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保険も断捨離の対象!入りすぎ保険をやめよう


30代以降になると日本人の9割近くが加入する民間保険。月々の保険料は3万近くにもなるそうです。

ですが、そんな民間保険に入りすぎている可能性があることをご存じでしょうか?

そもそも保険加入は必須ではなく、加入しなくても大丈夫なんです!

この記事では、民間保険が不要な理由と、加入が必要なのはどういったケースなのか詳しく解説します。ぜひ、参考にしてくださいね。


保険会社の売り文句に隠された真実


多くの人が民間保険に加入するのは、「保険が必要だ」と思わされているから。

ですが、保険会社のセールストーク、100%事実とは限りません。ここでは、その裏側にある真実ついてお伝えします。

『日本人の2人に1人はガンになる』

国立がん研究センターが公表した2022年のデータによると、
日本人が、がんと診断される確率は次の通り。

男性65.5%(2人に1人)
女性51.2%(2人に1人)


2人に1人はがんになると言うのは、事実のようです。

ところがこの『2人に1人はがんになる』と言う言葉、大事なことがきちんと説明されていません。

まずこの数値はあくまで一生のうちにがんになる確率であること。厚生労働省が公表しているがんに関する統計3−1(2000年)によれば、60歳をすぎたあたりからようやく人口の1割くらいが、がんに罹患していることがわかります。

グラフからもわかるように、基本的に年齢を重ねてからかかる病気であって、「2人に1人はかかる=常に備えるべき」というのは誤った解釈だということです。

若いうちにがんにはならない、とは言い切れませんが、がんは60歳をすぎてようやく1割が罹患する病気です。かなり確率が低いことは理解しておきましょう。

『がんになる人が増えている』

「がんになる人の数は年々増えている。」
「がんで亡くなる人の数は増えている。」
こんな言葉聞いたことはありませんか?

確かに、この言葉通り、国立がん研究センターが公表しているがんの罹患数および死亡数の統計を見ると、どちらも年々増加していることがわかります。

続いては、がんによって亡くなられた方の推移。

1980年代を基準として見ると、罹患数は4倍〜5倍、死亡数は2倍〜3倍近く増えていることがわかりますね。

こんな数値を見てしまっては、がんになる確率や死亡数が年々増えていると思うのも無理ないでしょう。

ですが、ご安心ください。『がんになる人が増えている。』という保険会社の売り文句は、『日本人の2人に1人はがんになる。』と全く同じカラクリなのです。

がんになる人、がんによって死亡する人が増加している原因は高齢化が進んでいるから。

つまり、がんにかかるような年齢まで長生きしている人が増えていると言うことです。実際、国立がん研究センターも『がんの罹患数と死亡数は、人口の高齢化を主な要因として、ともに増加し続けている。』と明言しています。

がんになる人が増えている=がんになる確率が上がっている
と誤解しないようにしましょう。

『先進医療特約をつけておいた方が安心』

先進医療とは、厚生労働省が認めた「高度な医療技術」のこと。通常の医療と重なる部分(診察や検査・投薬・入院料等)は保険適用となりますが、その他の技術料などは全額自己負担になることが特徴です。

生命保険文化センターが公表している先進医療の実績は下記のとおり。

陽子線治療は265万、重粒子線治療は313万と、自己負担としてはかなり高額な治療であることがよくわかります。

先進医療特約は100円程度でつけることができ、1000万もの補償額がついていたりするので、加入してもいいかなと思う気持ちもわかるのですが…はっきり言って不要です。

なぜなら、先進医療を受ける確率はとっっっても低いから。

そもそも保険料100円って安すぎると思いませんか?そんな低い金額で元が取れるくらい誰も使わない保険ってことなんです。

具体的な数値でも説明しましょう。厚生労働省が発表した『令和4年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について』によると、先進医療の全患者数は26,556人。令和4年時点での総人口1億2494万7千人で割ると、その確率はわずか0.02%

いかに確率が低いかがわかりますよね。

また、そもそも先進医療は医師が必要性と合理性を認める必要があり、受けられる施設も限られています。

「先進医療をうけたいです。」と言って受けられるものではないということ。ましてや先進医療設備がある施設が遠いと…

そういった面でも先進医療を受けるには、かなりのハードルがあると言えるでしょう。

例え月100円の保険料でも、確率があまりにも低いですし、治療費も1000万〜2000万など高額になるケースはかなりレア。貯金で供える方が無難だと私は考えています。

「〇〇生命の▲▲保険のおかげで、今幸せに過ごせている」

「あの時保険がおりていなかったら私はどうなっていたか…」
「こうして家族と幸せでいられるのも、▲▲保険のおかげです。」

生命保険のCMでよく耳にするようなフレーズですよね。でも、私にはなんだか違和感のあるフレーズに聞こえます。

まず、
「毎月支払った高い保険料が返ってきただけなんじゃない?」ということ。

仮に月1万保険料を支払っていたとします。保険料の払込総額は年間12万。10年加入すれば120万、20年加入すれば240万にもなります。

加入して間もないうちに病気になった場合や、先進医療特約のように、滅多に起こらない高額の保険料支給に該当した場合は、「保険に入っていて良かった!」となるかもしれません。ですが、そんなケースは稀です。

