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2.25 Family Caterers/尻手

   これで不味けりゃ、怒るでしょ。
   そう、不味いわけがない。でも、12時10分、先客なし。知らないっていうのは怖い。
   こんにちはー、プレートお願いします。って、席につくまえに、歩きながら。他の料理もあるみたいだけど、頼んだことない。メニューもまずみない。待ち時間もほとんどない。
   いつだったか、尻手の駅前で信号待ちしていた時に、クルマから見えたスリランカ国旗。それが、目にとまって。ちなみに国旗にあるライオンは、国王がライオンの子孫だからだって。世界はひろい。
   プレートがきたら、ぐるっとひとまわり、ひと口づつ食べてみる。チキンカレーでしょ、グリンピースとカシューナッツでしょ、インゲンでしょ、それからダルとアチャール。
   でもね、最後は結局、全面的に混ぜることになる。全面的?あぁ、銀座のナイルの番頭さん、ラジャンさんの口癖というか、教えというか、あれと一緒。ひと通り味をみたら、全面的にまじぇまじぇする。そのほうが、おいしいから。
   で、食後は紅茶。スリランカといえば、紅茶。
   どれも、これも、なんだかホッとしてすっきりする。
   このプレートで、この見た目。これで不味いわけがない。それに、こんな料理をつくるひとが、わるいひとのわけがない。
   それが証拠に、お店のひとの笑顔までがごちそう。
   1050円也。値段までふくめてごちそう。
   尻手のスリランカ食堂。

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三遊亭 司
書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。