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短歌ブーム

 確かに今「短歌ブーム」なのだと思います。ただ、ブームってどれくらい時間の幅まで「ブーム」なのでしょう?

 朝ドラ「舞いあがれ!」は2022年10月3日から2023年3月31日の放送で、終了してからもう1年半近いです。また、やはり朝ドラの「花子とアン」で柳原白蓮が話題になり、同時に短歌にも注目が集まったように思います。この放送は2014年3月31日から9月27日で、ブームは更にぐっと遡ります。
 
 もっと遡れば俵万智さんの「トリアングル」が読売新聞に連載されていたのは2003年 8月25日から翌年の3月 4日で、これは小説ですが短歌(リアルタイムで見ていないので各回ごとなのかは今分からないですが)が挟み込まれており、普段短歌に触れる機会のない層を一気に読者として巻き込みました。

 新聞社は当然、今までに無い歌物語のような形式の小説がブームになるだろうことを見越していたでしょうし、その思惑通り映画化されもしました。「TANNKA 短歌」(2006年11月)がそれで、2006年5月の制作発表会見でクランクアップ予定が6月ということだったので、おそらく連載終了直後から制作に取りかかっていたでしょうし、ひょっとして最初からメディアミックス的企画だったかもしれません。

 私は映画を見ていませんので、今改めて「TANNKA 短歌」公式サイトや情報サイトの読者コメントを見たのですが、面白いことに、ストーリー自体よりも挿入された短歌についての感想が多いのです。これは「トリアングル」の情報サイトも同様でした。

 まあ、そもそも不倫二股という前提がある物語のなかに、1首として独立した相聞歌が非常にシャープに差し込まれているわけで、そこに読者が心を掴まれたというのはあると思います。

 そういう文脈で見ると、いわゆる歌壇外での「短歌ブーム」と呼ばれる事象は(ブーム仕掛け人による)「トリアングル」から始まって、そこからずうっと続いているものなのではないでしょうか。

 その後、つぎつぎと歌集がモチーフになった映画が公開されましたが、短歌ブームの方法というものが「トリアングル」の方法で一度できあがって、それに則っているように思います。

 今思いついたので調べながら書くことが出来ませんでしたが、鳥居さんや笹井宏之さんのドキュメンタリー番組なども短歌ブームの一環として考えてみる必要があると思います。

 でも、それって「ブーム」なのか?


 こんなまどろこっしい文章ですが、よろしければサポートお願いします。  あたし、いつもふと気づいたことはいっぱいあるんですが、ほっとくと忘れちゃうんですよ。  で、ここではもうちょっと落ち着いて深く考えてみたことを書いて見ようとしているんです。