実際は得なんかしてなくて、支払い続けた保険料の一部が返ってきただけなのです。(だから保険会社は儲かるんです。笑)

先進医療の件でもお伝えしましたが、保険適用外の高額な治療になるケースは全体のわずか0.02%。仮に先進医療を受けたとしても代表的な治療が260万〜300万の負担であることを加味すると、貯金で供えたほうが無難だと考えられます。

次に、
「保険がおりたから助かったわけではないでしょう?」ということ。

治療して助かるかどうかは、また別の話です。保険がおりようがおりまいが、病気やケガをすれば病院へ行って治そうとするのが当たり前。元気になれたとしたら、それはお医者様のおかげです。保険金のおかげではありません。

お金(保険金)があったから治ったという主張をするには、その治療が、既に支払った保険料総額よりも高額で、貯金でも賄えない金額で、なおかつその治療を受けるかどうかで生死が決まるケースの場合のみ。

結構レアなケースだと思いませんか。笑

保険市場が公表しているがん治療の自己負担割合を見てみると、入院件数の多い大腸がんでも医療費は約19万、肺がんも同じく約19万で、胃がんは約18万だそうです。

まとまった出費には違いありませんが、月1万5千円程度貯金していれば、1年で貯金できる金額なのです。

保険がおりた瞬間は、「入っていて良かった」と思うかもしれませんが、既に支払った保険料の総額が大きいことを忘れてはいけません。そもそも万が一の病気・怪我であっても、貯金で賄える金額になる可能性が高いのです。

「あの時貯金がなかったら私はどうなっていたか…」
「こうして家族と幸せでいられるのも、貯金のおかげです。」

こんなCMを流してほしいものです。笑

保険が不要だと言える根拠


いくら万が一のことが起こる確率が低かったとしても、やっぱり何か起きた時の備えがないと心配ですよね。

ここでは、どうして私がはっきりと保険が不要だと言えるのか、その根拠について解説します。

①すでに国の保険に加入しているから

会社員の方であれば『健康保険』、自営業やフリーランスの方であれば、『国民健康保険』に加入していますよね。

当たり前のようで見落としがちなのですが、すでにあなたは医療保険に加入済みです。

医療費は基本的に3割負担になるので、とてもありがたい制度です。ちなみに70歳以上になると2割負担、75歳以上になると1割負担(※)と、老後の医療負担をさらに支えてくれる非常に心強い制度です。(※所得条件あり)

「もういい歳だから保険に加入しておかないと。」
「家庭もできたことだし、保険に加入しよう。」
という方は、ご安心ください。もう保険に加入済みです。そもそもご自身が国の保険制度に加入していることを念頭に入れた上で、民間保険を検討しましょう。

②医療費が高額になっても、お金が返ってくるから

国の保険制度の中に、『高額療養費制度』という制度があります。『高額療養費制度』とは、医療機関や薬局等で支払った金額が上限を超えた際に、上限を超えた分が返金される制度のことです。

計算式は下記の通り。

例えば、年収約370万〜約770万の方が、1ヶ月の間に医療費総額100万(自己負担30万)かかったとします。その場合、

80,100円+(100万ー267,000円)×1%=87,430円
となりますので、87,430円が上限支払額となります。

つまり、医療費を窓口で30万支払っても、後日212,570円は返ってくるよ、ということです。

少し計算式がややこしく感じるかもしれませんが、一般的な年収の方であれば、1ヶ月当たりの医療費支払いは約80,000程度で済むということです。

この制度を活用すれば、医療費が高額になっても後から返ってくるので、「病気やケガで医療費が高額になったらどうしよう」と怯える必要はありません。

民間の保険に入らなくても、少しまとまった預金があれば、十分賄える可能性が高いのです。


③治療が長引いた場合、手当金が出るから

こちらは健康保険(会社員や公務員)に加入されている方が対象ではありますが、万が一病気や怪我で長期間働けなくなった場合には、『傷病手当金』が支給されます。

『傷病手当金』とは、病気やケガのために働けずに会社を連続して3日以上休んだ場合、4日目から給与の約3分の2に相当する手当金が支給される制度のこと。

支給額は直近の給与を1日当たりの給与に換算して計算しますので、例えば直近12ヶ月の標準報酬月額が26万円だった場合、26万円÷30×3分の2=5,780円/日の支給額になります。

治療が長引いた場合は、通算して1年6ヶ月まで手当金を受け取れますから、万が一の場合に働けない期間があっても、一定の収入を確保できるということです。かなりありがたいですよね。

企業勤めや公務員の方は、この制度をぜひ頭に入れておいてください。

④遺族年金が家族に支払われるから

遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者であった方が、亡くなった際に、その方によって生計を維持されていた遺族が、年金を受け取る制度のことです。

