「Autonomy」と「Agile」とSnowman
早速ですが、みなさんこの2つの英単語をご存じですか?
どちらも、外資系企業において行動理念としてよく出てくるキーワードですが、どんぴしゃの日本語がありません。
おそらく日本人のマインドに、そもそもこの概念があまりないのではないでしょうか。
実際、40 年の会社人生の多くを外資系企業で過ごしてきた経験をふまえても、外国人に比べて日本人はこの2つ、あまり得意じゃないような気がしています。
Autonomyは、直訳としては「自立」「独立」です。
が、組織の行動理念として使うときには、意味するところがもう少し広くて、
「周りに依存せず、自分の頭で考え、自らの責任で独立して行動する」
「指示待ちでなく、自らを律しつつ自立して行動する」
みたいな意味合いで使われることが多いです。
Agileは「迅速(に動く)」が直訳です。
プロジェクト遂行などの場面において、小さく始めて細かくPDCAサイクルを回すときなどによく使われますが、こちらも行動だけではなくて、それを可能にするマインドセットまでを意味として含めることが多いです。
「(迅速に行動するために)ひとつの失敗にくよくよせずに、先を見る」
「なぜ失敗したかを掘り下げるよりも、次どうするかにフォーカスする」
みたいな感じですね。
私は2つとも好きな概念なので、組織のリーダーとして行動するときに、毎回メンバーへの伝授を試みるのですが、そのたびに痛感するのが、「これって、なかなか教えようと思って教えられるものでもないし、教わって身につくものでもないなあ」ということです。つまり伝授することがとても難しい。
(えらそうに言ってますが、そもそも自分自身ができているのか、という点においても、多々反省点があります)
まず、根っことして、日本人の「単一民族で控えめな国民性」というのが、間違いなくあると思っています。
みんな同じだから、
あえて「自立」とか「自律」を、声高に主張する必要がない。
あえて口に出して言わなくても・行動しなくても、お互いに「察する」ことができる。
しゃしゃり出(て時に失敗す)るよりも、言われたことをきちんと遂行して、失敗しないことに重きをおく。
さらに、日本の(少なくとも昭和平成の)学校教育が、「よく考えてから発言する」「先生に指されてから発言する」だったこともあって、日本人は、「自らすばやく発言行動する=考えるより動く」のが、他国に比べて、あまり得意ではないような気もしています。
では、Snowmanはどうでしょうか。
Autonomyについていえば、言わずもがな、
「個々の活動をしっかりやって、それをグループに還元する」という姿勢が、全員にしっかり浸透していますよね。
メンバー各自が、そういう発言をしていますし、誰一人としてグループに依存=寄っかかっていない。
お互いの距離のとりかた=「自立・自律」も絶妙です。
メンバー全員の仲がいいので、お互いの物理的&心理的な距離感はかなり近めではありますが、一方で、これ以上のところは踏み込まない、という節度も保っていることが、彼らの日々の言動や行動から、感じ取ることができます。
これって、お互いの性格や考え方を全員が熟知している上に、全員がAutomonyの概念をもっているからこそできる距離感だよなあ、と感心しながらいつも見ています。
Agileについては、彼らが声をかけあっているときにわかります。
ゲームなどで誰かが失敗したときに「オッケーオッケー」「大丈夫だよ気にしない」「次いこう」などと、その場ですぐ、みんながお互いに、声をかけあっている。
特に、このグループの場合は、声だしする人がひとりに特定されていなくて、TPOに応じて、みんながお互いに、というとこがポイントです。
ということで、組織成長のキーワードを自ら体現しているSnowman、やはりさすがです。
そして彼らを見ていて、ひとつ気づいたことがあります。
それは、Snowmanというグループは、メンバー全員の言語化能力が抜群に高い、ということです。
発言の多さに個人差こそあれ、彼らは、メンバー同士でも、ファンに対しても、仕事で関わる周囲の人に対しても、場面場面に応じて適切な言葉を選び、オープンでこまめなコミュニケーション、感謝の表現を、言葉や文字で、常におもてにあらわしている。
前にも書きましたが、これってなかなかできることではありません。特に言わずとも察してよ、のあいまいカルチャーの日本人は。
さらにこれに加えて
もともと彼らがもっている、真摯な姿勢とか・根性とか・礼儀正しさなどが加味されて、
結果、彼らは、いろいろな年代の、いろいろな立場のひとたち(芸人さんだとかドラマのプロデューサーだとか演出家だとか)から可愛がられるし、愛されるのではないか。
というのが、「還暦おばさんスコープ」で彼らを見たときの、私の見立てです。
それにしても、彼らはどうやってAgileとAutomonyスキルを身につけたんだろう?
知りたいなあ。
9人全員にひとりずつヒアリングして、組織マネジメントにおいてHOWとして伝授することが非常に難しいこの2つの概念を浸透させるヒントを、ぜひご教示願いたいものです。
ま、それはおいといて。
彼らをみていると、
「Autonomy」「Agile」という概念が日本人に浸透していく日もそんなに遠くはないんじゃないかしら。
と、明るい未来に少し希望を持っている、最近の私です。