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『西洋の敗北』エマニュエル・トッド著(文藝春秋)ビシビシと脳に来る、これほど刺激的な書物は他にない!年末年始読むべし!
エマニュエルトッド氏の渾身の最新刊『西洋の敗北』
エマニュエルトッド氏の渾身の最新刊『西洋の敗北』ですが、脳天を刺激することこの上ない。
これまでエマニュエルトッド氏の著作についてはかなり本欄でも紹介してきました(例えば下記参照)。
(関連記事含め全記事ということでは、
「エマニュエルトッド りょうさん」の人気の記事一覧|note ――つくる、つながる、とどける。 を参照ください)
歴史人口学・家族人類学の観点から世界情勢に物申す、という点でこれほど現在の世界に刺激的発言するヒトはいないでしょう。
ウクライナ戦争勃発から2年になろうとし、トランプが来年早々には返り咲き着任する、という世界情勢の中、世界の動きの本質をかくも刺激的な言葉で考えでまとめてくれている、エマニュエルトッド氏に日本語で直接アクセスできていることは本当に有難い。
(堀茂樹氏や、今回の訳者大野舞氏に感謝)
本著作の内容は、絶望的にも思えるような先進国の状況が書かれています。それはトッド氏も文中で繰り返し語っているように、そうなりつつあることを決定論的に記述しているためでもありますが、そのような筆致によって読者に直接響くような効果を狙っていると言えます。裏返せば、それほど世界は危機的状況にあるということです。
いわく、ウクライナという自立できない国家が戦争を自己目的化することで生き延びている、ウクライナ戦争を遂行し続けている西欧の予想を超えたロシアが米国のGDPという虚妄を明らかにしている、西ヨーロッパの国々はすでに無くなっている、イギリスは上下階層対立を国家破綻まで突き詰めた等々、、、、
読みながら私は、西ヨーロッパはかくも破綻していたのか、と驚きを隠せませんでした。
これは、よそ事ではありません。日本も日本人ももっともっと危機意識を持つべきでしょう。もう日本も同じように破綻しつつあるのではないでしょうか。このままでは取り返しのつかないことになります。
良心に従って、
世界の行く末を、現在起きているファクトを実効的に押さえて考えて行こう、そして日本を立て直したいとする日本人にとって、この『西洋の敗北』は必読の書です。
今私は、『西洋の敗北』を読了せず、この記事を書いていますが、再読再々読をして、この書の内容を頭に叩き込んで来年の諸活動をしていかなければならないと思っています。
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