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debupinoko
手持ち花火をした日
記憶に強く残っている景色がある。何か大した事があった訳ではない。
母方の祖父祖母の家に来ていた。
そして祖母、叔父、母、父、私のメンバーで手持ち花火をしたのだ。それだけの記憶。
とても楽しかったのを覚えている。
私ははしゃいでいた。
花火に夢中になって些細な事に声を上げて楽しんでいた。
きっと特別な楽しさだったのだろう。そうでなくては記憶に残らない。
夜に火という不思議な魅力がある状況に親しい人が集まり楽しんでいる。大した会話もしなかった。それはきっと花火に意識を集中させる力があったのだろう。だからこそその瞬間は特別になった。
まるで楽しさに溶けているような、そんな気分だった気がする。
花火の中でも、手持ちではなく置いて楽しむタイプの花火が特に面白かった。
私はそういう花火に馴染みがなくて、それは新しいものだったからだ。
こんな瞬間がもっとたくさんあればいいなと思うし、たまにある、くらいの頻度であってほしいとも思う。もう感じられないのは嫌だ。
しかし、条件を揃える程の熱量もないのでいつかを待つ事にする。
読んでいただきありがとうございました。