上に立ったときにふつうでありつづけることの難しさ+Snowman

私がSnowmanのファンになったのが7月初旬。
この2か月ちょいの間、各メンバーは、TVや映画で主演したり新曲出したりバラエティ番組に出まくったりと、そりゃもう大変な活躍ぶりでした。

さらに8月下旬に、Allバルセロナロケのど派手MVを発表し、しかもタイトルが「Empire」と来た日にゃあ、にわかファンの私ですら、「こりゃ本気でもっと上を狙ってきてるな」と思わざるをえない今日この頃です。

というタイミングなので、今回は「上に立ったときにふつうでありつづけることの難しさ」について、ちょっと考えてみようと思います。

約40年の会社生活を通じて、会社においては社長、事業部においては事業部長といった、いわゆる「上=トップ」の役職についている人たちと、長らく一緒にお仕事をしてきましたが、彼らが共通して「私はここに気をつけている」と言っている、ちょっと意外なことがあります。

それは、

「自分にとって耳が痛いけれど、本当のことを言ってくれる人の話を聞く」です。

上に立つと、往々にして、本当のことが見えなくなりがちです。
なぜならば、下はうまくいっていないことは上にあげないから。
さらに当然ながら、ごますり・おせじ、のたぐいも増えます。

ここで「自分がえらい」と思ってしまう人はダメパターン。
あくまでも自分は、社長とか事業部長という職責を担う「役割り」を付与されただけ、という意識をもち続けることが大切です。

そして、このような正しい意識をもって上に立っている人たちが、共通してとっている行動が3つあると思っています。

①本当のことを言ってくれる人を、注意深く選ぶ。
②自分にとって耳の痛い話を、謙虚に聞く。
③自らが変わる勇気をもって、リスクをとって変革を決断する。

(書いていて思いましたが、①の手前にゼロフェーズとして「周りの声に広く耳を傾ける」があるかもです。このステップをふまないと、本当のことを言ってくれる人を選べないはずなので)

この3つの中で、③はトップがやることとして一般的に知られていますが、実際に横で見ていると、その手前の、「耳が痛いけど本当のことを言ってくれる人を見つけられるか」がかなりキモなんじゃないかしら、というのが、私の見立てです。

さて、そこでSnowmanです。

今のSnowmanは最高のイケイケ状態なので、一般的にいえば、「ほめたり持ち上げてくれるひとしか周りにいなくて、自分たち万能と勘違いしやすいリスク」を抱えている状況かもしれません。

でも彼ら、びっくりするくらいふつうですよね?
ファン歴2か月ちょいの私が言うのもなんですが、おそらくそれほど昔と変わっていないのではないでしょうか?

アイドルにおいて、「こいつ調子にのってきてるな」という雰囲気って、当の本人よりも周り=ファンの方たちが敏感にとらえたりするんじゃないかしら、と私は常々思っていますが、SnowmanファンのみなさんのSNSなどを拝見する限りでは、そのにおいも今のところ皆無といってよさそうです。

それってなぜなんでしょうね?

ひとつには、勝手な想像ですが、彼らは「耳が痛いけど本当のことを言ってくれる人の話を聞く」を、グループ内でやっているんじゃないか、と思っています。

まず全員が、自分を客観視できる地頭の良さとバランス感覚を持っていること(さらっと書きましたけど、実はこれもなかなかすごいこと)。

さらに9人の年齢や性格や視点が異なるために、おのずから組織としての多様性があり、かつグループ内の心理的安全性が担保されているので、メンバー同士がお互いにオープンに指摘しあったり修正したりできる環境にあること。

つまり、

「自分を俯瞰で見る能力」
「リスクを回避する能力」
「自己修復力」

この3つが、Snowmanというグループ内に備わっているのではないかしら、と。

もしこの先、誰かが勘違いしかける瞬間があったとしたら、他のメンバーがその言動なり行動を、そっこージョークとしてつっこむ。
つっこまれた方は、「ジョークつっこみ」の真意をくみとって、自分で修正する。

そんな絵が、勝手に私の脳内イメージとして浮かびます。
すばらしいなあ(勝手にイメージして勝手に感動している)


なのでそれをふまえつつ、勝手ついでにさらに勝手ながら、私が彼らにお願いしたいことがあります。

それは、

できればグループ外にも、耳が痛いけど本当のことを言ってくれる人を見つけて、その人の話を聞き続けてほしい ということです。

さまざまなトップを見ていると、ここが最も難しく(なぜならみつけかたのHowToがないから)、かつ、キモのような気がしています。

いくら耳が痛いことを正直に言ってくれる人がいたとしても、それが社内だけの範囲となると、やはりどうしても視野が限定されてしまうのですよね。

実際、私が今まで見てきた、尊敬できる企業のトップのひとたちは、社内と社外の両方に、そういう人を確保していることが多いです。

だからこそ、

家族でも友人でも、あるいは異なる業界の仕事仲間でもいいです。
9人それぞれが、グループ外で、「自分にとって耳が痛いけれど、本当のことを言ってくれる人」を見つけてほしい。

もしすでにそういう人がいるとしたら、その人を末永く大切にして、耳が痛いことをずーっと謙虚に聞きつづけてほしい。
そしてその話をばねに、自らが変わる勇気をもって、さらなる挑戦へのエンジンとして、さらにやりたいことを実現していっていただきたい!

というのが、目下の私の切なる+勝手な願いです。

最後はなんだか、卒業式の校長先生の訓示みたいになってしまいました。
校長先生も、本当に生徒たちの未来のことを考えて、ああいうスピーチをしてくれていたんだな。
50年近く経って気づく、これもまた人生。








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