老後の年金制度と同様に、国民年金から支払われる遺族基礎年金と、厚生年金保険から支払われる遺族厚生年金の2階立て構造になっています。

例えば子供が1人いる配偶者に対しては、遺族基礎年金から
816,000円+234,800円(子の加算額)=1,050,800円が支給されます。(※2024年4月時点)

遺族厚生年金については、収入次第ですが、月25万の標準報酬月額だったと仮定すると、支給金額は406,139円。

遺族基礎年金と遺族厚生年金の支給金額を合算すると、
年間1,456,939円(約12万/月)が支給されることになります。

「万が一の時に、残された家族にお金を残したい…」と考える方は多いかと思いますが、民間保険に入っていなくても、国の保険制度の中に、残された遺族を守る制度がきちんとあるのです。

ただし、遺族年金の支給の有無や支給金額は、性別や年齢・家族構成によって異なります。詳細を確認されたい方は、日本年金機構などのHPで詳細を確認されることをオススメします。

正しい民間保険の入り方

保険は基本的に不要、とお伝えしましたが、もちろん必要なケースもあります。

どのようにして民間保険の加入を検討すればいいか。ここでは正しい手順について解説します。

何に備えたいのか具体的にする

「万が一のことがあったら」と言いますが、具体的にどのような状況に備えたいですか?

・怪我や病気をした時の医療費に備えたい
・怪我や病気でしばらく働けなくなった時の収入を補いたい
・自分が亡くなった時の残された家族の生活費を残したい

上記のように、備えたいシチュエーションをまずは具体的にしましょう。ここが曖昧になってしまうと、なんとなくで不要な保障をたくさんつけてしまうなど、保険料が高額になる可能性が高くなります。

いくらあれば十分なのか考える

備えたいシチュエーション(事故や病気・失業・死亡)が明確になったら、必要金額を明確にしましょう。

死亡保障について考えるならば、残された家族の生活費や養育費がいくらかかるのか、具体的に算出することが大事です。

お子様がいるならば、社会人になってからは自立できると想定されるので、何歳で就職するのかも加味して、生活費の計算をしましょう。

例えば、
毎月の生活費が15万円で、年間にすると180万。

子供が独立するまであと15年なので、240万×15年=2700万

といった具合です。上記に想定される学費も合わせれば金額の算出が完了です。

預金や将来の収入、社会保障を加味して不足金額を算出する

続いて忘れてはいけないのが、手元にあるお金と、入ってくるお金の存在。

例えば、今後2000万必要なケース。

貯金が200万あって、手当や遺族年金から1000万入るのであれば、保険金は800万おりれば十分ですよね。

特に今の時代、共働きの世帯も多いでしょうから、残された配偶者の収入や預金で十分に賄えるケースもあります。安易に「保障金額は多いに越したことがない」と言って高めに設定するのはやめましょう。

入りっぱなしではなく、定期的に見直しを

保険に加入したまま、そのままになっていませんか?ライフステージが変われば、必要な保障金額は変わるので、定期的な見直しが必須です。

わかりやすい例で言うと、お子様が成長された場合です。0歳から育てる場合に必要な養育費と、16歳から育てるのに必要な養育費は違いますよね?

いつまでも高い保障のままでいると、保険料も高いままです。ライフステージの変化に合わせて、不要な保障は外していきましょう。

民間保険に入った方が良い人は?

まず、自営業やフリーランスの方。

傷病手当金制度がなかったり、遺族年金も基礎年金のみで遺族厚生年金はもらえないなど、国からの保証が少ない傾向にあります。

もちろん、預金やご家族の収入なども加味した上での判断にはなりますが、会社員や公務員の方に比べて、備える金額が大きいことは理解しておいた方がいいでしょう。

次に、お子様がいらっしゃる方。

万が一のことがあった際に、生活費や教育費などを残された家族で養うのは大きな負担になります。

公的保障もありますが、学費が想像以上にかかることもあるので、子なしの家庭に比べると備えが必要になる可能性はあがります。

ただし、保険料で家計が圧迫されて生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。

まずは家計の見直しをして節約をするなど、保険以外の手段でできることがないかも確認しましょう。

まとめ 私が民間保険を不要だと考える理由

いかがでしたか?私が民間の保険に加入する必要がない、と考える理由についてお伝えしました。

<民間保険が不要だといえる理由>

  • 既に国の保険に加入しているから

  • 医療費が高額になっても返ってくるから

  • 治療が長引いた場合、手当金が出るから

  • 万が一のことがあっても、遺族年金が家族に支払われるから

すでに日本には素晴らしい保険制度がありますので、まずは社会保障制度を理解・活用し、それでも不足するのであれば加入するようにしましょう。

うまく活用できれば、民間保険は素晴らしい商品です。必要だと判断されたのであれば、ぜひ有効活用してくださいね。

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