ステラおばさんじゃねーよっ‼️ ぷろろ〜ぐ
🍪 超・救急車
春のウララに浮き足立ち、朝勃ち…。
初出社の朝は、眠い。
全く開かない目をゴシゴシとこすりながら、ベッドから渋々這い出る。
作業机に無造作に置かれたノートパソコンの電源を入れると、今にもコーヒーの香りが漂ってきそうなCMが画面いっぱいに映し出される。
胸元がクッキリと強調された衣装を着た若手女優の顔のドアップが、コーヒーカップを片手に、
【おはよ♡】
って、僕にささやきかけてきた。
「おはよ」
って、ひとりごとを液晶パネルに呟いてみたが、その言葉は空に舞い、小さな呼気の粒子となり、跡形もなく消えていった。
ウカウカしていられない、初出社の朝だ。
電車の時間や下車駅からの景色、そして道のりはおおむね頭に入っている。
ネクタイをしめて、新調したピカピカの靴を履き、そろそろ家を出る時間だ。
最寄駅まではいくつかの児童公園を横目に過ぎるけれど、こんな早朝の時間には人影すら無い。
横目に映るのは、蕾をつけはじめた満開を待つ桜の大樹。
あと数日で開花しそうだな。
そしたらここで花見しながら、あのコと美味しい酒を酌み交わし、それから…。
桜の横でスケベな想像をしながら、通り過ぎた。
新しい職場は、どんな所なのだろう。
妄想先行型の僕は、真っ先に思い浮かべる。
僕好みのコは、その職場に居るのだろうか。
速る鼓動がトクトクと音を立て、身体を前へ前へと突き動かす。
さあ、新しい朝だ。
新しい僕の、始まりだ!
春風は優しく僕をつつんだまま、身体をフワリと、浮かせてくれた。