ツマグロヒョウモンチョウの初見お触り
ツマグロヒョウモンチョウをご存知でしょうか?
「いや、そんな二度見しないと読めないような名前のチョウ知らないよ」というのが一般的なご意見でしょうか。上の写真(Wikipediaより)のような綺麗なチョウです。
では、ツマグロヒョウモンチョウのサナギをご存知でしょうか?
「成虫すら知らないのにさなぎなんて!」と言われそうですが、写真で見るとこんな感じです。
背中?の金色部分が光り輝いていて、これまた綺麗なさなぎです。
ではでは、ツマグロヒョウモンチョウの幼虫をご存知でしょうか?
もはや「知ってるわけねーよ!」と怒られそうですが、写真で見るとこんな感じです(この先、意外な写真が出てきますので、苦手な方はスルーをば)。
昆虫業界ではよくあることなのかもしれませんが、成虫は、そしてさなぎはあんなに綺麗なのに、なぜ幼虫はこんな?と疑問が湧いてしまう形態をしています。
で、やっと本題。実はこのツマグロヒョウモンチョウ、幼児教育の現場では結構身近な生き物なのです(少なくとも九州では)。なぜならばこの幼虫、パンジーやビオラの葉を好んで食べ、そのパンジーやビオラは幼稚園や保育所などによく植えられているからです。
園芸などされる方は、「あー!そう言われれば見たことある!」と駆除した経験が浮かんでくるかもしれませんが、こと幼児教育の現場では、子供たち、捕まえてきます(゚Д゚;)
棘があるうえに毒々しい色の幼虫を何故捕まえてくるんだ、と突っ込んでしまいそうですが、実はこの幼虫、全くの無害で素手で触っても痛くもかゆくもありません。毛虫のフリ(擬態)をしているだけなのです。
それもそのはず、大人しい性格で、モゾモゾと這い回ってただひたすらにに葉を食べるばかり。他のチョウの幼虫のように、臭いツノを出してくることもなければ威嚇して奇妙なポーズを取ることもない。慣れてくると、その動きや食べっぷりに愛らしさや癒しさえ感じてしまうほどです。
子供たちもそれを分かっていて、よく取り出しては手に乗せるなどしています。
ただダンゴムシと違って、虫好きな子でさえ初見で触れる子は少数です(笑)。そのような意味では「度胸試し」のような側面をもっていて、触れる子は皆から「憧れの存在」として見られるようになります(そのうちどんどん触れる子が増えてきて、そのカリスマ性は一時のものとなる〔笑〕)。
で、幼虫と慣れ親しんだ後は、金に輝く突起をもつさなぎを鑑賞。「何で金色なの?」と、答えの出ない疑問を幼児なりに考えているうちに羽化してチョウが出現(たまに幼虫が寄生されていて、ハチが生まれてくることもあるけれど、それさえも子供たちにとっては1つの学び)。成虫も人懐っこいので、ひらひら舞いながら近寄ってきたり、指に止まったり。「完全変体」を間近に見られることを含めて、豊かな経験を幼児にもたらす存在なのです。