見出し画像

複雑な思い

普段は気丈な盲ろう者が、たくさんの人々が参加してるイベント会場を、恐る恐るひとりで白状をついて歩いているのを見かけました。声をかけると、安心したような笑顔で話をしてくれ、不安だったんだなぁというのが感じられました。いつもはしっかりした言葉で話されていますが、「こんにちは、〇〇です」と手を触れると、満遍の笑みで返してくれます。                        

見えていたのが見えにくくなり、聞こえていたのが聞こえにくくなる。「盲ろう者」と言うことを認めたくないと言う感情が見え隠れします。悔しいんだろうな。

世間では「盲ろう者」という言葉を知らない人がたくさんいます。啓発活動に奮闘する先輩方の姿を、見せものになるのは嫌と複雑な思いで見られている最近登録されたその方。認めれば楽になる、少し時間はかかるだろうとベテラン盲ろう者は言っています。
              つづく

いいなと思ったら応援しよう!