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☆59 振り返りED
今回で『天官賜福』一期二期アニメの解説を一旦終わりにし、後は思いついたら書く形にしようと思っている。
この記事は、エンディングに入ってから一期二期を振り返る映像部分の台詞を書き起こすもので、多く記録的な意味合いのものだ。
注目は、少年兵が謝憐に向かって何かを叫ぶシーン。一期でもあったシーンだが、映像のみだった一期と違い、こちらは台詞がついている。
そして最後の、今までには無かったあの言葉。
では、どうぞ。
<半月>
「花将軍、私は正しいことをしたと思っていましたが、今はわからなくなりました」「花将軍、教えてくれませんか。私の何が足りなかったのか。どこで間違えてしまったのか」
この台詞の時に映る映像は、三問答の鬼を倒した直後の謝憐だ。あの頃の謝憐に迷いは無かった。そして半月のこの問いには「すまない、半月。その答えは、私にもわからない。昔も、今も」と答えている。
<幼い郎千秋>
「師匠。もしも三人目の食べ物も足りない時はどうします? たとえば、二人は食べ物をもらったのに満足できず、もっと欲しいからもっと揉めて、三人目から食べ物を奪おうとしたらどうするんですか?」
<謝憐と安楽王の会話>
「安楽。何をしたかわかっているのか」
「あなたが国師だったとは。うまく欺きましたね。そうか、良かった。一緒に偉業を成し遂げられます。鎏金宴の次は郎千秋を殺す番だ。永安国は混乱し、地獄を見る」
前半の郎千秋の問いと、後半の安楽王の台詞は途中から被っていて、なるほどこの二つを重ねてみると、安楽のしたことが、千秋の言った「たとえば」以下の状態だったとよくわかる。十分良くしてもらったはずなのに、これじゃ足りない、もっと寄越せというような状態だった、と。
<花城>
「あなたは悪くない。永安国主を殺し仙楽人を守り、安楽王を殺して両族の争いを防いだ。最後は郎千秋の手により犯人は処刑された。三人の命で太平を得る、俺でも同じようにした。自分を責めないで。誰もあなたより上手くはやれない」
<謝憐>
「三郎。あまりに美化し過ぎてはいけない。ずっと遠くから見るのだったらいいが、一旦近づき、知ってしまえば、完璧な幻影はいつか崩れ去ってしまう。そして最後は失望するだろう」
永安国主にとどめを刺す謝憐。永安国で楽しげに過ごす仙楽移民。棺に入れられて杭を打たれる芳心国師。銀蝶が飛び行き、過去に場面は切り替わって、雨の中、仙楽太子像を見上げる少年。燃え上がる宮観。縛られ項垂れる石像を蹴りつける人々。
映像は次々移り変わり、謝憐の苦悩が心に痛い。
<謝憐>
「だから、忘れてくれ。すぐに誰の記憶からも消える」
<頭に包帯を巻いた少年兵>
「殿下! 忘れない。僕は忘れない。永遠にあなたのことは忘れないから!」
燃え落ちた場所を項垂れて歩く謝憐。火を吐くように叫ぶ少年兵。
一期でも映された場面だが、こちらは初めて声が入った。「忘れないから!」と叫んだ声が消えないうちに、牛車で謝憐が「三郎」に出逢う場面が映る。
驚いたような謝憐を、微笑んで見つめる「三郎」。
「兄さん。今度は肩を並べて、最後まで歩みたい」
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