桃薫と越後姫 ~いちごテイスティング 2~
なんだか坂口安吾の小説(「夜長姫と耳男」)みたいな表題になってしまいましたが、イチゴのテイスティングの記事です。
ふるさと納税で届いた返礼品のいちごが2パック。1パックは子どもらと妻に食べられたしまいましたが、とりあえずテイスティング用に、それぞれ一個ずつ私用に確保しました。
ふるさと納税にて、返礼品を受け取るというのは若干回りくどい筋道のものではありますが、まあそれはそれ。損する得するだけで人は生きていられません。いずれにしても、あまりこちらの方では見かけない品種のものを試したい、という気持ちに答えてくれるだけでも、儲け物なのではないでしょうか。
さて、どちらが桃薫で、どちらが越後姫かわかりますか?
右が越後姫で、左が桃薫です。
越後姫は、「ベルルージュ×女峰」×とよのか、という交配です。といってもブドウの交配に比べ、いちごの交配はよりわからないので、なんともいえませんが、香りはいちご感あります。先日の「かおり野」と同じくらい鮮烈なベリー感があります。
切った断面は…おお美しい。
みずみずしい酸味と、渋みの少ない甘味が印象的でした。さすがにヘタの部分の甘みと先端の部分の甘み落差は少なく、全体として楽しめるブランドいちごとなってます。
さて、左が桃薫です。
白いですね。
パック全貌ですが、割と白いものも入っています。
桃薫は、「カレンベリー×F. nilgerrensis」×「とよのか×F. nilgerrensis」(久留米IH1号)の交配で、桃の香りが特徴的なF. nilgerrensisが強調されて、イチゴなのに不思議な香りがあるという品種。
桃薫の香り…なるほど、ココナッツのようなオイリーな香りがして、奥に完熟した桃の果肉の香りがする…。いちごの香りを期待すると、鮮やかに裏切られて、どちらかというと本当に桃や杏仁豆腐ですね。
果肉も白いですね。少しイタミがありますが、味も桃感が優勢です。酸味がかなり控えめで、越後姫と交互に食べると、別の果実を食べているかのように感じました。私の個体は若干糖度が低かったかもしれません。上の子は、桃薫の方が好き、妻は越後姫の方が好きと割れました。
モノの記述を見ると、どちらも耐寒性に優れて、桃薫は実が柔らかいので輸送に難ありということです。確かに、少し当たっただけでも、微妙にイタミが生じてましたもんね。ただ、色合いはどちらも変化なく、いい感じでしたね。
イチゴ感を期待するなら越後姫。これは美味しいいちごです。
桃薫は、正直もっと頬張りたい!と思わせる不思議な香味が印象的でした。値段にもよりますが、パックで見かけたら買おうと思います。