薬草・薬樹・野菜デビュー 59 トウガン 生薬名 冬瓜果(味 甘 性質 涼) 冬瓜子(味 甘 性質 寒 帰経 脾・胃大腸・小腸) 冬瓜皮 (味 甘 性質 微寒 利水消腫、清熱利尿)
冬の瓜と書いて冬瓜(トウガ、トウガン)丸々だと冬まで長持ちするから、冬の瓜だと言うことです。
沖縄では年中食べていたような。ツナと相性が良かったような。 東京の人は冬瓜をあまり食べないらしい。大根と似てるけど大根のような歯ごたえがない、旨みもない。 あっさりさっぱりの蔬菜。
それでも立派な家庭で使える薬になる植物なのです。
「漢薬の臨床応用」には食べられている本体瓜ではなく、種、皮が生薬として、効能、臨床応用が載っています。
本体の瓜は95%水分なのだそう。薬膳先生は夏の食べ物として、冬瓜はお勧めの野菜でした。 立秋を過ぎたとはいえ、暑さ最高の今も食べ頃なのでしょう。
「家庭で使える薬になる植物2」より
トウガ(冬瓜)------利尿、百日咳、中毒、ソバカスに 〔ウリ科〕
トウガというと日本名は漢名の冬瓜を日本読みにしたもの、冬瓜という漢名は「神農本草経」に見え、『この瓜は冬に熟するので冬瓜という』と李時珍は「本草綱目」に述べている。 トウガをカモウリというのは瓜の外皮に白い毛があるが、この毛がカモの羽毛を引いたあとに残る沢山の柔らかく細かく軽い毛(鴻毛とでもいうか)に似ていることから来ているのであろう。
ジャワ原産で、蔬菜として古くから栽培されている一年草である。 全体に毛があり、蔓には巻きヒゲがある。葉大きく掌状に浅く裂けている。花は黄色で、雄花と雌花とが同じ株についている。 果実は大型で、長形種、円形種、扁形種の型がある。種子の寿命が長く、10年間保つという。
薬効
①百日咳、又は咳止めには、果実の皮を乾かしたものに甘草を加えて煎じたものを飲むと良い。種子または果皮に竹の葉を加えて煎じたものでもよい。
②種子または果皮の乾かしたものを煎じて飲むか、あるいは果肉を料理して食べると、利尿に効き目があり、むくみ、かっけ、痔疾、婦人の血の道などにおだやかな作用がある。
③魚類、カニ類、茸類の中毒には、果皮を煎じて飲むか、果実の絞り汁を飲むとよい。
④ソバカスには、果実を三センチぐらいにきざみ、種子と共に水と酒で煮て、それを布袋でこし、その汁を半分に煮詰め、これを気長に塗ると効き目がある。また種子を粉にして、桃の花を等分に加え蜂蜜で練ったものをつけるとよいという。
⑤痔疾は種子を煎じた汁で患部を洗うとよい。
⑥子供の下痢、疲れなどには、果実をつぶして、その汁を飲ませると良い
⑦口内の腫れ物には、種子を黒焼きにしてつけるとよい。
「漢薬の臨床応用」 より
冬瓜子・冬瓜仁
ウリ科 トウガンの成熟種子を乾燥したもの。 ⭕味 甘、 性質 寒、 帰経 脾・胃大腸・小腸 ⭕主成分 トリゴネリン、アデナイン、脂肪油 ⭕薬理作用 清熱化痰(セイネツカタン:痰を除き熱を冷ます)・排膿
①利尿・消炎→炎症性の腫張・化膿に効果がある。②去痰
⭕臨床応用 内臓の化膿症・熱痰による咳に補助薬として用いる。用法はヨクイニンと同じである。
冬瓜皮(とうかひ) ウリ科
トウガンの果実の皮を乾燥したもの。味は甘、性質は微寒。利水消腫、清ねつして利尿するが効力は弱い。一般に虚弱体質やかっけの軽度の浮腫・尿量減少に使用する。
ウィキより
薬用
初霜が降りたころが採集期で、完熟果の外皮を除いて、内皮を薄切りにして日干しした冬瓜皮(とうがんひ、とうがひ)や、種子を水洗いしてから日干しした冬瓜子(とうがんし、とうがし)と称されるものが生薬になり、薬用にされる。
漢方では、冬瓜子を緩下、利尿、消炎の目的で、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)などの処方に配剤している。
果実に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、血圧上昇をコントロールして、高血圧症予防に役立つといわれ、浮腫の解消にも効果的である。
民間療法では、腫れ物や浮腫取りに、冬瓜子は1日量5 - 10グラムを、冬瓜皮の場合では1日量10グラムほどを、約600 ccの水で半量になるまで煎じて、1日3回に分けて服用する用法が知られている。
そばかす取りに、冬瓜子と白桃花(はくとうか)の粉末を、それぞれ同量の割合で蜂蜜でクリーム状に練ってつけるとよいといわれている。
身体を冷やす作用があり冷え症の人は服用禁忌とされ、加えて排泄作用が強いため下痢や頻尿の起きやすい人は食べ過ぎに注意が必要である。
逆にのぼせ症や膀胱炎の解消、手足の浮腫を改善させる効果がある。
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恐るべき薬効!!! バカにしていた冬瓜は丸ごとなら冬まで使えるし、種は神農本草経の上品です👏💪。皮の乾燥品も生薬。 薬膳先生の夏薬膳素材大お勧め