そんで結局、アクセントウォールはいつ廃れるの?
日本ですっかりお馴染みになったアクセントウォール、北米インテリアYoutuberたちは少し前から「時代遅れ!」「もう終わりだ!!」と叫んでいる人が多いです。と言いつつ、北米でもやっている人はまだまだたくさんいるんですけどね。今日は「アクセントウォールが終わる日」について考えたいと思います。
アクセントウォールとは??
部屋の壁の一面を他の面とは違うデザインにしたもの。単色、柄、立体的なものなど色々。デザイナーによってはfocal wall、feature wallと呼ぶ人もいる。とりあえずここでは一面全体を覆うものとしておきます。(ヌックの中とか、一部分にアーチ型などの幾何学模様を書くとか、壁の下半分だけ色を塗るとかは除外ということ)
それでは現在のアクセントウォールについて、北米と日本にわけて話します。
北米
多分2000年代から流行り始めた。最初はカラフルな単色に塗ったり、大胆な柄の壁紙を張ったり。それから比較的単純な柄を手描きしたり(muralと呼ばれる。直訳すると壁画)、すごくトリッキーな幾何学模様を立体的につくったり、と変化してきている。こんな風に↓
ちなみに、これは多分大工さんがやっているチャンネルで、自分が作ったばかりのアクセントウォールを前に、多分このアクセントウォールも五年か十年経てば、設置したことを後悔することになるだろう、とネガティブに話しています。
そして話すトーンがなぜだか、株で大損した人みたいに投げやり&悲しげで「どしたん?そのテンション」となる。多分大工仕事で疲れているのかもしれない。
話を戻しましょう。
最近は全面の壁プラス天井まで全て同じ色にした、シームレスに統一感を持たせるスタイルがトレンド。
でもこの最新のトレンドすら、みんなやりすぎている(overdone)から今から取り入れるのは注意!という人もいる。その一方でアクセントウォールも普通にまだやる人がいるので、一体何を信じれば良いのやら…
日本
多分北米の影響を受け流行。今でもあまり廃れる気配がない。北米と違って、壁一面でガツンとインパクトを与えるよりも、ベージュやグレーなどの落ち着いた色が主流。立体的なものに関しては、北米ほどトリッキーなものではなく、縦格子のようなシンプルなものをよく見る(英語だとwood slatwall)。
あとエコカラットは立体に入るのか??謎。
今後のトレンド予測
未来を予測するのは本当に難しい。
例えば、誰がパンデミックを予想したでしょう?
私たち夫婦がマンションを買ったときはオリンピック前でしたが、その当時はオリンピックが終わったあと不動産価格は下がるだろうという予測でした。
しかしオリンピックはパンデミックのせいで延期された上に中途半端に終わり、ついでに不動産価格(特にマンション)は上がり続けました。
そして突然ロシアがウクライナに進攻し、その煽りで物価が上昇し、人々の生活を圧迫しています。少し前に買った家具の値段を調べてみると、軒並み値上がりしています。
それにそもそも、私はインテリアの専門家でもなく、ただの北米YouTubeジャンキーなんで、トレンドを予想するなんてとても……
すみません。皆さんが読みたいのは結論ですよね。
えっと…とりあえず、DIYブームと景気の停滞が終わるまでは、アクセントウォールは廃れないのではないかと個人的に予想しますハイ。
DIYブームによって、自分で壁紙を貼る人も増えたのではないでしょうか?今は貼って剥がせる壁紙もあるから、賃貸の人も好きな壁紙を楽しめるようになりました。
しかし、部屋の全ての壁に壁紙を貼るのはなかなか大変ですよね。だから一面だけ貼る人が多いのではないでしょうか。
壁紙ではなく単色に塗るのであればまだ簡単でしょうが、北米と違ってビニル壁紙が主流の日本ではあまりできませんよね。ビニル壁紙の上から塗れる塗料もあるようだけど、ラインナップはあまり多くはないようだし…
前述した、全ての壁+天井を同じ色にするトレンドも、ペンキを塗るだけなら壁紙よりはずっと簡単ですよね。だから流行ったのかな?
そしてDIYと経済状況は密接に結び付いています。もちろん、経済的な余裕は十分あるけど、ただもの作りが好きなのだという人もいるでしょう。でも「節約」はDIYを始める理由として、かなりの部分を占めているのではないでしょうか。
壁紙の値段はピンからキリまでありますが、もし老舗メーカーの輸入壁紙を全面に貼ると、かなりの値段になります(←経験者)。一面貼るだけでも部屋の印象は結構変わるのだから、もう一面だけにしておこうとなる気持ちはよくわかります。
昔のイギリスでは壁紙は高級品で、部屋全体を美しい壁紙で覆うのが富の象徴だった、と聞いたことがあります。壁紙を貼る面積が小さくなったのは、経済の縮小をそのまま表しているのかもしれません。切ない……
そして今の景気の悪化(というよりは物価の上昇?)がいつまで続くかはわからない…残念ながらこれはトレンドどうこうの話ではない。
ペンキで塗るだけならまだ安上がりですけどね。だから壁+天井のトレンドが…(以下略)
あと、もしかしたら北米で廃れても、日本ではしぶとく生き残るかもしれない。北米ほどインテリアで冒険したがらない日本と、アクセントウォールはかなり相性が良い気がする。
私が好きなインテリアYouTuberのNick Lewisが、アクセントウォールを無理して取り入れる必要はない、という動画をだいぶ前にアップしていたんですが、彼自身は何年か前にリノベーションしたアパートの寝室に、アクセントウォールを取り入れています。彼いわく「今考えると部屋全体に貼るべきだったけど、派手になりすぎるんじゃないかって怖かったんだよね」と言っていて、北米の人が怖いと思うんなら日本人絶対ムリじゃん…と思った(Nickはカナダ人)。日本人は壁一面だけですら無難な色にしがちなのに…
Nickのアクセントウォールについての意見はこちら↓
Nickの寝室を含むルームツアー動画はこちら↓
我が家のアクセントウォール
うちは寝室と廊下にアクセントウォールをとりいれています。
もし、アクセントウォール(笑)みたいな雰囲気になったら私はどうするか?
寝室については…正直よくわからない。
ターコイズっぽい水色は気に入っているけど、全面に貼りたいわけではない。これは!という色を見つけたら、今度は全面に貼るかも。
廊下については絶対に変えない。
この壁紙はとても気に入っているけど、さすがに廊下の両側に貼るとパラノイア気味になりそう。
変えるとしたら、無地の方を黄土色からネイビーにするかな。あくまで柄は一面のみ。
さっきから色々と書いてきましたが、アクセントウォールが廃れても、自分がその空間が好きなら何の問題もないですよね。
あとかなり広い空間でなければ、全面に貼らない方が良いものもやっぱりあると思う。うちの廊下の壁紙のようなコントラストが強い柄や、木のパネリングなども個人的にそう思う。
あと、アクセントウォールに否定的なYouTuberも、絶対にアクセントウォールを取り入れるなと言っているわけではなく、注目してほしい部分(focal point)の背景の壁に取り入れるべきで、ランダムに選んだ壁に適当な色を塗るべきではない、ってなニュアンスですし。
最後に、誰も読んでくれないカラフルな壁紙についての記事を貼っておきますね。
それではこの辺で。