不意に訪れるどうしようもない虚しさについて真剣に考えてみた。
太宰治の短編小説に「トカトントン」という話がある。
これは太宰の作品群の中でも、とりわけ人気のある小説の一つだと思う。
太宰作品の全体の特徴として、共感性の高さがあげられるが、この作品に対しても「ここに私がいる!」と感じた人がたくさんいたのではないか。
私に関していえば、この小説に出てくる相談者の「悩み」と同じものを今もって抱えており、共感どころの話ではない。
そこで、少しこの「悩み」について語ってみたいと思う。
「悩み」とは
まず、読んだことのない人のためにその「悩み」