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おん
気ままに
小牧幸助さんの
PlayMining初のメタバースである『カムイバース』。そこで創作した作品のまとめ。
たらはかにさんの
《あらすじ》 発明品メーカーに務める折橋は今日も町外れの坂道を登っていた。 町外れの丘の上。そこにひっそりと佇む研究所。その研究所では博士の手によってエキセントリックな発明品が次々と生み出されていた。 博士の発明品はそれを手にした人々の人生図面にどんなデザインを描くのか? AI、ウィルス、宗教、エネルギー問題に異星人? 此処と同じようで此処とは違う、ちょっと不思議な世界のちょっとシニカルなストーリー。 14枚の設計図があなたの奥底にモヤモヤを植え付ける『SFショート
「う、うーん……」 重たそうにまぶたを開けた高橋は、しわがれた手で白髪頭をかきあげ、ゆっくりと周りをみわたした。 「居間……。寝てしまったのか?」 特に妻と話し合って決めた訳でもなく自然とそうなったいつもの自分の場所。新婚当時からの付き合いであるリビングの合皮のソファに高橋は座っていた。ローテーブルのむこう側にある薄型テレビは何も映していない。 「おーい、婆さんやー」 呼びかけても長年の連れ合いからの返事はない。「買い物でも行ってるのか?」よっこらとソファから
書く時間より錬る時間が好きだ。 こめかみにドライバーを当てネジを弛める。開ききっていない頭の割れ目に指が掛かる。待ってましたと言わんばかりに真っ先に飛び出して来たのは主人公。右手には青龍刀、左手には拳銃を携え、追いかけて来る敵達と闘いを繰り広げている。あの雑居ビルの屋上で縛られているのはヒロインか。すると横に立っているのがボスだな。 おや? 主人公がいない。キョロキョロ辺りを探ると、大きな洋館のリビングにその姿はあった。先程とは違いおとなしい格好をしている。スーツに
「奥様。湯浴み中失礼致します」 私が湯場のカーテン越しに声を掛けると、滴る水音と共に、いつものまさしく女神そのものの麗しい声が返ってきた。 「シュナ? 何用?」 「はい、人間の男が陳情に来ております」 「陳情? 私に? ガネーシャじゃなく?」 「それが。どうしても奥様にということです」 「そう…。わかったわ。広間で待つようにと伝えなさい」 「かしこまりました」 真新しいタオルとお召し物が籠に入っていることを横目で確認し、私は男が待つ外門へと向かった。
『バチンッ!!』 猿が囲炉裏の前に座るや否や、灰の中から熱々に焼けた栗が飛び出して来た。 「アチチチチ!」 栗によって胸元の毛と皮膚を焼かれた猿は慌てて水瓶へと駆け寄った。急ぎ水瓶の蓋を開けると待っていたのは冷たい水ではなく1匹の蜂。蜂は猿の両手をすり抜け瞼へとその尾の針を突き刺した。 「イタタタタ! こりゃたまらん」 蜂の一撃に加え追い詰められ視野が狭くなっていた猿は、屋外に出た一歩目を地べたに構えていた牛の糞に攫われ、強かに腰を打った。 その衝撃が猿の
私の日。皆が私に会いに来る。ヨウコにユミ、リエも来てくれた。いつ以来? 中学校の卒業式? みんな大人っぽくなったよねぇ。お化粧も上手になっちゃって笑 えっ? あれ、ひょっとしてタカシ君? お腹に貫禄付けすぎでしょ。髪の毛も随分と寂しくなって…。私達まだ21歳だよ。いや〜別れて正解だったわ笑 私の日。皆が私の話をする。ちょっとユミ、私が修学旅行でタカシ君に告った話は誰にもしないって約束したじゃない。特にタカシ君があんな事になってる今、その話は止めて笑。時効? そんなも
「あなたっ! 聞いてるのっ!?」 妻の金切り声が居間に響き渡る。 「聞いてるよ。網戸だろ」 「これだけ虫が入って来るってことは、きっとどこか破けてるのよ。今日中に直してよ。あたしが虫嫌いなの知ってるでしょ」 「破けてるのはどの網戸なの?」 「知らないわよ。探しなさいよ」 おい!! お前は日中も家に居るんだから自分で探して直せよ!! 休みの日くらいゆっくりさせろ!! などと間違っても言わないのが夫婦円満の秘訣だ。俺はリモコンでTVを消しソファから腰を持ち上げた。
「ほら、よく見てみろよ。鼻なんて俺にそっくりじゃないか」 「それを言うなら、タカシのこの目は私とまるっきり一緒の目よ」 タカシのこととなるとついつい俺も妻もヒートアップしてしまう。 「俺なんかな、タカシと近所散歩してたらな、隣の家の婆さんから、どっちがどっちか分からなかったなんて言われたことあるんだぜ」 「タカシは3歳よ。そんな訳ないでしょ。私なんかタカシと一緒にお昼寝してたらお義母さんに、ホント同じ寝顔ねぇなんて言われたのよ」 「お袋はいつもオーバーだか……」
