「FOMC 0.25%利上げ、パウエル議長もこれしかなかったのだろう。インフレへケアしつつ金融システム安定化をした」/いずれインフレ目標2%を変えるのではないか?
FOMCの結果
本日朝、3/22FOMCの決定が報道されました。日経でもロイターでも様々な識者の意見が開陳されています。
3月の初め時点の利上げ予想は0.50%だったのですが、シリコンバレー銀行破綻に始まる金融不安が意外に大きいことが伝わり、それがそもそも利上げによる債券の下落によるものであることわかりました。
利上げ予測と結果
こうした中で、金融不安がかなり大きなものであれば、利上げも止めることになるし、小さなものであれば0.50%で利上げ継続する線も可能性として有りました。
そして、ある程度金融不安が大きくても納め得るものであれば0.25%とくるでしょうと言う予測を本コラムでもしました(下記)。
その後、
というように情勢分析をしたつもりです。
このような推移の中で、概ね本コラムで記した線でFOMCが出てきたと思います。
これしかない0.25%
パウエル議長も3月に初めにタカ派的発言をして、0.50%の予測を優位に持って行ったのは、この事態を情報として掴んでいたということがあるかもしれません。
この時点でこれほどの大きさになった金融不安をよそに0.50%の利上げをするわけにもいきませんし、利上げ停止すればそれはそれで益々金融不安の大きさを印象付けることにもなるでしょう。
結論的に、0.25%しかなかったと思います。
今後の推移予測??
今後が予断を許さないのは言うまでも有りません。
しかし、ここで私見を述べておきます。あくまでも私見でありそう受け取っていただきたいと思います。
パウエル議長は今回の会見でも、インフレ目標2%は全くぶれずに変えていません。
わたしはここが一番のポイントだと思います。
FRBがこのインフレ目標を変えるときは突然変えるはずであり、それまでは絶対に変えるとは言いません。
しかし、これまで本ブログでも情勢分析してきているように、世界は労働年齢人口の減少によってインフレパラダイムへの完全に転換しました。この認識に金融当局が変わるのにある程度時間を要するだろうと思います。しかし、変わったものは既に変わったわけです。ですので、インフレ目標2%はこれはもうあり得る数字ではなくなってきています。
そして、インフレ目標を変えるタイミングで、利上げを止める若しくは利下げする、ということになるのではないでしょうか。理由は金融システムの安定化かもしれませんし、リセッションかもしれません。
問題は、そのタイミングがいつ来るかということです。
今回の金融不安によって、年内にそういうタイミングが来る可能性が高まった、そういう解釈が現段階での妥当な解釈なのではないかと思っています。