ステラおばさんじゃねーよっ‼️55.見知らぬアカウント〜俺の人生?
👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️54.警告夢〜暗示 は、こちら。
🍪 超・救急車
その年の大晦日になった。
カイワレは秋頃から怒涛の日々に呑まれ、環境が一変していた。
【夢の買い取り】に興味を持ったのがきっかけとなり、小鳥遊母娘(おやこ)と出逢った。
ポーちゃんにフィアンセだと紹介されたばかりの神林さんには、【母さがし】では多大な協力をしてもらった。
それから間もなく聖先生が癌で急逝し、実は伯母であった事が判明。
そして聖先生の妹が小鳥遊さんで、それは俺の実母で、実父はすでに亡くなっていて、小鳥遊さんの娘の歩ちゃんは父違いの妹だと知った。
仕事面では、《夢占い》企画記事の反響が大きく、初めて連載を任せてもらえるようだ。
これ、俺の人生で間違いない?
カイワレは、自分でも誰の人生をなぞっているのかピンと来ず、夢の中のようだった。
さらに、正月明けから連載の打合せが入っていたり、聖のお墓の建立もあって、カイワレの来年のスケジュールはどんどん埋まっていった。
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そんな年の瀬の午後、カイワレは正月の買出しをするため下町の繁華街の沿道を歩いていた。
ポーちゃんとひかりと一緒に。
亡くなった聖が伯母としり、本来は喪に服すべきかとも考えた。
しかし新しい年を、新しい気持で迎えるには、元旦をしっかり祝い、来年も生き抜こう!と考え直した。
そんなカイワレの強い気持から、ふたりを買出しへ誘った。
魚屋、八百屋、乾物屋等が立ち居並ぶ庶民的な商店街を散策しながら、正月料理の材料を物色した。
「カンちゃんちのシェフのおせち、楽しみだな!僕はお雑煮作ろっかな」
「ではわたしは、母の得意料理だったローストビーフを作りますね」
「たいちゃんは?」
ポーちゃんが正月料理の役割分担を振ってきたちょうどその時、スマホが震えた。
「あ、ちょっと待って」
カイワレは、スマホの画面に表示された通知を見た。
【ayumu(╹◡╹)さんより 友達申請がありました】
それは見知らぬアカウントで、カイワレは首をひねりつつ、チャットルームを開いた。