[レビュー]ファインモーションシナリオはドラえもんだ
こんちゃーす。どうもまとと申します。
今回は、ゲーム「ウマ娘プリティーダービー」より、ファインモーションシナリオについて語っていきたいと思います。
ファインモーションとは
まずはファインモーションの紹介をばさせてください。
はい、いかにもという感じの清楚な、ロイヤル女の子ですね。
なぜファインモーションはドラえもんなのか
さて、本題に戻りましょう。
この可憐な美少女があの、青狸こと、22世紀からやってきたポンコツ猫型ロボットこと(すみません、キュートアグレッションが過ぎました)、ドラえもんなのか。
それは、その世界に本来はいてはならない存在で、それなのに、いやそれだからこそ、他の人間たちに多大な影響を与えて、一度元の世界に勝手な都合で帰ってきて、勝手な都合で戻ってきてくれるからです。
ドラえもんは22世紀のロボットなので、本来はのび太と同一の時空間に存在することはできません。まさにドラえもんはのび太たちがいる世界にとって「異物」なのです。
では、ファインモーションはどうなのか。
ファインモーションは公式サイトのキャラ紹介にもある通り、アイルランドの高貴な生まれで、実際は本当に王族なのです。
そんな王族が異国の地で、過酷なレースに挑む。
(現実世界で、配置を逆にしてみると、愛子さまがアイルランドで陸上競技をやる、というのが近いと思います。)
そういう状況ですから、本当はレースに参加することなどできない。(それどころか「全力疾走」を固く禁じられた状態で日本に思い出づくりとして留学してきます)
それは本人も受け入れていることなのですが、それをファインモーションの走りに魅了されたトレーナーが、本人、SP、お父様(アイルランド国王?)をなんとか口説き落として、3年間という期間限定で、日本で走ることをゆるされるのです。
こうして明確に期限を区切られて始まるわけですから、常に3年後の別れというものが終始つきまといながらのレース人生になるのです。
それをファインモーションは後ろ向きに受け止めるのではなく、極めて前向きに受け止めて、一つ一つのレースを大切に、人々の記憶に残るような走りをしていきます。
余談
上記、ファインモーションの設定はモデルの、実馬ファインモーション号のことを理解すると、解像度が上がります。
もともと、ファインモーション号は、走らせるために日本に来たのではありませんでした。繁殖用として日本には来たのです。
ただ、その走りを見た関係者がこの馬は絶対に走ると思い、走らせることになり、デビューから無傷の6連勝で、秋華賞・エリザベス女王杯を制したのです。
元々走る予定ではなかったが、その素質を見抜いた関係者によって、走ることになる。競走生活を終えたあとには、本来のやるべきことが待っている。
ここをうまく、ファインモーションの設定として落とし込めていますね。
ファインモーションシナリオの結末
本題に戻りましょう。
ファインモーションは、自らに課せられた宿命を受け入れ、前向きに走っていきます。
それは、スカウトとしたトレーナー本人、ファンだけでなく、周りのウマ娘にも影響を与えていきます。
そのウマ娘とは、エアシャカール。
実馬エアシャカール号は、皐月賞、菊花賞を制した2冠馬です。
2000年、皐月賞を制したエアシャカール号は2冠目をかけた日本ダービーにて、ゴール板直前にて猛追するアグネスフライト号に差し切られて、わずか7cm差で敗北することになります。
ウマ娘エアシャカールは、派手な見た目と荒い口調なものの、論理を重視しており、自分でレース用のプログラムを組んでいるのですが、そのプログラムが、史実の通り日本ダービーにて7cm差で敗北して3冠を逃すと予測しており、その7cm差を埋めるべく、奔走する、謂わば運命に抗うウマ娘なのです。
一方、ファインモーションは運命を愛するウマ娘なのです。運命を受け入れて、必死にその中で咲こうとするウマ娘なのです。
ファインモーションは自らに課せられた王族のとしての使命、競走生活どちらも捨てることはありません。その両方を得ようとする、ある意味傲慢なウマ娘なのです。
運命を受け入れているファインモーションを見て、エアシャカールはさらに強く、運命へと抗おうとするのです。
ファインモーションは3年間の競走生活を終え、祖国へと帰っていきます。
帰国後、エアシャカールとしているところに、急にファインが現れます。
なんと、「日本親善大使」の役割を伴って日本に帰って来たのです。
ここの展開は。「さようならドラえもん」にて一度ドラえもんが帰ってしまい、ドラえもんがいない日常をなんとかして受け入れつつあるのび太のところに、ウソ800の効果によって、ドラえもんが帰って来るという「帰ってきたドラえもん」の展開にとても似ています。
普通だったらありえないことが起きてしまう、ファインモーション、ドラえもんともに両者そんな物語なのです。
興味を持ったあなたへ
今回これを書こうと思えた、わきたさんの素晴らしい作品です
シナリオ全体が気になった方は、こちらの配信を御覧ください。
もしファインモーションが帰って来なかったら
そんなありえた世界線を描いた素晴らしい作品(むしろ、こっちがトゥルーエンドな感じさえします)
https://twitter.com/biri_ex/status/1730516016890098016?s=46&t=P91otcgw54fYXyLd7jdyvw