不登校息子の母になる覚悟 #2
昨年末、おしりが重そうに雪虫が飛んでいました。可愛らしいその姿をカメラにおさめようとスマホを取り出すと、危険を察知したのか、必死に逃げてしまって。
ほどなくして、初雪の便りが私の街にも届きました。
オレもやられてたんだよね
末っ子から、クラスメイトのいじめの相談に乗っていたことは聞いていました。いじめをしていた生徒たちが処分を受けたことも聞かされていたので、学校は適切な指導をしたのだろうと安堵しました。
ある日
「オレもやられてたんだよね」
突然の告白に、私の頭は思考を止めてしまいました。
事情を聴くと、5月から探していた生徒手帳に落書きされた上に、表面についているはずの透明なカバーも外され、手帳の表紙も無い状態で戻って来たと言います。
「B(クラスメイトの女子生徒)が落書きしちゃったから。ごめんね」
笑ながら手渡してきたのは、落書きをしたBさんではなく、なぜか友人であるAさん。末っ子から見せられた生徒手帳は、私が見たことのあるそれとはまるで違う、真っ白の‟なにか”でした。
笑ながら返された生徒手帳
Aさんの話では、なぜか分からないが、Bさんのかばんに末っ子の手帳が入っており、自分のものと思い込み落書きをしたと。
※高校生あるあるのようで、私物に記名する時など、おしゃれにデコレーションするのだそうです。
手渡したAさんに対し
「ありがとう」
と伝えた末っ子。どんな思いで受け取ったのだろうか。
書いた本人ではなく、なぜAさんが返しに来たのか。『カースト』のにおいが漂ってきましたね。いつの時代にもあるのでしょうか。
生徒手帳は、定期テストの結果を記録し、反省を書いて担任に提出するために使うそうです。提出期限前に戻ってきた生徒手帳、明らかに他の生徒と違う様相で提出したにも関わらず、特に担任から声をかけられることも無かったと言います。
そこにも大きな驚きがありました。
のちに、この担任にいく度となく苦しめられることになるなんて。