マキシマリスト的コレクションの飾り方(あるいはミニマリズムとの比較)
皆さんはマキシマリストですか?
唐突かつ、やけに具体的な問いかけですね。
いいえ…と言われたら即効で会話終了しちゃう。
ここではインテリアデザインにおいてのマキシマリスト(スタイルとしての呼び方はマキシマリズム)のことを言っていますが、そもそもマキシマリズムって何?という人のために簡単に説明を。
インテリアスタイルとしてのマキシマリズム
個人的には、マキシマリズムの空間には大きく分けて2つあると思っています。
①所有しているものが多く、空間にたくさんの家具や雑貨などが置いてある。何か特定のもののコレクションが飾ってある場合が多い。
②様々な色、柄を組み合わせた、派手で主張の強い空間。特に多くの人が抵抗を覚える柄×柄ミックスを積極的に取り入れることも多い。
①と②が共存する場合も当然あり。
ミニマリズムの真逆を行くデザインのことです。
ミニマリズムvsマキシマリズム
北米のインテリア界では、何年か前からミニマリズムはもうおわり!次はマキシマリズム!的な雰囲気ですが、実際流行ってるかと言われると…どうなんだろうな……
そもそもミニマリズムはインテリアデザインというよりは、ライフスタイル全般でカバーする範囲が広かったし、近藤麻理恵(こんまり)先生などの著名人を生んだり、ミニマリストYoutuberがボコボコ生まれたり、爆発的な社会現象でしたからね。特にこんまり先生は、自身の名前(Konmari)が英語の動詞になるほどでした。
例えばI konmaried my closet.はクローゼットをこんまりメソッドにより整理した、みたいな意味。こんな日本人他にいるか??
そんな私も、今のマンションに引っ越してくる時はミニマリストブロガー筆子さんの記事を読んで随分荷物を減らすことができました。その節はお世話になりました。
noteやっておられたんですね。
って何だかミニマリズムについてばかり書いてますが、今回の記事はミニマリズムについてではありません。私もミニマリストじゃありません。もし筆子さんがこの記事を読んだら、こいつ本当に私のブログ読んだんか?と疑うと思う(いや、本当に結構読みました。だからブログとの矛盾に気がついているわけで…)。
ミニマリストブログのおかげで、しまいこんでいた不要なものはたくさん減らせたけど、必要最低限のもので暮らしているわけではないし、コツコツ集めたお気に入りのものは見えるところに飾りたいタイプ。
序盤に書いた2つのマキシマリズム要素でいうと①が3割、②が7割くらいの割合で、色柄を多用するのが好き。それでも全体的にはソフトコアなマキシマリストって感じですかね。
今回は、そんなソフトコアなマキシマリスト流、集めたものの飾り方について書こうと思います。
最初にちょっと言っておきたいのは、これは「雑貨のディスプレイ方法」とはちょっと違います。
よくあるディスプレイのコツは、ライティングに凝るとか、飾るものの個数は奇数がいいとか、三角形のシェイプを意識して…とか。
ただ、個人的にはお店のディスプレイみたいなのよりも無造作に飾りたいタイプ。
なので、今回紹介するのはとてもシンプルかつ、モノのボリューム多めの場合の飾り方(飾る個数は奇数がいい、とか言ってられない量)。私が過去に参考にしたマキシマリストのYouTube動画も引用します。ちなみに動画で特集されている人たちは、私よりも遥かにハードコアなマキシマリスト達です。
実践編
一番参考になったのはこの動画。
Jeanie Engelbachさんと愛犬が暮らすニューヨークの部屋。日本ではまずお目にかかれないインテリアデザイン。
Jeanieさんは片付けアドバイザー的な事業をやっているんですが、経営者本人は収集癖のあるマキシマリストというギャップが面白い。
この動画から学んだことはコレクションをギュッと凝縮してまとめること。
Jeanieさんは様々なもの(年代物のランチボックス、バブルヘッド人形、古いソーダ瓶など)を集めているんですが、それらをジャンルごとに(本人曰く''サイコ野郎っぽく'')隙間なく並べてまとめています。
私はJeanieさんほどコレクションの種類が多くありませんが、丸いものをまとめてソファの上に飾っています。
これは、比較的小さいものを壁に飾るときのコツでもあると思う。細々したもの同士の間隔を狭くすることによって全体を大きな塊のようにするとまとまりが出る。
広い壁面に間隔を空けて小さなものを飾ると、壁を飾っているはずなのに逆に寂しい雰囲気を醸す気がする。
