中判カメラ入門 初めての中判におすすめの中古フィルムカメラ10選
これから中古フィルムカメラを楽しむなら、ぜひ使ってみたいのが中判カメラ。
中判カメラとは、フィルムの中でももっとも一般的な35mmフィルムよりも、少し大きめのフィルムを使うカメラのこと。
フィルムが大きいので画質がよいだけでなく、機種によっては正方形の「ましかく写真」を撮ることもできますよ。
中判カメラには数多くの特徴的な名機があるので、中古で手に入れることで一気にカメラの楽しみが広がります!
「使うフィルムが違う」というと、なんだか難しそうに思うかもしれません。
でも、基本的な使い方は35mmフィルムカメラと同じ。
中古で人気の機種は、どれもしっかりとした作りになっているので、すぐに使いこなすことができるようになりますよ!
そこで今回は、これから中判カメラを始めたいという方に向けて、中古で手に入るおすすめの中判カメラと、中判カメラの基礎知識を紹介します!
ぜひ、中古でカメラを探すときの参考にしてくださいね!
◆中判カメラ入門のイチオシ機種
迷ったらこのカメラ!
まず最初に、中判カメラに入門するときにおすすめのイチオシ機種を紹介します。
Hasselblad 500C/M(ハッセルブラッド500C/M) + Planar T* 80mm F2.8
中判一眼レフカメラを手に入れるなら、やはり最初からHasselblad(ハッセルブラッド)を選ぶのがおすすめ!
すべての中判一眼レフカメラの頂点として名高いカメラで、ドイツ製の「ツァイスレンズ」を使うことができるので、中判カメラの大画面のポテンシャルをすべて引き出すことができますよ。
以前に比べて中古の値段が下がっているので、入手しやすいのもおすすめポイントです。
Rolleiflex(ローライフレックス)・Rolleicord(ローライコード)
二眼レフカメラで中判カメラに入門するなら、Rollei(ローライ)の二眼レフが定番です。
ローライはすべての二眼レフの元祖。
二眼レフファンのあこがれです。
こちらもカール・ツァイスやシュナイダーといったドイツ製レンズの高性能が味わえます。
多機能なローライフレックスを選ぶか、小型軽量のローライコードを選ぶかはあなた次第。
もちろん国産二眼レフもよいですが、二眼レフを使うようになったらいつかはローライが歩欲しくなるので、最初からローライで入門するのもいいですよ。
◆入門におすすめの中判カメラ
35mmフィルムカメラとはまた違う楽しみを味わえる中判カメラ。
今回は、中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフが、中判カメラについて解説します。
まずは中判カメラの特徴について見ていきましょう。
中判カメラとは
中判カメラとは、少し大きめのフィルムを使うフィルムカメラの総称。
もっとも大きな特徴が、使用するフィルムが違うということです。
フィルムカメラが現役の時代、最も使われていたのは「35mmフィルム」を使うカメラでした。
それに対して、中判カメラでは「120フィルム」というフィルムを使用します。
フィルムの面積が大きくなるので、その分、撮影した写真の画質が35mmフィルムカメラよりもよくなります。
画質がよく、非常に緻密な描写を楽しむことができますよ。
また、中判カメラは種類が非常に多彩。
中古で人気が高い、レンズが上下に2つ並んだ「二眼レフカメラ」は、ほとんどが中判カメラ。
一眼レフカメラも、正面から見たときに正方形をしているハッセルブラッドのようにカメラ自体の形が異なるものが多いので、独特なルックスの「格好いいカメラ」を使うことができますよ。
中判カメラで使うフィルム
中判カメラで使用する120フィルム。
いったいどんなフィルムなのでしょうか?
