年末・年始までの美容医療 時流予測と対策
今回は経済の話が中心なので少し難しいかもしれませんが、知っておいた方が良い話なので、是非最後までお付き合いください。
さて、9月のアメリカの卸売物価指数は前年同月比8.6%上昇。
消費者物価指数は前年同月比5.4%上昇。
アメリカではこのように先行してインフレになってきていますが、日本もこれから少し遅れて似たような傾向になっていくと思います。
ただし、これは「コストプッシュインフレ」です。
日本では緊急事態宣言が終わり、リベンジ消費が始まっていますが、これに加え、これから控えているハロウィン、クリスマス商戦で需要が拡大していくと思われます。
しかし、これから商品の価格が上がるとともに商品の供給が間に合わなくなるかもしれません。
その理由は大きくエネルギーとサプライチェーン問題です。
まずエネルギー問題として、例えば、原油価格をみてみると、
昨年10月は1バレル40ドル前後でしたが、今は80ドル前後で約2倍。
さらに積み船運賃のバルチック海運指数が昨年の10月は1,500~2,000前後でしたが、今は5,000前後なので約2.5~3倍程度。
これらのコストがそのまま商品の価格に上乗せされますので、商品の価格がこれから上がると思います。
さらには、サプライチェーンの問題もあります。
日本を含め、欧米諸国はチャイナ依存の国際サプライチェーンを構築していますが、現在、チャイナは大規模な電力不足に陥っており、各地で停電が起こり、工場が十分に稼働していない状況です。
これはカーボンニュートラル、脱炭素施策の一環で、石炭の鉱山閉鎖やオーストラリアからの石炭輸入を止めたことが大きな原因と思われます。
東南アジアの工場もロックダウンで、まだ十分に稼働している状況ではありません。
そのため、商品をつくることができませんので、市場に出回る商品の供給量が抑えられ、商品の価値、価格が上がると思います。
そのようなわけで、これからは需要はあるが、商品製造・輸送のコストが上がり、商品の価格が上がる。
さらに商品の供給量が減り、商品の希少価値が上がるため、さらに商品価格が上がる。
そのようなコストプッシュインフレが起こると思われます。
ただ、日本では選挙が終わる頃、また、年末・年始にかけて新型コロナの感染が拡大していく可能性がありますので、需要が縮小するかもしれず、読み切れないところがあります。
美容医療に関しては、使用期限の長い薬剤や物販品は仕入れを早く済ませる。
美容機器の投資を検討しているならすぐにジャッジし、購入するなら早く購入する。
これから商品の供給量が減り、価格が上がりますので、モノ売りよりサービス業の方が有利。
年末・年始まではリベンジ消費もありますので、果敢に攻めのマーケティングを行うことが重要でしょう。