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リサイクルされた服の行方とは~!?
皆さん、現在の日本では毎年どれくらいの服が捨てられているかご存じですか?1年間での衣類の国内新規配給量は81.9万tに対し、年間51万tの衣類の廃棄がでているのが現状です。おおよそキリン1匹の体重が1tと言われているので、衣類の廃棄量は1年間でおよそ51万匹のキリンの体重分に匹敵するのです。そして日本で新規配給される衣類のうち、60%以上がリサイクル・リユースされずに廃棄されています。【リサイクルされる衣類量は12.3万トン(約15%)、リユースされる衣類量は15.4万トン(約19%)】
毎年多くの衣類が生産され、使われ、そして捨てられています。最近はファストファッションの影響もあり、安価な服を大量生産されているのも一つの原因だと思います。
①衣類がリサイクルされると何になるのか
②アパレル業界のリサイクルの現状と将来性について
今回はこの2つの観点から環境に優しい未来のために、私たちがどのように衣類を再利用やリサイクルできるかを理解してもらおうと思います!
ここからは主にリサイクル・リユースに対して取り組んでいる3つの企業についてご紹介したいと思います。
1つ目は株式会社アダストリアさんです。
設立は1953年10月22日で、代表取締役社長は木村治さんです。また店舗・拠点数は国内店舗 1,370店舗、海外店舗 122店舗と世界各地に展開している企業です。
アダストリアが行っている取り組みは循環型ビジネスです。
循環型ビジネスとは適時・適価・適量の方針に基づき、仕入れ計画と在庫管理によって需給バランスを向上するものです。サンプル品や規格外商品を含む、ビジネスの過程で発生した衣料品在庫の約8割を当社内で再活用しています。また、店舗販売が難しい商品を「A GARAGE」という、従業員を対象に再販売するプロジェクトをスタートしています。
リサイクル品に関しては、「ドットシー」という、アダストリアスタッフが出品者で、アンドエスティ会員がお気に入りスタッフから愛用品を直接購入できるプラットフォームを展開しています。
2つ目は株式会社ユニクロです。
設立は1974年9月2日で代表者は柳井 正さん、塚越 大介さん。店舗数はなんと2500店舗(国内外含む)です。
ユニクロが行っている取り組みはRE.UNIQLO(リユース・ユニクロ)です。これはユニクロで回収した服を国連難民高等弁務官事務所や世界中のNPO・NGO共に、難民キャンプや被災地に緊急災害支援を行っています。また、ダウンなどの着なくなった服の素材から新しい服を作ったり、服へ活用できないものは断熱材や防音材などの材料として活用しています。全国のUNIQLOやGUのプラステ店舗にRE.UNIQLO回収ボックスが設置されています。GUやUNIQLOで買った服が対象となっていますが、良かったら皆さんも買い物に行くついでに着なくなった服を持っていってみてはいかがでしょうか?
3つ目はJR東日本株式会社です。なんで電車の会社が服のリサイクルを、、?と思いませんか?私も最初はビックリしました。都市に住んでいる人は学校にしろ、会社にしろ通勤手段として電車を使っている人は多いのではないでしょうか。そう、JR東日本さんは駅の利用者が多いことに目をつけたのです!設立は1987年、現在では69区線、1681駅もあります。
JR東日本株式会社が行っている取り組みは、駅で着なくなった服を回収し、クラボウ独自のアップサイクルシステムである「L∞PLUS(ループラス)」 を活用して再繊維化することです。第1弾として去年の7月には、再繊維化したもので手ぬぐいとオリジナルハンカチを商品化したそうです!
このようにリサイクルされた服の行方として、
①新たな素材として活用する
②服としてもう一度生まれ変わる
③中古衣料として流通させる
④海外へ輸出する
ということが挙げられます。ではなぜ、今回挙げた3つのブランドだけでなく他のブランドも各自の取り組みを行っているのにも関わらず、アパレル業界の衣料リサイクルが進まないのでしょうか。
自分なりに4つの観点から考えてみました。
1つ目はブランド毀損のリスクがあることです。自社製品が未承認の市場で再販され、ブランド価値が低下することを懸念するために、廃棄を選択せざるを得ない状況に置かれていると考えました。
2つ目はリサイクルの工程が不透明であることです。リサイクルの工程における透明性の欠如が、信頼性の低下や不安感を生み出す原因になり、消費者にリサイクルに積極的に参加する意欲を減少させると思います。
3つ目は安売や転売の懸念です。転売によって新品衣類の市場価格を下げ、価値の低下をもたらし、転売市場を刺激する可能性があります。
4つめは廃棄より費用がかかることです。適切な設備や技術の導入に多額の費用がかかることで、新たなプロジェクトの立ち上げを妨げる要因になります。
アパレル業界における各ブランドのリサイクルの取り組みや、リサイクル後の服の行方について理解して頂けたでしょうか?まだまだ課題や改善点は沢山あると思います。でもまず、消費者である私達の行動を見直すということもとても大事な行動です。衝動的に服を買わないということが、服を大切にする1歩に繋がります!!
このnoteを見つけ、ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます♡