感度をあげる
サルバドールから戻ってから、すっかり緩んでいた。帰ったとき、バスターミナルで彼が待っていて心底嬉しくなった。チョコレートのプレセントをくれた。Sweet。仲良く手をつないで帰った。
翌朝、洗濯機をまわし、荷ほどきをする。荷物が少ないのですぐに終わり、今度は帰国に向けた荷物の選別にかかる。とりあえず、明らかに持って帰れない、もう着古した下着類や服、いらない書類の類を捨てる。少し送料が減ったところで、次は迷うものたちを持って帰るものと誰かにあげるもの、捨てる者に分ける。たまたま昨日、こんまりのお片付け術の記事を読んだので、捨てるのに心が痛むものにはぎゅっとして感謝の意を表しつつお片付けをした。例えばくたくたのパジャマやTシャツなど。
最近ひしひしと感じるのだが、世の中の傾向としてこのごろは「派手さよりも、生活を耕す」方向になってきていると思う。例えば私の好きなアーティストの坂口恭平さんもそうだし、色々のパワーブロガーさんたちも最近は生活を豊かにするタイプの投稿が多い。FBでの知り合いたちもそうだ。そしてこれは日本だけでなく、世界的な動きで、アメリカのネットフリックスでのこんまりの本当にものすごいヒット具合をみていればそれがわかる。ブラジルの小さな書店にすら平積みされているんだから。
おそらくこれは、感度を上げれば、刺激が強くなくても楽しさは溢れている、ということにみんなが気付き始めたんだろうと思う。そして、ハレとケの、ケの重要さが再認識され始めた。ああ世界がおもしろくなってきているなと感じる。
昨日は夕方まで片付けで終わり、ひとまず1つ、スーツケースのパッキングが終わった。もう一つの小さめのスーツケースは、出発間際まで使う日常のものとおみやげをいれる。
ふと、どきどきしたくなり、映画「Don't Breath」をみる。盲目の退役軍人の家に強盗に入った若者が、反撃にあうやつ。結果として、ものすごくどきどきして、ランニングなみの体力を使った。ああ、あと3年はどきどきしなくていい。私が本当にげっそりしたので、恋人が相当おかしがっていた。
夕食は、そうめん。念願の。こちらで買えるものはちょっと太めなので、ひやむぎ感があるが、おいしい。ごま油でやいた卵と、ネギで食べた。2人前くらい食べた。食後、アイスティーを飲みつつ、寮の人たちがビリヤードをするのを眺める。
五感がしっかりしていれば、たいていのことはうまくいく。人に嫌な思いをさせることもないし、妙なことに巻き込まれたりもしない。ごはんがおいしく食べれて、いい香りを楽しめる。それで、いい。
サポート頂くと、家に緑が増えます。たぶん。