チーム如月問題再燃 〜ある社の人間模様 6〜
後始末はうまく行った。PTA殿と、今日会話して、全てうまく行った旨を確認した。PTA殿にAが謝罪をして、Bもどうやら受け入れてくれて、しこりは残らない方向で進むだろうと思った。なぜかPTA殿から、ギガルのクローズ・エルミタージュブラン2016をもらった。こちらこそありがとうと思い、PTA殿の退職の際には私からも何か贈ろうと思った。
しかし、一難去ってまた一難。
例のプロジェクトに「チーム如月」を入れるという案は通り、来季から「チーム如月」を加えたプロジェクトになるわけだが、一部の業務を「チーム如月」に任せるのではなく、「チーム未熟者」が行なっているプロジェクトに「チーム如月」を加えて、1年間かけて勉強させてやってくれ、ということになった。
これに収まらないのが風間くん。風間くんは、業務負担が分割されて軽減されるどころか、教育的な業務も負わされることで、業務負担が増えると怒り狂っている。気持ちはわからなくもない。
だから未熟者としては、「一からマニュアルを用意するのではなく、何もわからない状態で会議などに参加してもらって、泳ぎを体で習得してもらうので良いのではないか」と言った。
しかし、しんちゃんは「全体をいきなり経験させてもどうにもならないから、部分的なものをやることで徐々に慣らしていけばいいのではないか」と意見した。風間くんは、やるからには全体を経験してもらうと言っている。しんちゃんは、「全体を把握するだけのキャパは今はないでしょう、これはただのいじめですよ」と言う。
未熟者の立場としては、言葉で叱咤したり、失敗をあげつらったりしないことをコンセンサスとして、全体を体験し、自らマニュアルを作成してもらうと言うのがいいのではないかと思った。
そこから立場は変にねじれた。急に立場が反転したのだ。
風間くんは、畑が違うことと能力の差異を言い募りはじめた。
風間くんの言い分としては、「チーム如月は、未経験で、プロジェクトを把握し、実行する能力は現時点ではないから、マニュアルをつくって、把握についてはこちらで代行せねばならない」、ということだ。
しんちゃんの言い分としては、「チーム如月の能力でも、このプロジェクトはできる(能力差を前提にはできない)ので、会議にそのまま参加させても、そのうちできるようになるから、取り立てて手をかける必要はない」、ということだ。
ここに悩ましさを見た。
風間君は、能力差があることを前提としはじめ、一部の業務を自分等が代行する必要があると訴える。(能力の欠如をもって軽んじているようにみえるが、業務負担は少なくなる)
しんちゃんは、能力差がないといっている(自分と同等の能力だとしているので軽んじているわけではない)が、だからこそ業務全体を振れるといいはじめた(業務負担は過重になる)。
どちらがいいのだろう。
簡単にいうと、バカにされているけど業務負担が軽い方がいいのか、バカにされてはいないけど業務負担が過重な方がいいのか、という問題である。
もちろん、能力差、経験差がある、と言っているだけでバカにしているわけではないが、バカにされているとチーム如月の中で思う人もいるだろう。
で、この質問をそれとなくチーム如月の代表者に投げかけてみたが、チーム如月の代表者は「私たち、経験も能力もないんで、今回はオブザーバーとしてだけ参加したいです。でも業務担当のリストには入れておいてください」と申し出てきた。
風間くんが怒った。「業務担当として、上にあげる書類には入れない。横に見せる書類にだけ入れよう。」となった。
さすがの未熟者も、「経験の能力の差が固定されていると前提しないで、その差があってもそれを埋める努力をしてくださいよ」と言ったが、「自分たちは違うんだもん、無理でしょ。アシスタントをしますの一点張り」。
こっちは、プレイヤーとして参加してほしい、と言っているのに、マネージャーをやります、と言っているようなものだ。
「昔と違って、マネージャーなんか必要ないし、むしろ性別でマネージャーはチーム如月で、なんて言ったら問題じゃないですか」と言ったが、とにかく「一年はマネージャーでもなくオブザーバーとして勉強したい。プレイヤーになれるかどうかは、その後で考える」ということになった。
P腹さんが、それを強く羅さんに要求したせいで、最終的にそうなった。
「オブザーバーの意味わかってるのかな、それともP腹さんが監視させる目的で入れようとしているのかな。」と紛糾したが、チーム未熟者の認識としては「オブザーバー」などという横文字ではなくて、「丁稚」ということで扱うことになった。しんちゃんは、不服そうだったが、向こうが自分たちには能力も経験も、それを埋めようとする意欲もあまりない、と自己規定しているんだから、仕方がない、ということになった。