管長日記「松本の神宮寺でイス坐禅と法話」解釈20241004
長野県松本市の神宮寺のお参りのこと。イス坐禅をしたことが注目なのだろう。妙心寺派のお寺なのだが、老師のイス坐禅については、知られてきているのだろうか。長野県は管長日記ではよく出てくる地域で、ほろよい勉強会の諏訪中央病院、また青山俊董老師の塩尻の無量寺で、割と関係がある。仏教関係のインターネットの配信では、それなりによく知られていると思うので、全国でも通用するのかもしれない。
構成
1.長野県松本市の神宮寺のこと、野口法蔵『からだで悟る!』、二年前にチベット式の五体投地の方法を教わったこと、それから今でも五体投地を継続していること
(柳沢阿闍梨とも会ったこと(これはこれで一つのトピック))
2.イス坐禅、実施項目
■神宮寺について
神宮寺(じんぐうじ)は、長野県松本市浅間温泉にある臨済宗妙心寺派の寺院。山号は医王山。すぐ北側にある御射神社の別当寺として創建された。
創建当時は真言宗で、のちに臨済宗建長寺派に属し、現在の宗派に至る。創建時の記録はまったく残っていない。
アバロホールというところが出てきたが、観音堂ということのようだ。梵名のアヴァローキテーシュヴァラから取ったのだろう。
■野口法蔵氏について
禅僧、「坐禅断食」指導者。千代田工科芸術学院写真科卒業。新聞社勤務を経て北インド・ラダックのチベット仏教僧院リゾン寺にて出家し、3年間修行生活を送る。その後、スリランカでのヴィパッサナー修行などを経て帰国、臨済宗妙心寺派で得度する。一日数時間にもおよぶ五体投地(礼拝行)と、断食に坐禅を取り入れた坐禅断食会の主宰・指導はともに30年を超える。
『からだで悟る!断食僧が教える「悩まない身心」の作り方』、『直観力を養う坐禅断食』、『坐禅断食のすすめ』など著書は多い。
本の紹介文に「禅僧・坐禅断食指導者である著者は、毎日の祈りの行として、一日千回の五体投地(礼拝行)と標高千メートルでの早朝の滝行を30年にわたって続ける、まさに「行」の達人であり、「からだ」の使い方のエキスパートである。~本書では、悩まないためのからだの使い方を、五体投地、滝行、呼吸法・坐禅、断食など、多岐にわたって具体的に紹介する。」とある。
健康法繋がりなのだろうが、僧侶であった。取り組み内容はかなり興味深い。
■柳沢阿闍梨
以下のような紹介文を見つけた。
昭和23年長野県茅野市にて生まれる。25歳で吉野山金峯山寺に入寺。35歳で「大峯千日回峰行」を戦後初めて満行。
昭和59年には、断食・断水・不眠・不臥を9日間続ける「堂入」(四無の行ともいわれる)を満行。平成元年、笙の窟百日籠山行を満行。その後、寺内において2度の百日籠山行を満行している。
《大峯千日回峰行とは》
奈良県・吉野山の金峯山寺蔵王堂から大峯山上ヶ岳(標高1719メートル)にある山上蔵王堂までの山道を、往復48キロ、山上蔵王堂の戸開期間中143日を1日も休まず歩き続け、8年かけて満行する行のこと。
小池陽人の随想録でも対談の動画がある。
■今回のイス坐禅
・午前九時半から一時間本堂でイス坐禅、その後十一時から一時間神宮寺様にあるアバロホールで法話、普段都内の半分の時間、参加は七十名ほど
(1)まずは紙風船、スポーツ庁長官の室伏広治さん考案、藤田一照さんから聞いた。
体幹が鍛えられる、無心になれ、気持ちがほぐれる。
(2)手首や肩をほぐす運動
(3)肺を広げる運動、肺を上と下、左右、前と後ろ広げてゆく。息を深く吸う/吐く。
(4)それからイスに坐って、まず仙骨と座骨を確かめる。坐骨はイスに接触するところの骨
(5)足首を回し、足の指を小指から一本一本丁寧に回す。
(6)足の裏を両手の親指で刺激して、更に拳でトントン叩く。
(7)それからテニスボールをつかって拇指球、小指球、踵の三点で床におす。
(8)簡単に首をほぐしてから、仙骨を立てて、頭頂も指で刺激して姿勢を作る。
(9)最後に腰を立てる運動を行ってようやく坐禅に入りました。
以上、三十分ほどで姿勢を作る。
「山に抱かれた神宮寺様の清澄な空気と自分の呼吸とは一つに溶け合っていると感じることができます。」
途中、歩かない経行を行う。立ったままで足踏み。この足踏みを呼吸に合わせて行う。
だんだん足を上げるのを小さくし、踵だけがかすかに持ち上がって息を吸い、踵を下ろしながら息を吐き、更に足は動かずにただ踵から息を吸い、踵から息を吐いてゆく。
そうして二回目の坐禅に入ります。
丹田のあたりをトントンと両手で軽く叩いてもらって丹田に意識をもってゆく。
二回目の坐禅の前には、眼をほぐすワークを入れました。
一緒に参加してくれた和尚さん達数名にから、イス坐禅に対する見方が変わったとのこと。
■神宮寺の行事の樣子
多くの方が手伝っており、高校生の姿もあった。
みんな谷川和尚のお人柄に惹かれてお寺に集っている。
円覚寺からは、修行僧も六名参加。感動していた。