「海砂糖だね、まさしく」 あなたは軽く咳込み私に微笑む。躊躇しつつも目を瞑って一気に飲み干す優しいあなた。キスを終えたコーヒーカップがその逞しい腕で随分と小さく見えるわ。 「飲み慣れてないからさ」 いいのよ、そんな言い訳しなくても。ここの砂糖は海の味。決して甘くはないもの。 とても些細なことだったけど、あの一杯であなたと私は別の世界の人間ってことを思い知らされた。 ううん、そうじゃない。そんなことはとっくに気付いてた。ただ、あなたの腕に抱かれている時だけそん
『マグロのターン。通常攻撃!! アジに80ptのダメージ!! アジを倒した!!』 これで雑魚は倒したぞっ! 後はボスのヒラメだけだっ! 『ヒラメのターン。通常攻撃!! マグロは攻撃をかわした!!』 よしっ! 敵は回遊魚属性のスピードに付いて来れてないっ! 『ヒラメの追加スペル。舞い踊り!! マグロのMPが100pt下がった!!』 なにっ! ここでMPを削ってくるのか!? こうなったら一か八かだっ! 究極技『大トロ祭り』だっ! くらえーーーっ…………
「そんなに掛けると体に悪いわよ」 俺はいつもお前が作った料理に塩を掛けて食べていた。和食であろうと、洋食であろうと、はたまた中華であろうと。肉、魚、野菜、そして味噌汁にまで。 「血圧上がるわよ」 「胃にも良くないって聞くけど」 「長生きしてもらわないと」 小言を言いながら眉を曇らせるお前に、「大丈夫、大丈夫」と笑うことも、もうできない。皮肉なもんだ。散々俺の体を心配していたお前が先に逝っちまうなんて。 お前がいなくなってから俺の毎日の食事は料理ロボットに任せ
「やっぱ離島にして正解だった」 例年の長期休みはいつも海外に行っていたが、今年はふと離島に来てみた。 澄みきった空気は緑の香りと小鳥のさえずりを運んでくれる。ゴテゴテと飾られていない素朴な料理は体の芯まで滋味が染みわたる。 「おや、お客さん。お散歩かい? 今日は暑くなるからコレを持っておいきよ」 なんせ人が温かい。民宿のおばちゃんから受け取った麦わら帽子を被り、当てもなく歩き出す。 とかく都会ではホスピタリティとかおもてなしとか言葉や理屈が前面に出て来るが、
お昼のニュースです。先月、銀河Xに向け探査用ロケットを発射する計画を発表した宇宙航空研究開発機構に、30代男性が侵入し、それを阻止しようとした警備員に暴行を加える事件が発生しました。男は既に警察によって取り押さえられ、その場で不法侵入、暴行の容疑で逮捕。現在は所轄の警察署で事件の経緯などを聴取中です。警備員に大きな怪我はありません。 警察の発表によりますと、男は「あの銀河は俺の物なんだ」「ロケット飛ばすなら入場料を払え」「こっちは大枚はたいてるんだ」などと繰り返し供述
明日期限の資料作成があるのにコーヒーを切らしてしまった。普段は駅前のスーパーで弁当と一緒に買うのだが、今日は資料のことで頭が一杯ですっかり買い忘れてしまった。 朧気な記憶で近所の自動販売機を探し当て、握っていた硬貨を投入口に入れようとした瞬間、俺は息を飲んだ。真夏なのにHOTしか売っていなかった訳ではない。商品の陳列ウィンドウ。その場所にそぐわない物があったからだ。 「顔?」 そこには人間の顔が陳列されていた。目を閉じ口を真一文字に結んでいる。 なんとなく顔に
もうすぐメタバース『NENGU』で開催されてきた剣術格闘ゲーム大会もクライマックスを迎える。決勝のフィールドはこのヴァーチャル空間内にある1つの島。僕はこの大会の為、3ヶ月もの間学校を休んだ。その甲斐もあり決勝まで辿り着くことができた。あと1勝。あと1勝で日本一になれるんだ。 トップe-sportsプレイヤーも参加するこの大会で僕が決勝まで来れた理由。実は1つ秘密がある。僕はこっそりコードをイジって剣を長くしているのだ。ここまで僕と闘ったプレイヤーは僕に一太刀も浴びせ
僕のお父さんとお母さんは仲が悪い。毎晩のように喧嘩をしている。居間から響いてくる怒鳴り声は黒いモヤを引き連れて僕の部屋に留まり大きな塊になる。僕はそれが怖いから布団に潜って耳を塞ぐ。そのまま怒鳴り声が聞こえなくなるまで僕の体は固まって動いてくれないんだ。 誤解しないで欲しいんだけど、お父さんもお母さんも僕には凄く優しい。僕はお父さんのこともお母さんのことも大好きだ。だから大好きな2人が喧嘩するのはとっても悲しい。 お父さんとお母さんの怒鳴り声に混じってる黒いモヤ。僕