採血の時に考えていること
患者さんの採血する時の看護師の気持ちと、伝えたいことです。
病院には注射器と針がいろいろな規格で準備されています。
患者さんや採血量に合わせて選択していきます。
実施者は大きな病院では検査技師さんである場合も多いです。
私は現在クリニックの看護師なので
看護師が外来の患者さんを対象に採血を実施しています。
その中で思うこと考えていることぜひ伝えたいことをお話ししていきます。
①まず患者さん状態把握
カルテで情報を得る時に年齢、既往歴など患者さんの全体像をざっと把握します。
私の場合外来のみなので情報量も少なく数秒で終わります。
②採血直前準備
ご挨拶、本人確認をしたら検査です。
まず腕を出してもらい
パッと見て取りやすい血管探し。
第一選択の場所を見る
一番は肘の内側の真ん中あたりの血管
ここが第一選択なのです。
安全で一番痛くない箇所とも言われています。
他に取りやすい血管はないか
弾力
深さ
蛇行がないか
などを実際に触りながらみています。
私の理想とする血管は
すでに若干の隆起があり、程よい弾力もある
となっていると、とても助かるなあと
安心して穿刺できます。
よく患者様から
血管見えないですが大丈夫ですか
と聞かれることがありますが
結論、
見えていない血管でも大丈夫です。
触れて探してみて
太さ、弾力、蛇行がないか、深さ
全て正確に確認できると確実ですが
そうでなくても大概は問題ありません。
取りにくいと思う血管
血管が細すぎる
隆起が強い
血管が固い
どの状態だと、、、
看護師腕の見せ所です。
看護師によっては
細い血管が好き
浅めにはしている血管が好きなど
好みもありあります。
苦手な血管などはそれぞれかなと思います。
③いざ穿刺
刺す時に考えていること
角度はどどのくらいつけよう
深さはこのくらいまで穿刺しよう
動かないでね
神経に当たりませんように
全集中
GO!
大体この様な感じです。
穿刺後
うまく逆血があると、ガッツポーズ
神経に当たっていないか、痺れがないかを確認します。
痺れがあった場合は少し針の向きを変えるか、一度抜きます。
あれ、血液が引けてこない…
滑ったか(針先が血管の側面を滑ってしまい血管内に針が入らない状態)
ちょっと場所がずれたか
もう少し浅めか、深めか
針先あたりに血管は触れないか
一度抜いて、差し直しか
こんなこと考えながら調整。
どうにか、痛みや穿刺の苦痛を最小限に
採血を終わらせたいと、頑張ります。
ほんの少し、角度がずれるだけでも
ほんの少し、少し勢いが足りなくても
微妙な加減でうまく刺さらないことがあるのです。
なので針先の位置をずらしたり
少し角度を変えてみたりと動かすことで
うまく引けてくることがあるのです。
しかしこれが患者様によっては
ぐりぐりされてしまった。皮下で探られた。
などと不快な思いをさせてしまう原因となったりもします。
一度抜いてもう一度刺すより、痛みは少ないと思い
行っていることが多いのですが、
私はできるだけしないように心がけています。
⑤採血終了
5分前後の圧迫止血が必要です。
血液さらさらの薬を飲んでいる方はもう少し長い時間必要だったりもします。
また、
穿刺部位を揉んでしまう、圧迫の時間が足りない
などは出血や内出血の原因となる可能性があります。
アザの様な跡になってしまうこともあるのでご注意ください。
このように、採血一つ実施するのでも
看護師の頭の中は忙しいことになっています。
痛みがない画期的な採血方法が発明されないかな
などと患者さんと話すこともしばしば
スキャンで全身状態が見える
いつかそんな時代が来るといいなんて考えています。
今回も最後まで読んでいただき
ありがとうございました。