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フランチャイズ本部のはじめかた【その.3】〜夜明け前〜



前回のつづき


フランチャイズのビジネスを立ち上げることが決まり、コンセプトも決定した。

【コンセプト】

1. 呼び名は「フランチャイズ」ではなく「ユニストア」
2. 美容室経営者の不安や悩みをユニストアで解決する


お次は、その他もろもろのリソース作成や実務である。
本稿では以下の中から1〜6までについて書いていこうと思う。


0. コンセプト設定(提供できるビジネス上の価値)→ DONE

1. 概要資料作成
2. LP作成
3. 広告運用
4. ロイヤリティ等、各種フィーの設計
5. 運用システムおよびマニュアルの作成
6. 契約書作成
7. 営業活動






1. 概要資料作成



見やすい資料であることはもちろんのこと、女性専用のシェアサロンなので可愛らしさやデザインにもこだわりたい。

・なぜフランチャイズじゃなく「ユニストア」なのか?
・加盟することで経営の悩みや不安がどのように解決できるのか?
・収益モデルは?
・かかる費用は?

ユニストアがどういった事業なのかをわかりやすく資料にまとめていく。




概要資料に基づいたyoutube用の動画も作成。
ナレーションは上原。


事業概要説明とはいわば事業の屋台骨。
営業活動用の資料として作り始めたが、概要を濃縮してまとめることで自分自身の理解も深まり、事業全体に対する解像度を上げることができた。





2. LP作成



事業概要説明書の作成と同時にLP(集客用のサイト)制作も行っていく。

メインコンセプトが明確になったので盛り込むべき内容はおのずと決まってくる。

初代LPのタタキ


こだわりの「ピョーンと問い合わせ」ボタン



私がデザインのタタキや構成を作って、UI・実装を学生時代からの友人である塩入くんにやってもらった。

本来はもっとゴリゴリな(驚愕の結果!!!!とか、お悩みが1発解決!!!!みたいな)LPの方が問い合わせが来るらしいのだが、世界観を崩したくなかったので一旦保留。
楽しさや暖かさを重視し、あまりビジネスっぽくなりすぎないよう着地させた。

今まで何度もサイト作成してきたので2週間ほどで完成。




3. ロイヤリティ等、各種フィーの設計


さてさて、ここからは未知の領域。

・ロイヤリティはどのくらいで設定したらいいのか?
・その他フィーは設置した方がいいのか?

それら設計をするうえで、まずはモデルケースを考えてみた。


モデルケースのPL
ロイヤリティ及び各種フィー


・ロイヤリティ5%
・広告分担金30000円(10店舗までは無料想定)
・システム利用料25000円(10店舗までは無料想定)
・研修費10万円(10店舗までは無料想定)
・内装デザイン料(10店舗までは無料想定)

このあたりが妥当だと判断するに至った。


ここでも参考になったのがホリエモンがやっている小麦の奴隷のHP。

サイトに同じようなモデルケースが載っていたので参考にさせてもらった。




4. 運用システムおよびマニュアルの作成



実際に加盟が決まり営業を開始した後にはユニストア加盟店の売上、見学者情報、広告運用実績、などなど。
遠隔でも状況把握できるシステムが必要になる。

そこでグーグルドライブ上にフォーマットを作成し共有できる仕組みを構築することにした。


見学者リスト。属性を細かく記録し広告作成の際のペルソナを検証する


その他にも利用者見学対応のマニュアルや利用契約に至るまでの流れをフローチャートで作成。


見学対応マニュアル。現場で見学対応を担当していた上原の知見を盛り込む


見学予約から利用契約までの流れをフローチャート化



ここまで来てようやくフランチャイズ本部ができそうな雰囲気が漂ってくる。





5. 契約書作成


これもはじめての分野。
私は法律の専門家ではないし、賃貸契約を交わしたことはあるが作成したことはない。ましてFCモデルの契約は未知の領域。

考えた末に出した結論は
「ググろう」

〜FC契約書 雛形〜で検索するといっぱい出てきました。

もちろん雛形はそのままでは使えないので今回のモデルに合わせた文面にリライト&加筆。

またFCモデルは訴訟も多いのも事実。
過去の訴訟事例をリサーチし、判例と適正な基準を探っては条文に組み込み、契約書としての精度を高めていった。


ユニストア契約書


ここから司法書士にリーガルチェックしてもらう必要がある。
ただ、まだ実際に問い合わせ来るかわからない段階なので一旦wait。
実際に問い合わせ→契約濃厚の段になったら司法書士の知見を入れるでいいだろう。





まとめ



その他にも色々と制作したリソースはあるが、長くなるのでこれくらいに。

構想からここまで、一通りカタチになるまで1ヶ月くらい。


0. コンセプト設定(提供できるビジネス上の価値) →DONE
1. 概要資料作成  →DONE
2. LP作成 →DONE
3. 広告運用 →DONE
4. ロイヤリティ等、各種フィーの設計 →DONE
5. 運用システムおよびマニュアルの作成 →DONE
6. 契約書作成 →DONE

7. 営業活動

あとは営業活動をしてみて実際に問い合わせが来るのか?
そして契約締結まで至るのか?
この2つの検証、実践。



ふとしたきっかけで思いついたフランチャイズ。
自分の人生でこのビジネスモデルを始めることになるとは思っていなかったし、やれるとも思っていなかった。

私は突拍子のない馬鹿げたアイデアが好きである。
そして思いついたらやってみたい。
というかやらないと気が済まない。

思いつくのは簡単だがカタチにしなければ意味がない。
ビジネスの歴史とは夢と屍の集積の歴史である。
現存する大企業も偉大なブランドも、積み上がる死屍累々から産声を上げた。
多くが馬鹿げたアイデアからスタートし、夢想を現実のものにしてきた至極稀な生存者なのだ。

夜明け前。
深夜にコツコツと台本を書き上げる。

粛々と事務方をやることは嫌いではないが、正直面白さもない。
準備段階の回想である本稿を書くのも正直面白くはなかった。
この文章を読んでくれている方がいるとすれば同じような感想をお持ちかと思う。

とはいえ、料理にせよスポーツにせよ、多くの下ごしらえというのはそういうものだ。
事前準備とは事実の羅列でしかなく、ドラマ的なものは発生しない。

さて、本当に面白くなるのはこれから。
そして苦しいのもこれから。
世に問いかけてみて「ユニストア」という夢想が受け入れられるのかどうかの実践。

実弾を装填したら夜明けに向けて放ってみる。
理想と現実を一つにすること。


次回はユニストア始動後の営業活動について書きたいと思います。


つづく



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