見出し画像

思い出の茨城ドライブ 潮来編

この記事は、2023年3月1日時点の内容です。

2022年発売された新型クラウンは、まっさらな目で今の時代にあるべき姿を求め、斬新な姿に生まれ変わりました。そんなスタイリッシュなクラウンで今回訪れたのは、情緒溢れる潮来市です。


潮来の歴史と文化を伝える
豊かな水辺の空間


A|水郷潮来あやめ園

茨城県潮来市あやめ1-5
駐車場:近隣の市営駐車場をご利用ください

 潮来を代表する観光地と言えば「水郷潮来あやめ園」です。アヤメの時期は5月下旬からでまだ少し先ですが、3月、4月は前川沿いの桜、続いて鮮やかなピンクのツツジ、上品な紫色の藤棚など、アヤメ以外の花も艶やかです。アーチ型の水雲橋からは園全体を望むことができます。春の花と水がつくる水郷の風景をお楽しみください。

「津軽河岸あと広場」から前川を眺めて
(c)潮来市 例年5月下旬~6月下旬に行われる水郷潮来あやめまつり大会の会場。「手漕ぎろ舟遊覧」(乗船場所は津軽河岸あと広場)は通年実施

B|カフェTsugaru

茨城県潮来市潮来705 津軽河岸あと広場
駐車場:14台

あやめ園から500mほど離れた「津軽河岸あと広場」は、江戸時代に津軽藩が年貢米などの物資を江戸へ送る際の拠点として屋敷を構えていたところ。当時の雰囲気を色濃く残しています。房総半島をぐるりと回り込むよりも、ここで小さな船に乗り換えて利根川を経由した方が効率的だったのですね。物資の保管場所として使われていた石蔵が残されており、現在はカフェとして利用されています。

広々とした「カフェTsugaru」はレンタルスペースとしても利用できる

それが「カフェTsugaru」。重厚な大谷石でできたモダンで広々とした空間です。結婚式の披露宴会場としても使われています。おすすめは、「道の駅いたこ」で製造したジェラートや特産のマコモを使ったパウンドケーキ。津軽に因んで青森県産リンゴを使ったアップルパイなども人気です。


セピア色の記憶がよみがえる
景色、音、香り

C|水郷旧家磯山邸

茨城県潮来市潮来595 
駐車場:14台

「津軽河岸あと広場」から道を一本隔てた町角に、「水郷旧家磯山邸」という古民家があります。120年以上前に建てられた元検事の邸宅をリノベーション。見事な梁やケヤキの柱、重厚感のある神棚など、内外に風格が感じられる建物です。中でも床の間横の書院に使われている建具には、制作に半年はかかると言われる繊細な技巧が施されています。

「水郷旧家磯山邸」玄関。古き良き日本家屋の風情を残しつつ、畳の3間以外はモダンに改装

そうした建築当時の面影を少しでも残すようにしつつ、地方創生事業の認定を受けて耐震改修工事が行われました。現在は1日1組限定、1棟貸しの宿泊施設として活用されています。

現代では難しい繊細な細工を施した建具も見どころ

基本的に素泊まりが前提で食事はついていませんが、持ち込みはもちろんOK。バーベキューの仕出しの手配や朝食の予約など、相談に応じてもらえます。家族や友人とともに、古民家に暮らすように泊まってみる、そんな体験もいいですね。

磯山家と親戚が同居していたという「水郷旧家磯山邸」縁側

D|手焼せんべい にしくら

茨城県潮来市潮来1086-33
駐車場:市営駐車場利用90台

さて次に向かったのは、潮来の名物と名高い「手焼せんべい にしくら」です。道路から見えるガラス張りの作業場では、真っ赤におこした炭の炉の上で、手焼きの作業をしています。真夏には室温が50度を超えるそうで、猛暑と言われる日にも外へ出ると涼しく感じるのだとか。

炭焼き煎餅は全部で8種類。包装紙のデザインは棟方志功の弟子、版画家の土屋正男が手がけたもので、「潮来にしくら手焼き煎餅」の手遊びを表現

絶え間なく菜箸でひっくり返されるたびに煎餅のカラカラと乾いた音。焼けた煎餅を秘伝のタレに浸ければ、ジュッと小さな音を立てて香ばしい匂いが立ち上ります。お店に並ぶ商品はすべてこうして手焼きでつくっているそうです。

「手焼せんべい にしくら」は年中無休。毎朝5時には炭をおこす

米は地元の潮来産米を使用。初めての方はやはり基本の「醤油」がおすすめです。厚みがあってしっかり堅い、昔ながらの正統派。噛んでるうちにお米の甘さとすっきりとした醤油の風味が口いっぱいに広がります。

