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便潜血が陽性と言われたら・・・②

大腸カメラ、聞いたことはあるが、受けたことはない人が大半ではないだろうか。実際、何のためにするのか、何が見れるのか、受けることによるメリットは何なのか。

1. 大腸カメラで観察する場所

「大腸」カメラというくらいだから、大腸を見るのだろうか。でも「胃カメラ」といっても、胃だけじゃなく食道や十二指腸も見ることを考えると、大腸以外も見るのだろうか。結論から先に書くと、大腸カメラは大腸全体と小腸のごく一部を見ることになる。口から入った食べ物は、食道→胃→十二指腸→小腸→大腸を通って肛門から出てくるが、大腸カメラが届くのは、小腸のごく一部までであり、小腸全体は通常の大腸カメラでは観察できない。

胃カメラや大腸カメラ、どちらでも小腸は観察できないとなれば、小腸はどうやって観察するのか。小腸は、カプセル内視鏡やバルーン内視鏡といった特殊な内視鏡での検査になるため、検診で小腸を調べることはほとんどないのだ。

2. 受けたほうがいい人

大腸カメラを受けたほうがいい人としては、①便に血が混じる人、②便潜血検査で陽性と言われた人、③便がスムーズに出ない人、④前回のカメラでポリープがあると言われた人、⑤親や兄弟等の家族で、腸の病気を言われたことがある人、である。なぜこれらの人は受けることを勧めるかというと、進行した癌が見つかる可能性があるためだ。

2-1. 便に血が混じる人

便に血が混じる場合、考えられるのは腸の病気、もしくは肛門の病気である。腸の病気としては、癌や腸炎がある。肛門の病気としては痔が挙げられる。癌の場合、早期であれば目に見える出血として見られることは多くないため、明らかに血液が混じっているような場合には進行した癌が疑われるため、早めにカメラを受けられる病院の受診が望ましい。

2-2. 便潜血検査で陽性と言われた人

検診で行われる便潜血検査は通常2日分の便を調べるが、1日分でも陽性になれば大腸カメラを受けるべきである。ただし、1日分のみ陽性の場合は癌でないこともあるため、どうしても大腸カメラを受けたくない場合には、大腸CT検査という選択肢もある。ただしすべての病院でやっているわけではないので、ホームページ等で調べてから受診することを勧める。また、大腸CTで異常が見つかった場合には、大腸カメラを受ける必要がある。

2-3. 便がスムーズに出ない人

食生活による場合が多いものの、癌により腸が細くなっていることが原因の人もいるため、今までと比べて細い便が出るようになった場合には、検査することを勧める。

2-4. 前回のカメラでポリープがあると言われた人

前回のカメラでポリープがある、もしくはポリープをとった人は定期的なカメラでの検査を勧める。ポリープが小さい、もしくは悪性化する恐れのないポリープであった場合には2-3年後、ポリープをとった人は1年後を目安に検査を受ける方がよい。大腸はヒダも多いため、1回の検査ですべてのポリープが見つからない場合がある。見落としがないかも含めて、定期的な検査が望ましい。

2-5. 親や兄弟等の家族で、腸の病気を言われたことがある人

大腸癌の中には、遺伝するタイプの癌も存在する。家族で癌と診断されたことがある人は検査することが望ましい。また、免疫によって腸に炎症を起こす人もいる。炎症性腸疾患と呼ばれる病気で、潰瘍性大腸炎やクローン病が含まれる。家族でこういった病気を言われたことがある、もしくは治療中である場合にも、一度検査を受けることを勧める。いきなり大腸カメラすることに抵抗がある場合は、便潜血検査からでもよい。一度検査をしておこう。

長くなったので、実際の大腸カメラの流れについては、明日記載予定である。

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