なぜ、せっかく苦労して採用したスタッフがすぐ辞めてしまうのか?
令和2年の司法統計、離婚調停申し立て理由、女性側の離婚理由ランキングによると、
第1位は「性格が合わない」ということだそうです。
これはもしかすると、あなたのクリニックをスタッフが辞めていく理由と同じかもしれません。
性格が合わないというのは価値観が合わないという言い方の方が近いような気がします。
私は夫婦の価値観の違いのほとんどは、
①遺伝子が違う
②それぞれの両親から別の価値観が刷り込まれている
③育ったまわりの環境が違う
からだと思っています。
そう考えると、夫婦の価値観が違うのはあたり前で、解決策としては、まずお互いが違う価値観を持っていることに気付き、理解し、どう包み込んで一緒に楽しく暮らしていけるか?を考え、実践するということになります。
しかし、そういうことがうまくできないので、離婚という結果になってしまう。
あるいは、あまりにも価値観が違い過ぎて、そういうことがわかっていたとしても実際にはうまくいかず離婚してしまう。
こういうことを考えると、結婚後の夫婦生活というものは人間性を高める最高の修業の場で、これをうまくやれている院長は、クリニックマネジメント能力も長けていると、私は思っています。
そして、こういう院長は人間性の器が大きいので、クリニックの組織を拡大していくことができます。
一方、初めから価値観の近いパートナーを選ぶことに成功し、楽しい夫婦生活を送っている人たちもいます。
クリニック経営において、マネジメント能力に自信のない院長は、まずご自身の価値観に近いスタッフを採用すべきです。
しかし、その後、さらに組織の拡大を目指すなら、少し価値観の違うスタッフでも採用していかなければなりません。
なぜなら、先生がリーチできる範囲内では、それほど多く価値観のマッチした人を採用することができないからです。
ですから、どんどん上のステージを目指していくなら、院長が多少価値感の違うスタッフでも包み込める人間性、マネジメント能力を身に付けていかなければなりません。
そうしなければ、絶えず退職、採用の不のループを経験しなければならなくなります。
院長の価値観に近いスタッフを採用するには、まずご自身が何を目指していて、どのような価値観を持っているかを棚卸し、言語化しなくてはなりません。
いわゆるミッション、ビジョン、バリューの作成です。
そして、それらを募集媒体やWEB、SNSで発信する。
今は文章よりも動画の方が効果的です。
今の20代は文章をあまり読みません。
動画で情報を受け取るのに慣れている世代です。
そして、面談の場ではそれらを伝え、特にバリューに基づき、具体的に現場でどうスタッフに働いてもらっているかを具体例に細かく伝えなければなりません。
これができていないために採用後、アンマッチングを起こしているクリニックが非常に多いです。
クリニックの良いところだけではなく、マイナス面もしっかり伝え、できれば見学までしてもらう。
そういう風にまずは院長、クリニックの目指している方向性、価値観を先に求職者にさらけだし、それでも一緒に働きたいというスタッフ、価値観が近いスタッフをまずは採用するのです。
しかし、実際には多少、価値観が違うスタッフでも採用していかなくてはならない場面もあるでしょう。
そういう場合、妥協は禁物。
あまりにも価値観が違う人を採用するのは論外ですが、
なるべく価値観の近い人を採用する。
そして、採用でトラブらないためには、やはりいかに院長の人間性、マネジメント能力を高めていくか?ということが重要になります。
なぜなら、所詮、院長の器に見合った人しか採用できませんし、組織は院長の器に収まる規模までにしか拡大させられないからです。