依存する親と健全に向き合うには
親子の会話って、普通はどんな感じだろう。
私の場合は、数日おきに『死にたい』『寂しい』『つらい』とメッセージが送られてくる。ラインというのはトークを長押しすれば既読にせず届いたメッセージを読める。だからどんな内容かを薄目で見るだけで基本は返信しないようにしている。
ひどい対応と思われるだろうか。
でも正直、身内から『死にたい』とメッセージが届き続けるのはしんどい。かなり。このじわじわと心が重くなっていく辛さは、経験したことがある人しかわからないかもしれない。
最初は頑張れる。そりゃあ身内なので、励ましたりもしてきた。時には一緒に涙を流しながら。でもそれが十数年も続くとなると、もうこっちの心が限界なのである。
もうやめてくれ。そんなこと言われる子どもの身になってくれよ。つらいと言いながら、お前たちは冷たいなどと罵りながら、自分のことしか考えていないのは一体どっちだよ。
一回なぐさめるとエスカレートするんだ。どんどんどんどんネガティブが過激になって『死んでもいいか?』なんて聞いてくる。
もうどうでもいいよ。死にたいなら死んでくれ。こっちの意見なんて聞かなくていいから勝手に。本当に死んだとしたら悲しむとは思うけど、たぶん泣くけど、きっとほっとすると思う。やっと終わった、これで親に同情的な子どもとしての自分に戻れる。うんざりした気分になることなく素直に『もっと親孝行しておけばよかった』『死んでほしくなかった』と、親の気持ちに寄り添えなかった自分に後悔できる。
今は親からの連絡は恐怖以外の何物でもなく、未読のラインが溜まっていくことが憂鬱で、通知は切りっぱなし。トークもこまめに非表示にしている。親と関わることが、親と会話することが、トラウマになった。
ただ少し自分でも変わったのは、ネガティブな内容以外のメッセージには返信をするようにしているということ。『雪が降ったか』『地震は大丈夫だった?』そんな雑談には応じている。
少し前まではどんな会話もアレルギー反応みたいに不快感が湧いて出たけれど、私も大人になったのかな。
地元には、親の周りには気にかけてくれる親戚がいるので、親と没交渉にはしにくいし(周りの視線を気にしてしまう)、年に一回は実家に帰るし、これでも私は前より頑張っている。
ただ親に、『死にたい』というメッセージを送ってくるのをやめてと、そう言うことができない。話題に出したくない。湿っぽいぐずぐずな空気になることがわかっているから。想像すると身がすくむ。だから遠回しに、子供と会話したいなら普通の話題よこせよと。そういう私の気持ちを伝えている。