血圧が高い時、どんな薬が処方されるか
日本に血圧が高い人は約4300万人いるとされている。
ということは、3人に1人は血圧が高いということだ。
このうち、
・血圧が適切にコントロールされている人
・自分が高血圧であると知らない人
・知っているが治療していない人
・治療していても目標に到達していない人
は、どんな割合で存在しているかご存じだろうか。
適切にコントロールされているのは約28%、4分の1程度しかいない。
では高血圧と言われた時、どんな治療が必要だろうか?
治療、と聞くと薬を飲むことをイメージするが、まずは生活習慣の改善である。食生活・運動習慣改善を行ったうえで、十分な改善が得られない場合に薬での治療が開始となる。
内服薬の種類
血圧はどうやったら下がるのだろうか?内服薬の種類から、作用について考えてみよう。
①血管を広げる=カルシウム拮抗薬、α遮断薬
②心臓の働きすぎを抑える=β遮断薬
③血中の水分を減らす=利尿剤
④血圧を上げるホルモンをブロックする
=アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
つまり降圧薬は、血管を広げるか、血管内の水分を減らすかで下げていることになる。
薬の処方
どの薬が、どんな順番で処方されるのだろうか。
上記もののうち、カルシウム拮抗薬、利尿剤、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の4つから使われることが多い。この4つの中でも、一般的によく使われるのはカルシウム拮抗薬である。現在高血圧の治療を受けている方は、飲んでいる薬を見てみてほしい。アムロジピン、ニフェジピン等の薬が処方されていれば、それがカルシウム拮抗薬である。
ただし、それぞれの薬によって、副作用や投与できない病気が異なるため、どの薬が処方されるかは血圧以外に治療している病気があるかによって変わる。
そして、1種類では血圧のコントロールが不十分の場合、上記の4種類から別の薬が追加される。複数薬を飲む場合、配合錠と呼ばれる2種類の薬が混ざった薬が出されることがある。上記のカルシウム拮抗薬(薬剤名:アムロジピンなど)で効果不十分の場合、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(略称:ARB)が出されることが多いため、
・ユニシア配合錠:カンデサルタン(ARB)とアムロジピンの配合錠
・ミカムロ配合錠:テルミサルタン(ARB)とアムロジピンの配合剤
・アイミクス配合錠:イルベサルタン(ARB)とアムロジピンの配合錠
・ザクラス配合錠:アジルサルタン(ARB)とアムロジピンの配合剤
など、数多くの配合錠が存在する。