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サイエンスドームを使って ~体育の表現運動~

 別記事の「星の授業を手作りプラネタリウムで」で紹介したサイエンスドーム。写真を見ていただければ,本当にビニールで貼り合わせた安っぽいドームだということがわかると思います(実際材料費はビニールとセロテープだけなので安いんですが)。
 でも,遮光カーテンで暗くした中では,この安っぽいドームがとても魅力的に感じられます。ドームの大きさは,直径5m超,高さ約3m(ドームの最も高いところでの高さ)ほどあるので,ドームの中に入れば,臨場感あふれる曲面の大型スクリーンが目の前に広がり,「星の授業を手作りプラネタリウムで」の写真のような状況になります。
 ただ,この写真は透明部分から撮影しているので,スクリーンになる白いビニール部分は向こう側になります。この透明部分は,このドームを使っての研究授業を見てもらうのに,外からでも見ることができるようにと,あえて作成した部分です。でも,実際に白いビニールと透明ビニールで作って中に入ってみると,透明部分があるおかげで圧迫感がなくなり,閉所が苦手な子どもたちにとっても,よかったように感じました。
 さて,プラネタリウムドームとせず,なぜサイエンスドームとしたのかについて。実は,知り合いの先生が「星の授業だけやっているのではないので,サイエンスドームの方がいい」と名付けてくれたのです。
 実際,このドームを使って最初にした授業は,体育の表現運動でした。
 表現運動では,ポップコーンを作るときにコーンがポンポンとはじける様子を身体を使って表現させることがあります。その表現運動をドームを使ってやってみようと,ポップコーンがはじける様子を動画に撮り(透明な容器でポップコーンを作ると,はじける様子を見ることができます),このドームに投影しました。子どもたちは,ドームの中に入り,その動画を見ながら,自分がポップコーンになったつもりで,自然と表現が始まります。
 動画の最初,ポップコーンは熱を加えられても焦げないように,ころころと転がっています。子どもたちもドームの中でころころ,ころころ…。そのうち突然ポンッと1粒がはじけます。すると,不思議なことに,示し合わせたように,子どもたちの中で1人が跳び上がります。さらに動画が進むと,2つ,3つと次第にはじけるポップコーンが増えていきます。それに合わせ,子どもたちも2人,3人と跳び上がり,動画の中のポップコーンがポンポンと連続してはじけ出すと,子どもたちみんなが跳び上がるのです。普段おとなしい子どももとても楽しそうにポップコーンになって飛び上がっていました。その様子をドームの外から見た方からは「ドームの中なので,ほんとにポップコーンのようだった」と言われました。
 きっと,通常のスクリーンで動画を見ても,子どもたちはポップコーンの表現をするでしょう。でも,このドームの中で,より臨場感あふれる動画を見ながら表現することで,普段以上に大きな動きになったと思うのです。
 ちなみに,ドームの中で酸欠になるのではと心配をされることもありますが,「星の授業を手作りプラネタリウムで」で紹介したように,ドームの形状を保つために常に空気が送られているので,ドーム内部でそれだけの運動をしても酸欠にはなりません。
 こんな体育の実践も,楽しいのでは?

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