#096 メンタルタフネス その3(レジリエンス)
今日は木下斉さんのジブン株式会社ビジネススクール課題として
マーティン・セリグマンの「オプティミストはなぜ成功するのか」について書いてみます。
本書は副題に
ポジティブ心理学の父が教える楽観主義の身につけ方
とあります。
メンタル的な強靭性(レジリエンス)を保つために楽天家であることは需要だと思いますが、私は自らを楽観主義と思っていましたたので、これ以上楽天的になっても逆に危ないのではないかと思いましたが、目次だけでも読んでみようとポチってみたところ、ジブンに対しても新たな発見がありましたので紹介いたします。
著者紹介と本の内容
マーティン・セリグマン
ペンシルバニア大学心理学部教授
うつ病の研究者
著作の名前がちょっと怪しい感じしますが、うつ病を研究している人でちゃんとしたアカデミアの人です。原題「Learned Optimism」は”学習によって得られる楽観主義”といったところでしょうか。
読み進めると「学習性無力感」という聞きなれないテーマに取り組む研究者ということがわかります。聞きなれないワードですよね。
著者はまず、重度の「うつ病」と嫌なことが起きた時に人間の中に芽生える「やる気なさ」は同じものでと言います。さらにはどんなに頑張っても報われない状況をある意味学習することで起きる「無力感」からうつ病は起きるのだと主張します。
私はこの分野に疎いため初めて聞きましたが、動物を使った実験結果からわかる「頑張っても全く報われない場合、無気力になる」は納得。
「学習性の無力感(学習によって得られた無力感)」という言葉が的を得ていると感じました。
子どもは楽観的である。7歳以下の子どもは自殺しない。
という事実も納得感あります。
ジブンを調査
膨大な年月の臨床研究をもとに本書が伝えているポイントは2つ。
・楽観主義で人生の成功確率が上がる
・楽観主義は身につけられる
本書の中にある自己診断ツールを使って楽観度を調べてみました。
ありゃ、非常に悲観的!という結果に。
total Gとtotal Bは同数。
私の傾向としては悪いことが起きた時は楽観的に切り替えできるのですが
良いことは「運が良かった」と自分のおかげと考えない傾向が強いことが改めてわかりました。
上手くいっているときにどんどん調子をアゲて行くのは得意でない気がするのでそのあたりは認識できました。
ジブンに生かす
膨大な年月の臨床研究をもとに本書が伝えているポイントは2つ。
(1)楽観主義で人生の成功確率が上がる
(2)楽観主義は身につけられる
(1)については肌感覚としてわかります。社会を変化(前進)させていくのは良くも悪くも楽観的な人々でしょう。
(2)については説明スタイルの改善をABCモデルを意識して行うことで意識的に楽観主義を使うことができるとしています。
ABCモデルを意識して日記を書くということを私も早速やってみました。
ジブンに起きた困ったことを
A:困った状況、B:認識・思い込み、C:思い込みが生む行動
に分けて記述。
1は家庭での振る舞いで説明は不要でしょう。
2は専用設備を設計製作してもらう際のよくあるシチュエーションです。
書いてみるとBの認識・思い込みにはかなり癖がある気がしました。
何かトラブルがあると、「まず自分が解決しないと」と反応する癖です。
2の設備立ち合いの不具合は共同開発プロジェクトである以上、私の問題だけのはずはなく、設備メーカ側にも何らか落ち度がある場合も多いでしょう。事前には絶対にわからない問題である場合もあるはずです。
以下のステップで筆者の提案するトレーニングを実践してみます。
A 困難な状況が起きた時
B その状況を意図的に楽観的にとらえなおす。
C それによって行動が変わる
ジブンの沁みついた垢のような考え方の癖を理解したうえでABCのBについて反論をすることを意識できるようになります。
・証拠はあるか
・別の考え方はできるか
・思い込みが本当だった場合、それはどんな意味を持つのか
・その考え方は有効か
Bをできるだけポジティブに考えるようにすると行動が変わってくる(ハズ)自分の「ネガティブな状況把握はただの思い込み」ということを 意識して自分の心に反論。
自分自身がジブンに対して下した判断は「思い込み」でなく事実だと錯覚してしまう
ことを意識しておきたい。
まとめ
ジブンへ生かす
自分の捉え方で世界は変わっていくというのは仏教でいう唯識論をある意味感じます。
現代はうつ病が増えているのは神や自然の権威がだんだん無くなっていき、個人主義から増えてきたため、個人を超えた大きいものに寄りかかることができないことも一因かもしれない。
ある意味、ジブン(自己同一性)が希薄になってしまうのでしょう。
他者の中に投影された自分の姿を多面的に見られないので自分の姿が曖昧になり醜く映ってしまう。
私が武道をやる意味と深いところでつながる気がしました。
現代社会で人を傷つけるための技を磨いて何になるのか?
自信をつけるためーーー楽観的になるためのような気がしてきます。
子どもたちへも伝えたい
本書では鬱の人がとらわれる特徴として個人性、継続性、普遍性という観点で思い込みに反論することを教えてくれています。
空手道場での指導や自分の子育ての場面で子どもたちがネガティブ思考に陥りそうなときにこのフレームワークは役に立つ気がしています。
大変学びの多い本でしたので妻や子供たちにも読んでもらいたいと思います。(口頭で説明する放送を作るか。。。)
今日はここまでです。
年末年始も前向きに楽しんでいきましょう!
ばいちゃ!