イギリス史⑤ノルマン朝が興りウィリアム1世が統治
こんにちは。前回でイングランドから北欧勢力がいなくなりました。その後は、アングロサクソン人の伯の称号を持っていたハロルド2世がイングランドを統治するのか?と思ったのも束の間‥ノルマンディー公国に王位を取られたわけでした。では行きます!
ギョームはウィリアム1世として即位
ノルマンディー公ギョームはウィリアム1世としてイングランド王に即位しました。国内がどのように変化したか、一言でいうとノルマン人びいき!という感じです。元々のイングランド貴族の財産をノルマン貴族に与えたり、重要な役職は国外から呼んだ人間に任せたり、フランス文化を取り入れたりなど。
「あれ?なんでフランス文化?」と思いましたか?ノルマンディー公国ってのはフランス王国に属しているわけで、ノルマンディーの文化=ほぼフランス文化‥と、私は認識しています。
【フランス語がステイタス】
やはりフランス文化が流入したことによってです。それまではドイツ語よりの英語が一般的でしたが、フランス語が特別な言語となり、上流階級貴族のたしなみとなってのです。イングランドの国民は今まで通りドイツ語よりの英語を話していました。
【イングランド国民はフランス式を愛さない】
やはり国民にも今まで培ったアイデンティティーがありますから、他国の征服者が無理やり持ってきた文化を簡単には愛せないでしょう。それに今までの征服者はわりとイングランドの文化(アングロサクソン人の文化)を認めて統治してくれていたように感じます。そんなわけでイングランド国民の不満はつのり、度々反乱を起こします。
ウィリアム1世はフランス王の家臣
元々ノルマンディー公のギョーム(=ウィリアム1世)はフランス王の家臣です。イングランドを征服した後もその関係性は変わりません。つまりウィリアム1世はノルマンディー公とイングランド王を兼任しているわけです。
はら?イングランド王なのにフランス王の家臣ってことは‥
イングランドはフランスの属国‥みたいな???(困惑)
このややこしい関係がのちに百年戦争を引き起こす‥らしいですよ。
イングランド王位継承!兄弟でもめる
ウィリアム1世は死にます。原因は遠征中の落馬だそうで。さぁ!問題は王位継承です。ウィリアム1世はノルマンディー公であり、イングランド王ですからね。この権力をどう分配するのでしょうか(●´ϖ`●)
下↓のノートでざっくり書きました。①から順番に王位が変わり、④で長男と末子で王位継承で争います。
④でノルマンディー公のロベール(ウィリアム1世の長男)と新しくイングランド王となったヘンリ1世(ウィリアム1世の末子)で争います。
ノルマンディー公(長男)に勝ってヘンリ1世(末子)が両国を統治
結果的には長男でノルマンディー公のロベールを倒し、ヘンリ1世がイングランド王とノルマンディー公を兼任するわけですが‥その間兄弟同士のやり取りが少し問題となります。
【弱腰ヘンリ1世】
ノルマンディー公(長男)ロベールを恐れたヘンリ1世は、ロベールにお金を支払ってイングランド王位を諦めてもらう作戦に出る!
なんと!!お金で解決?!
でもこれを「ダッサ!!」とイングランド貴族は思います。貴族達は「そんな弱腰なら我々味方せんぞ!」とヘンリ1世にキレるわけです。
それにビビってようやく決心したヘンリ1世。「‥分かった。よっしゃ!ロベール兄さん倒してイングランドとノルマンディーを統一したる!」とやる気になります。そしてその結果、ヘンリ1世が生き残るのでした。
一瞬で終わるブロワ朝
【イングランド王娘のマチルダ】
ヘンリ1世は後継者に娘のマチルダを指名します。この人は神聖ローマ皇帝と結婚していましたが、夫と死別し、イングランドに戻って来ていました。その後フランス中央部のアンジューの土地を持つアンジュー伯と再婚します。このマチルダはローマ皇帝の元妻で、イングランド王の娘で、アンジュー伯の現奥さんなんですね。(肩書き多っっ!)
こっからはしょってブロワ朝の最後までを語ります。
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【ヘンリ1世の死後】
ヘンリ1世が死去しました。後継者であるマチルダは王に‥と思ったら、その即位に異議を唱えた者がいたんです。それが親戚のエティエンヌ(ブローニュ伯)です。この人がマチルダ即位を邪魔し、先にイングランド王として即位してしまうんです。
「なんで王位継承者はマチルダって決まってたのに、勝手にコイツが即位してんの?」と思ったでしょうか?
それはマチルダはアンジュー伯と再婚してアンジューの土地(フランス中央部)にいたからなんですね。つまりイングランドにいなかった!動きが遅れてしまったのが敗因のようです。
【イングランド王スティーヴンとして即位】
イングランド内で味方を付け、動きが早かったことで王位を奪えたエティエンヌ。イングランドではスティーヴン王と名乗ります。これをマチルダは素直に受け入れますか?NO。
【マチルダがスティーヴン王を捕まえた!】
スコットランド王やイングランド貴族達の助けもあり、マチルダが優勢となります。そしてスティーヴン王を捕虜にしてこのまま王位奪還!と思ったら‥
【スティーヴン王の妻が参戦!】
イングランド王スティーヴンの妻、つまり王妃ですね。その名をマチルダ!(同じ名前!!!)この王妃が夫スティーヴンを助けます。
【マチルダの息子アンリが参戦!】
母親マチルダ(アンジュー伯の妻)に代わって、成長した息子アンリがこの戦いを引き継ぎます。このアンリがめちゃくちゃ領地を広げていくんですね〜すごい!強い‥?からか??
【イングランド王マチルダ王妃死去】
スティーヴン王の妻であり王妃のマチルダは死んでしまいます。なんで死んだかは知りません。とにかく亡くなりました。ここで重要なのは王妃の息子(後継者)も亡くなってしまったことです。妻も後継者の息子も死んでしまったことで失意のスティーヴン王。「もういいわ‥‥。byスティーヴン」
【ブロワ朝が終わる】
スティーヴン王は自分が死んだらその時アンリにイングランド王位を譲ることを約束させられます。そしてその後スティーヴン王が亡くなったことで、アンリはスムーズにイングランド王に即位できました。これでブロワ朝はスティーヴン王の代のみで終わり、次回からはアンリのプランタジネット朝が興るのでした。
次回はプランタジネット朝!アンリの獲得した領地から!
お疲れ様でした〜