通り雨
線路の上に落ちた奥歯
私のものだったのでしょうか
雨足は強くなっても
小さな靴跡は引きませぬ
もっと素直になれたらな
もっと真面目になれたらな
たらたら未練がましいこの鎖
錆びたハサミと共にある。
叶えられないよ
所詮は雲の鬱らごと
でもね忘れられないことばかり
傘なんていらないよ
そのまま水に変えるから
そのまま家に帰るから
私に対してぶつけた言の葉
今のためのものだったのでしょうか
水たまりは黒く増して
雨傘の道しるべはここにあり
きっと幸せだったんだろうな
きっと明白だったんだろうな
スラスラノートの上は楽園(ユートピア)
腐ったペンで今も描く。
聞いてられないよ
所詮は故人の独り言
だけど希望を持ってしまうのさ
予報なんて当たらない
このまま水で消えてくれ
このまま雨で溶けてくれ
気づいたら「ここ」は昔だ
時間は過去を殺していく
そいつはあまりに無情で
当たり前のことなんでしょう
でも未練は残っているのは
きっと何かを正したいからだ
そうに違いないさ
「あ、雨が上がった。」
叶えられないよ
所詮は虫の戯言さ
だからここでしまっておきましょう
タオルなんていらないよ
そのまま水に流すから
そのまま涙流すから
通り雨
作詞:メリ ヒロ