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ブランク10年、それでも『水の戯れ』を弾きたい Op.1:手続き記憶と暗譜

好きな強弱記号はスフォルツァンド(sfz)、幼少の頃好きだった洋服ブランドはメゾピアノ(mezzo piano)。今はフランシュリッペとピンクハウスの服が好きな夕影です。


普段は夕影巴絵というPNで同人小説を書き、烏滸がましくも販売するなどしている私が、『水の戯れ』を弾けるようになりたい記事第2回です。

第1回はコチラですが、この連載を始めた経緯を書いたのみで、練習が始まるのは本記事からなので、読まなくて大丈夫です。

(今回からタイトル短くなりました)


前回の記事に書いた通り、夏頃に4.5ページ目まで譜読みしたので、その続きから練習していきます。


というわけで、今回はここから(動画は頭出し済み)。

右手に32部音符がいっぱい。

今回はここから


ここらへんを弾いていて特に感じるのは、「右手の小指に力が入らない……!」ということ。

昔と比べて握力が低下し、特に薬指と小指に力が入りにくくなっています。この部分は手を頑張って広げて弾くのですが、そうすると一層小指に力が入らず、「アルペッジョの一番上の音を(他の音よりも強く)出す」という基本的なことがままなりません。ついでに左手はコントロールの効かない暴走機関車と化しているので、弱音を出せない暴走左手v.s.力が入らない軟弱右手といった様相を呈しています。でも、少しずつマシになってきました。

さらに進んでこちら。

臨時記号のオンパレード

音符、多い。

臨時記号(音符の左についてる♯とか♭とかのことです)、多い。

とても頭では覚えられないので、手に覚えさせます。


ここは悪い意味で、手続き記憶に頼りまくってるな〜という感じです。

手続き記憶→動作で記憶し、無意識ないし自動的に記憶した動作を再現できる。

意味記憶→知識として記憶する。
(ざっくりとした説明。不正確な表現を含みます)

ピアノの演奏やパソコンのタイピングを「ドの鍵盤があるのはここ」「この配列だとAのキーはここ」といちいち思い出さなくてもスラスラこなせるのは、手続き記憶によって動作が自動化されているおかげですね。
もっとも、「それなら、ピアノ演奏で手続き記憶に頼りまくるのも別に悪くないんじゃないの?」と問われてYesと言い切れるのかというと、私個人はそう思いません。

たとえば。

直感に反するかもしれませんが、「片手(左手)だけ」で弾くよりも、「両手」で弾く方が私には簡単なのです。

もう少し具体的に説明しますね。

ピアノ経験者の方は、レッスンで「23小節目から左手だけで弾いてみて」と先生に指示されて困ったことはありませんか? 私は何度もあります。

それまで暗譜で弾けていたのに、途端に楽譜を凝視しないと弾けなくなるのです。

というのも、手続き記憶は動作で記憶するので、普段と違う弾き方、つまり「最初から通して」ではなく「23小節目から」、「両手」ではなく「左手だけ」で弾けと言われると、途端に動作を再現できなくなってしまうのです。

他方、「右手だけ」は難なく弾けます。それはおそらく、手続き記憶が左手よりも強固だからというのもあるでしょうが、意味記憶がしっかりしているからではないでしょうか? 多くの場合、右手は主旋律(メロディー)を弾くので、主旋律をしっかり記憶していれば(たとえば、脳内で楽譜に起こせる程度であれば)なんの問題もなく、片手でも記憶通りに弾くことができます。

当然、右手ないしメロディーだけ綺麗に演奏できればいいというわけではないので、「左手がいま何を弾いているのか」ということは常に把握しておかなければなりません。そのために意味記憶も重要なのだ、と私は理解しています。ぼうっと手を動かすだけでは不十分で、きちんと音符の配置や運指を意識して練習すべきということです。

次のページ。わけもわからず手が勝手に弾いてる状態


「手が覚えている(手続き記憶)」だけの状態で本番に臨むのは危険です。何かの拍子に手が止まってしまったりなんかすると、曲が飛んでしまう可能性があるからです。

まあ、「『手が覚えている』状態を極限まで突き詰めれば、ここまでダラダラ述べた問題はすべて解決するじゃないか!」と反論されれば、うん、そうかも……? でも、その域に達するのは簡単じゃないと思います。

(※以上、私個人のきもちでした。間違った理解や表現があるかもしれません……。意味記憶や手続き記憶について知りたい方は、きちんとした文献を参照してください🙇)

よくないですよね。わけもわからず指だけが動いていて、左手が何を弾いているのか自分でもよくわかっていないなんて。

しかーし。

私はもうそんなことを言ってられるようなレベルではありません!(低い意味で)

年末までに分不相応な『水の戯れ』を最初から最後まで通して弾けるかどうか。それが重要なのです!!

手続き記憶に頼りまくっていようが、左手の旋律を全く覚えていなかろうが(でもなぜか(両手だと)弾ける)、先に進むしかないのです!!!

というわけで、片手では弾けませんが、両手でなら弾けるので、ひとまず先に進みます。アデュー!!(最悪)

(つづく)

(補足。私はどの曲も暗譜(=楽譜を見ない)で弾くことを前提としています。楽譜を見ながら弾く余裕はないし、一人だと譜めくりができないからです。)

つづきました↓


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