写真は、醤油、胡麻、海苔、唐がらし味

「手焼せんべい にしくら」ご利用の際は、目の前の市営駐車場が利用できるので便利です。次の目的地はこの駐車場をはさんで反対側にある「長勝寺」。クルマは市営駐車場に停めたままでも大丈夫です。さあ行ってみましょう。

E|長勝寺(臨済宗妙心寺派)

茨城県潮来市潮来428
駐車場: 17台(市営駐車場も利用可)

「長勝寺」は潮来市の史跡めぐりには欠かせない場所。起こりは1185年で、源頼朝が鎌倉入りを前に武運長久を念じて創建した臨済宗の名刹です。阿弥陀三尊仏をまつる茅葺きの仏殿は、重厚で優美な雰囲気をたたえています。水戸光圀公の肝入りで、元禄期に山門、書院などの伽藍(寺の建物類)と共に修復整備され、当時のままの姿が残されています。

「長勝寺」参道にて

梵鐘は北条高時が寄進したもので、北条氏が中国から招いた大鑑禅師に銘文を依頼しました。禅師は潮来の景色が故郷の水郷地帯の蘇州とよく似ていると、「客船夜泊常陸蘇城」という句を添えています。

北条高時が寄進した銅鐘のために建てられた「長勝寺」の鐘楼。高さがあり建築物としても見事

仏殿に安置された阿弥陀三尊仏も、実にありがたいお姿をされています。普段扉は閉まっていることが多いのですが、例年あやめまつりの期間中は朝9時から午後5時までご開帳されていますので、確実にお参りしたい方は、ぜひ水郷潮来あやめまつりの期間中(例年5月下旬~6月下旬)にご参拝ください。


忙しい時には見えなかったものに気づける
ゆったりとした時間の流れ


F|ヨークプリンセス

茨城県潮来市日の出2-4-3
駐車場:30台

食事はがらりと趣向を変えて、フレンチといきましょう。本格的なジョージアン様式を取り入れた建物が異彩を放つ「ヨークプリンセス」は、800坪もある広さに驚き、建物の豪華さに驚き、提供されるお料理の充実ぶりにも驚きです。

どのお皿もカラフルに美しく盛り付けられた「ヨークプリンセス」のコース料理

この日頂いたのは3,000円のコース。最初のプレートには16種類もの前菜が! さらに、たっぷり量のあるサラダにも数えきれないほどの食材が使われています。次いで、メインディッシュ、自家製のパンが3種類、デザートの盛合せとドリンクが付くコースです。前菜とデザートを何品も提供するのは、誰にでも何かしらお好みのものが見つかるようにとの配慮から。質、量ともに大満足です。

個室は部屋ごとに壁紙やインテリアが異なり、雰囲気の違いが楽しめる

客席は大小さまざま、趣の異なる部屋に分かれており、30年かけて旅先で集めたヨーロッパの食器や小物が飾られています。「ゆっくりと時間をかけて食事を楽しんでほしい」とオーナーの茂木さん。

吹き抜けが広がる玄関ホール

開店当初から宣伝は一切していませんが口コミで評判が伝わり、お祝いごとや披露宴などたいせつな行事の場としても利用されています。

F|茨城県水郷県民の森

茨城県潮来市島須3072-83
駐車場:174台

ラストは「茨城県水郷県民の森」へ。大膳池、大生古墳群、行方平地林を有する広大なエリアには多くの動植物が生息しており、ハイキングコースを歩いて回るだけで自然に親しめる施設です。

「茨城県水郷県民の森」ビジターセンター前にて。全国植樹祭の折にご来臨された上皇、上皇后両陛下のお写真などを展示している

野鳥、植物、昆虫などの観察会を毎月開催。その時々に専門家を招き、園内を散策しながら動植物の生態を観察しています。ここ数年はフクロウの子育ても観察対象です。フクロウは夜行性ですが、春の子育て中に限っては、日中雛鳥が飛ぶ練習をしているところなどが観られるそう。時期は例年GWの少し前から始まり、GW中には巣立っていくそうです。

センターのすぐ裏手、大膳池にかかる長さ85mの吊り橋

ビジターセンターでは園内で撮影された野鳥やフクロウの写真が多数展示されており、その種類の多さに感動。この森が維持する自然はとても貴重なものだと感じられました。



水辺に始まり森で終えた充実の潮来ドライブ、皆さまもぜひ!

撮影協力:津軽河岸あと広場石の蔵

いいなと思ったら応援しよう!