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面白かった奴がつまらなくなったと感じる大学生に読ませたいポエム-変わり続ける「面白い」-

面白かった奴がつまらなくなった。あんなに尖っていて、イタイほど穿った視点で斜めに生きていた奴が、真っ直ぐ前を向いて正面から社会に対峙するようになった。面白くない。全然笑えない。俺がおかしい?おかしいことが面白かったじゃんか。俺だけおかしいまま置いていくな。なーんて思って生きてきた。

高校から大学などステージが上がって久しぶりに会う友人に対して「こいつつまらなくなったな」と感じる方が多くいると思う。かくいうは私もその一人で、大学に進学した高校時代の友人に久しぶりに会った際に、話す話題ひとつひとつが一辺倒で面白みのないものであり、失望した経験がある。もっと変で、おかしくて、人と違って、逆に、な会話がしたかった。

私は面白かった奴がつまらなくなったのは趣味趣向が変わったためだと考えていた。大学生にもなったし、恋愛、サークル、タバコ、パチンコ、酒、出会い系、バー、キャバ、ガルバ・・・が好きになったんだと思った。
それは部分的に違っていた。彼の「面白い」が刷新されたことが最も大きい原因だった。「面白い」が変わったことで、「面白い奴」は新しい「面白い」に適合した「面白い奴」になっただけだった。

このことに気がついたのは大学3年生春。
きっかけとしては、私自身があるコミュニティに参加したことが大きかった。コミュニティに参加したのは2年からで、所属当初は組織に明らかに馴染めず、孤立した。好きなものが全く違う、会話もノリもネタも生き方も見方も何もかも違っていた。
馴染めないと組織内での立場がなく、結果活躍もできない、そう感じた。

だから、馴染もうと思った。

まず、会話や興味の最大公約数が必要であるように感じた。それを手にするために流行りのドラマやアニメ作品、映画、商品を見る・買うようになった。その結果私自身もそういった大衆的なものを求める人間になった。そして、そういった娯楽に触れている会話が弾み、プライベートで遊びに誘われるようになった。
そうしているうちに、考え方やノリも組織に馴染んでいった。こういう時はこういうリアクションをするのが良くて、こういうことは言ってはいけないといったコミュニケーションマニュアルが作られた。
結果、ある視点からは「つまらない奴」にはなったかもしれないが、その組織には馴染み「面白い奴」になれたと思う。

この私の経験から見て取れるように人は組織に受け入れられるようになるためには、「面白い」をその組織に合わせて調整する必要があるのではないかと思う。そして、その過程である視点から面白かった奴はつまらなくなるのだ。だから、面白かった奴がつまらなくなったのを見た際には、軽蔑するのではなく、新たなステージに適合したことを理解してあげてほしい。

そんな私も大学4年生、22歳になり、当時の私から見てほとほと「つまらなくなった」。ただ、それでいいんだと思う。当時の私の「面白い奴」でいることで得られるものと今の私の「面白い奴」で得られるものとを天秤にかけた時、いうまでもなく後者の方が重たいからだ。

人は変わり続ける。
変わることを受け入れて、変わろう。
人と合わせろと言っているわけじゃない。
ただ、意地を張るな。カッコつけるなってことだけ忘れないで。

以上、yamamotoでした。


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