続 美容医療業界をもっと良くしたい
今回は先回のコラムの続きです。
先回は私が美容医療のコンサルティングを行っている目的の1つに業界をより良くしたいという想いがあり、具体的には美容のトラブルでお悩みの方が安心して気軽にアクセスできる信頼性の高い美容クリニックを増やしたいとお伝えしました。
先回は私が美容医療業界の課題だと思っているフックメニューで集患した患者に高額メニューを売りつけるカウンセリングのお話をさせていただきましたが、今回は医療の質のお話です。
美容医療は昨今の美容機器の進化により、従来、美容医療に関わっていなかったクリニックでも参入がしやすくなりました。
そのため、医療の質を上げるというよりは、美容機器頼りでメーカー・代理店の言われるがままの施術を行っているクリニックが増えたと感じています。
そして、これが医療の質を下げていると、私は思っています。
同じ美容機器を導入しているA・B・Cのクリニックで、
なぜ、これだけ治療実績に差が出てしまうのでしょうか?
それはメーカー・代理店からもらうプロトコールを忠実に守って施術をしているだけのクリニックと、結果が芳しくない場合は、クリニックで試行錯誤し、独自のプロトコールをつくられるクリニックとに分かれるからです。
いろいろなクリニックをみさせていただき、結果がでないのは美容機器だけのせいではありません。
いかに医療の質を上げるかという想いと努力が足りないからだと思います。
また、医療はどこまでいっても、
社会性>収益性
でなくてはならず、
収益性>社会性
になったら終わりだと、私は思っていますが、最近の美容医療への新規参入組の一部のクリニックは倫理観なきお金儲けに走っている感が否めません。
経験値のあまりないドクターにオペをまかせてトラブルが発生したり、おしゃれなイメージを魅せるのはうまいが、手術・施術の症例をみると???に思うクリニックがあったり、さらには倫理観なきお金儲けを煽るコンサルティング会社が増えてきたりと、残念でなりません。
誤解していただきたくないのですが、お金儲けは悪いことではありません。
患者に十分満足していただけるオペ、施術を提供し、それに見合った正当な対価をいただく。
その患者の満足・幸せの量が多いということが売上が上がるということですから、お金儲けは悪いことではないと、私は思っています。
しかし、患者を騙すようなことをし、患者満足度の低い美容医療を提供しているにも関わらず、大金をぶんどるような倫理観なきお金儲けは悪だと思います。
今、全国各地で真面目にやられている先生が各種知識・技術の勉強会を開催したり、AIを使った知識・技術力アップ支援ツールを開発したりと、いろいろ美容医療業界の医療の質を底上げしていただけるような動きが出てきています。
こういう勉強会や支援ツールを活用し、医療の質を向上させるクリニックが少しでも多く増えてくれると嬉しいなと思います。