物価高騰に伴う美容医療の値上げについて
先日、久しぶりにお客様から美容施術の値上げに関するご質問をいただき、
そうなのか!?
という気付きがありましたので今回はそれを共有させていただければと思います。
それは粗利率<粗利率とは、粗利(売上ー原価)/売上>の認識の違いです。
美容医療において、スタッフさんが行う施術に関しては製剤原価が高く、粗利率が低くなってしまうものもありますが、基本的に初期投資の機械代は置いておき、施術に関しては、今、製材原価が多少値上がりしているとしても、まだ90~95%前後の粗利率を取れているものが多くあるはずです。
美容施術の値上げのご質問をいただく先生に、
なぜ、値上げをされたいのですか?
とお伺いすると、
最近、物価が上がっているのでうちも値上げできないか?と思いまして。
とお答えいただくので、
実際にどういう時にそう感じられるのですか?
とお伺いすると、
だいたいが小売店や住宅関連の会社をイメージされているということがわかります。
それで、そもそもこういう値上げの話がでてくるのは業界の粗利率をご存知ないからだという気付きがありました。
一般的に、
卸売業の粗利率は10~15%前後
小売業の粗利率は20~30%前後。
住宅会社・工務店の粗利率は25~30%前後。
ぐらいだったと思いますが、これらの業界は物価高騰で仕入れ値がかなり上がっていますので、値上げをしないと、もっと粗利率が下がって、会社存続の危機、死活問題まで発展しかねません。
ですから、彼らは値上げを断行するのです(いわゆる、コストプッシュインフレが起こっている状態です)。
美容医療業界とは粗利率がまったく違います。
もちろん、美容施術の価値/価格を上げていく努力をして、値上げは目指さなければなりませんが、美容医療業界の場合、そもそも高額のものが多く、単純に他業界が値上げしているからうちも値上げするということはできないでしょう(物販関係はOK)。
もし今、価値/価格を上げずに値上げした場合、今までよりも患者数が減り、稼働率が落ちて、かえって全体の売上が下がってしまう可能性があると思います。
ですから、もし値上げをされたい場合は、単純に原価が上がったからという理由の他に、価値/価格を上げる努力をしてからされることをお勧めいたします。