上の動画では他にも、様々な色のコレクションを虹の色の順番で並べるというテクニックや、ちょっとしたDIYアイデアなんかも紹介されています。
Jeanieさんはインテリアの取材をたくさん受けているようで、上の動画よりも前に住んでいた家でもルームツアーをしています。
この動画で参考にしたのは、コレクションをまとめるだけでなく、直線で囲むこと。そうすることで整頓されている印象が出せるそうです。私も細々したものを壁に取り付けたキャビネットに収納しています。
でも壁掛けで棚板が複数あるキャビネットって意外に見つからない…
このキャビネットはヴィンテージの家具屋さんで偶然見つけ、その場で即買うこと決めたものの長い散歩の途中だったため、手持ちで家に持ち帰り腕の腱を痛めた。後悔はもちろんしていない。
たまにメルカリをうろうろしていると、壁掛けタイプの古い薬棚など見かけて素敵だなと思うけど、大抵棚板が一枚しかない。ある程度高さのある瓶とかを入れていたせいなんでしょうね。高さのあるものをコレクションしている人にはいいかも。
あと、壁掛けのキャビネット自体にもあまり需要がないのかもしれない。こういうものを設置するには壁の中に下地があるところか、アンカーをとりつけないと危険。それだと賃貸の人はなかなか取り付けられないし、持ち家でも壁に大きな穴を開けたくない人も多いと思う。でも個人的にはおすすめのコレクション収納方法。何しろ床面積をとらない!オープン式の棚でもいいけど、ガラス戸があると埃がたまりにくい。
最後にもう1つ紹介したい動画は女優のAmy Sedarisのニューヨークのお部屋。
この人は不思議可愛いマキシマリストで、最初メスだと思ってティナと名付けたウサギ(その後オスだと判明)と暮らしている。そしてウサギは放し飼いなのでソファやマットレスの生地を食いまくっており、あちこちにつぎはぎがしてあるのがチャーミング。
この動画で、Amyは大きなコルクボードに自由に色々なものをはりつけているけど、コルクボードの縁からはみ出さないようにすればごちゃごちゃして見えない、と教えてくれる。
うちでは子供部屋でこれを参考にしています。
このコルクボードは近所のホームセンターに売っていた中で一番大きいものだけど、もっと大きくても良かった。コルクボードは大きければ大きいほど良い。
最後に自分が思うコレクションディスプレイのコツを。
コレクションを延々と増やし続けるよりは、定期的にコレクションを見直し、お気に入りの精鋭に絞ってディスプレイする。
正直今まで書いてきた飾り方のコツを駆使しても、無限にコレクションを増やしていたらどこかで限界が来ると思う。
飾っているものをよくよく見てみると、知らないうちに好みが変わって前よりも魅力的に見えなかったり、たくさん集めているうちにお気に入りランキング下位のものが出てきたりもする。個人的には、何かを飾ることの目的は、それを見て自分が幸せになるためなので、見て何も感じなくなったものはもう飾るのをやめる。それをどこかにしまうか、処分するかはその人次第。とにかく全てを見せるよりは、常にキュレーションするという意識でいます。
だから今まで書いたこと全部をまとめると、
まとめろ!囲め!間引け!
ってとこですかね。一行で済んじゃった…
これらはいわゆる「見せる収納」をしたい人にも役立つかもしれません。
トレンドとしてはどうなのか
さて、話が冒頭に戻りますが、マキシマリズムは本当に北米で流行っているのか??
うーん、若い人の間では比較的人気なのかな?
IKEAのカラフルでお手頃なレトロコレクションなどが人気を後押ししている感じもある。
それにパンデミック以降は、家で過ごす時間が増えたせいで、殺風景な空間よりも潤いや刺激を求める傾向が強くなったのも確か。ともかくちょっと前のミニマルでモノトーン、みたいなスタイルよりは人気ありそう。
でも、マキシマリズムは取り入れるには精神的ハードルが高く、好きになる人を選ぶスタイルだと思う。広く市民権を得るトレンドというのは、取り入れるのに敷居が低く、大多数の人に受け入れられやすいというのが前提にあると思います。だからミニマリズムみたいな社会現象にはならないんじゃないかな。
そして北米で好みが分かれるのであれば、日本で流行るのは更に難しいこと間違いなし。つまりこの記事のビュー数も全然伸びないことでしょう!でも別にいいんです。
この記事が、お気に入りのコレクションに囲まれた、楽しいスタイルに興味がある人の参考になれば幸いです!
それではこの辺で。