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貧乏ゆすり

図書館で勉強しているとき、隣に座っている人が貧乏ゆすり(微小揺脚運動)がをしていると非常に気になるが、ふと気が付くと自分もしていることがある。この貧乏ゆすり、落ち着かない様子であったり、音や振動を発生させることから周りにいる人から嫌われやすいが、している本人には意外なメリットがあるとされている。今日は貧乏ゆすりの効能について、過去の報告をまとめていく。

死亡リスクを減らす

長時間座っている人は糖尿病や心臓病、動脈硬化などになりやすく、死亡リスクも高まるということが知られている。こうした中、貧乏揺すりの頻度を10段階に分けて、死亡率との関係を調べた論文がある。結果は
・頻度が最も低いグループ:座っている時間が5時間未満に比べ、7時間以上で死亡の危険度が1.3倍に上がる。
・頻度が中~高いグループ:7時間以上座っていても死亡リスクが高まっていなかった。さらに、1日の座っている時間が5~6時間の場合、貧乏揺すりをしないグループと比較して死亡リスクが下がっていた。

もちろん、長時間座りっぱなしを避けることが一番であるが、どうしても避けられない場合、貧乏ゆすりで死亡率を下げることができる可能性が示唆されている。また、飛行機などで長時間座り続けることで起きるエコノミークラス症候群の予防にも効果があるとする報告もある。

暗記効果を高める

また、暗記や勉強を行う時、歩くなど体を動かしながら行うと効果が上がるとされている。しかし図書館など、歩き回ることはできない状況も存在し、そんな時に可能な運動として、貧乏ゆすりがある。貧乏ゆすりは歩行に比べ、エネルギー消費が非常に小さい運動であるが、自律神経活動に与える効果を調べた論文がある。結論だけ述べると、4分間の貧乏ゆすりで自律神経活動が活性化することが示唆されたと報告されている。

参考文献
青木孝志氏ら、デスクワーク中に可能な運動として行う微小揺脚運動(貧乏揺すり)、国際生命情報科学会誌25(1)、P.133-139

変形性膝関節症の改善!?

膝の軟骨がすり減ることで変形し、痛みが出たり膝の曲げ伸ばしに制限がでてしまう病気がある。貧乏ゆすりをすることで関節に小刻みな摩擦運動を起し、軟骨がすり減って狭くなった隙間(関節裂隙)を広げ、長期的に変形性関節症の症状を改善させる大きな可能性がある、という論文がある。ただし、即効性がある治療ではなく、進行した症例では改善させることが難しいため、症状がある場合には整形外科を受診し、専門医の判断を仰ぐことが望ましい。



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