に、学校へ行くと空いた席が増えていた。
皆、鏡の世界に魅了されているのだろう。
だからメタバースで学校を作ろうとしてるのか。
そこには納得した。
教室で繰り広げられる言葉は聞き飽きた。
「AIの凄さ」を饒舌に永遠に語るのだ。
新手の新興宗教かと思うほどだ。
私を含めて辛うじて出席した者は、退屈そうに授業を受けている。
その瞬間で唯一面白いと思ったのは、授業のやり方がアナログ的な所だった。
耳に全然入らない授業を終わらせ、鏡に向かい合った。
ふと、疑問が湧いた。
なぜ鏡の形状にしたのだろうか。
この世界に依存させるためなのか
それが正解かのように私はこの疑惑をすぐ忘れ、仮想世界にのめり込んだのだ。
そして、私に転機が訪れる。
罵倒されて帰る毎日に終焉を迎えたのだ。