【感想】スキップとローファー10巻
少し日が空いてしまいましたが、再びまとです。
この間も映画やアニメを見たり、仕事関係で忙しかったりと色々あったのですが、筆を執ろうとまでは行かずで、日が空いてしまったのですが、今回再び書こうと思えたので、再び書いていきます。
今回は、私の好きな「スキップとローファー」の最新巻が発売されたので、それについて語っていこうと思います。
※初見の方への説明はほとんどせず、好きに書いていきます。
志摩くん
美津未ちゃんと一度付き合って別れた志摩くん。
美津未ちゃんの実家に行く旅行中もその美津未ちゃんに対する感情をうまく整理できず、ぎこちない態度を取ってしまっていました。
(9巻でのサウナでの迎井くんとの、「人」、「友達」、「恋人」としての「好き」の序列の話は必見です。)
そんな中志摩くんは、腹の調子を崩して気が引けるなどのどうしても周りの目を気にしてしまっているのですが、そこで美津未が
「ここにいる全員入学初日にゲロした人と友達でいてくれる人だよ?」と
周りの目を気にしないでありのままでいること、そのありのままの姿を受けて入れてくれる存在がいること、そんなことの尊さが志摩くんの心に染み渡ります。
東京に帰ってきてからも、皆が各々の家族に受け入れられている描写の一方で、志摩くんはマックらしきところで一息。「行くか。」
皆が帰る場所というところで、志摩くんにとっては帰る場所というよりは行く、向かう場所になっています。
そして親御さんからの心配の声を冷たくあしらってしまいます。
ただ今までとは違い、このままではいけない、過去の嫌な記憶をいい加減手放さないとなと心の中で吐露します。
次巻以降は、もう少し志摩くんの過去や家族の話の深堀りがあるかもしれませんね。
風上先輩
まさかのここで風上先輩の深堀りです。
最初は嫌味な出来杉くんくらいな印象だったのですが、文化祭のときに高嶺先輩に語ったエリート家系ならではの苦労が少し語られたのですが、がっつりそこの深堀りが来ました。
話の最初でまさかの、特撮ポーズを取る風上先輩。
風上先輩、特撮好きだったんですね。。!
だけど、飾ってあるのはちょっとしたソフビのみ。PCを静かに閉じる風上先輩。
学校でも、部活でも、恋愛でも要領よくやってきた。
家に帰ると、大事なソフビが勝手に他の人にあげられたことが発覚。(フィギュア勝手に捨てられる問題的なやつですね)
抗議をするも、父親に咎められる。
そうした翌日、兼近先輩が生徒会室で特撮のポーズを取っている。
そこで一言。
「アレスは左利きだろうが」
ただの一言ではないです。厄介強火オタクみたいな大声です。
いつもクールな風上先輩が大声でしかも、特撮のことで。
教室を飛び出した風上先輩を兼近先輩は自転車で追いかけます。
兼近先輩は自分のやりたい演劇を優先に考え、W大の演劇サークルに入ろうとしていることが語られています。
一方、風上先輩は親や親戚もおそらくそうであろうT大。
ソフビのことを語り。買い直せばいいと語る風上先輩を、「いや全然良くないだろ 同じじゃないし」と一蹴する兼近先輩。
そんな兼近先輩を見て、どこか思いを決めたような風上先輩。
兼近先輩は実際に近くにいてほしくないとまで思ってしまう、ノンデリ極まりみたいな人なのですが、彼の純真さ、真っ直ぐさで周りの人にいい影響を与えるというのはある意味、美津未ちゃんに通じるものがあるかもしれませんね。
翌日、職員室に行くと花園先生と親御さんが言い争いをしています。
その前の話でなんと、花園先生が産休に入ること、結婚はしていないことが語られています。
そのあと、花園先生に風上先輩は話しかけます。自分と似たもの同士だと思っていたから。
花園先生はこう語ります。
ここの花園先生の覚悟が決まった表情、背中とてもすごいので、ぜひ本編で確認してほしいくらいです。(語彙力)
お祭りの楽しいところ=性交渉
他人のゴミの片付け=子育て
なのでしょう。
今までの花園先生だったら、育てる、ましてや未婚の母としてというのはなく、堕ろしていたでしょう。
ただ、実際にその状況になってみて、そうではないと気づいたのです。
ただ要領よく、こうしたほうがいいとただ合理性にのみ目を向けるのではなく、自分がどうしたいのか、根源的な自分の欲求に初めて向き合えた瞬間なのではないでしょうか。
そうした覚悟の決まった花園先生を見て、今までのT大の赤本ではなく、K大の赤本を手に取る風上先輩。
物理的にも親元から離れ、一人暮らし。(K大を勝手に京大としていますが笑)親が敷いたレールではなく、自分で選んだ道を行く。
彼もまた、自分の欲求に向き合い始めたのではないでしょうか。
最後に
風上先輩の話が個人的に暑すぎてたくさん書いてしまいましたが、他にもおミカやナオちゃん、迎井の話や美津未ちゃんが女友達に志摩くんと付き合っていたことを告白する話など他にも色々あるのですが、今回は一旦ここで。
美津未ちゃんの故郷のモデルは石川県珠洲市。今回の地震で甚大な被害を受けた地域です。
今回は「能登半島地震応援版」というほうを購入させていただきました。
亡くなられた方々への御冥福を祈るとともに、一日も早い復興を心より祈念しております。
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