120フィルムとは、幅が60mmで軸にロールとして巻かれたフィルムのこと。
フィルムカメラの中でもっともよく使われる35mmフィルムは、その名の通り幅35mmなので、幅だけでも倍近い大きさとなります。
撮影する画面の大きさが大きくなるので、その分画質が非常によくなります。
「裏紙」と「赤窓」
120フィルムの構造上の特徴が、フィルムの裏に「裏紙」と呼ばれる紙がついていること。
この裏紙はフィルムを遮光する役割をもっています。
裏紙には、いまフィルムの何枚目を撮影しているかを示す番号が印刷されており、古いカメラには「赤窓」というフィルムに感光しない赤色に着色された窓を通して、物理的に撮影枚数を確認する構造のものが存在していました。
※ただし、この記事で紹介するカメラには、赤窓式のものはありません。現在人気のあるカメラで赤窓式のものとしては、トイカメラの「Holga」などが挙げられます。
この裏紙は、撮影前と撮影後に、フィルムを外の光から保護する役割も持っています。
35mmフィルムではフィルムがパトローネという缶によって光から保護されていますが、120フィルムは裏紙1枚でしか守られていないので、撮影前と撮影後には、強い光に当てないように注意が必要です。
120フィルムのほかに220フィルムもある
この記事で紹介する中古カメラを含め、20世紀後半の中判カメラには、120フィルムのほかに220フィルムというフィルムが同時に使用できるカメラも存在します。
220フィルムの大きさは基本的に120フィルムと同じ。
異なるのは、「赤窓」を使わないことを前提に、フィルムの両端部(撮影前と撮影後にフィルムを保護する部分)だけに裏紙を付けたということ。
裏紙が少ない分フィルムの長さを長くでき、撮影枚数が120の倍となりました。
しかし、220フィルムは21世紀に入ってから、デジタル化で需要が減ったことから製造が中止。
その後中国製のモノクロフィルムも再登場しましたが、現在では、基本的に中判カメラでは120フィルムを使うこととなります。
なお、120フィルムは「ブローニー」とも通称されます。
ブローニーとは、120フィルムを採用したコダック製カメラの名前に由来しています。
フィルムの種類については以下の記事も参考にしてみてくださいね。
https://blog.sunrise-camera.net/?p=37110
同じ120フィルムでもカメラによって撮影サイズが違う
さて、そんな120フィルムには大きな特徴があります。
それが、カメラによって、撮影するサイズや縦横比が違うということです。
具体的には、以下の画像のように大きく撮影サイズが異なることになります。
120フィルムを使う中判カメラでは、カメラごとに1枚ごとのフィルムを巻き上げる量が異なり、また、フィルムアパーチャー(フィルムの前の枠)の大きさも違います。
そのため、カメラごとに1枚1枚の写真に使われるフィルムの長さが異なり、撮影枚数も異なることとなります。
具体的には以下のようなフォーマットが使われています。
また上記以外に、画面の横サイズを更に増やしたパノラマカメラも存在します。
この記事で紹介するカメラは、645判、66判、67判、69判で、どれも中判としては非常にメジャーなフォーマットです。
120フィルムの現像は写真店で簡単に可能
さて、普通の35mmフィルムカメラとは異なる120フィルムを使うと聞くと、フィルムの現像が簡単にできないのではないかと心配に思うかもしれません。
でも大丈夫。
120フィルムも、35mmフィルムを現像するときとまったく同じように、写真店にお願いするだけで簡単に現像してもらえますよ。
とくに、35mmフィルムよりも現像料金が高くなるようなこともありません。
ただし、注意したいのがフィルムのスキャン。
フィルムカメラで撮影したら、デジタルデータとして取り込んで、スマホやPCで楽しみたいですよね。
街中の写真店では120フィルムはスキャンしてくれないこともあるので注意が必要です。
そんなときには、ネット上で現像を受け付けているお店に頼むのがおすすめ。
ネットで現像を受け付けているお店では、ほとんどの場合、120フィルムでもスキャンしたデータを作ってくれますよ。
フィルムの現像とスキャンについては以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
おすすめの120フィルム
中判カメラで使う120フィルムは、以下のものがおすすめです。
ポジフィルム(リバーサルフィルム)で撮影するなら、富士フイルムのPROVIA 100Fが定番です。
◆中判カメラの種類
独特の見た目で大人気の二眼レフカメラをはじめ、さまざまな種類のカメラが存在する中判カメラ。
具体的にはどのような種類のカメラが存在するのか紹介するので、ぜひお気に入りの中古カメラで入門するときの参考にしてくださいね。
一眼レフカメラ
35mmフィルムカメラでも、デジタルカメラでも、カメラとしてはもっともメジャーな形式のひとつである一眼レフカメラ。
カメラの内部にミラーを内蔵して、撮影するのと同じ画面をファインダーで確認できる形式です。
もちろん、中判カメラにも数多くの一眼レフの名機が存在します。
中判カメラにおける一眼レフカメラには、大きく分けて2つの形式が存在します。
・中判カメラ独自の、正面から見たときに正方形をしているもの
・35mmフィルム一眼レフカメラをそのまま大きくしたもの
中判カメラ独自の形状の一眼レフカメラ
中判カメラの一眼レフのなかには、35mmフィルム一眼レフカメラとはまったく異なる見た目をしているものがいくつも存在します。
それらの特徴が、正面からみたときの形が正方形に近く、奥行きが長いというもの。
そのような形状を持ったカメラとして、以下のようなものが挙げられます。
Hasselblad(ハッセルブラッド)
Zenza Bronica(ゼンザブロニカ)各シリーズ
Mamiya 645シリーズ
Mamiya RB67シリーズ
Mamiya RZ67シリーズ
また、右手側にグリップがついていますが、CONTAX 645やPENTAX 645なども似通った形状のカメラだといえるでしょう。
この、中判カメラ特有の一眼レフカメラの形状は、やはり中判一眼レフの代表・ハッセルブラッドの影響が強いもの。
フィルムを装填する「フィルムバック」の交換が可能な機種も多いです。
この形式の一眼レフカメラのファインダーは、上から覗き込む「ウエストレベルファインダー」のことが多く、被写体に威圧感を与えにくいので、自然な雰囲気のポートレートを撮影することができますよ。
(ファインダーは交換式のことが普通なので、アイレベルファインダーも装着可能です)
肩や首から提げているだけで「中判一眼レフだ!」と一目でわかる形状は、中判カメラに入門するならぜひ中古で手に入れてみたい、おすすめの形式だといえるでしょう。
35mm一眼レフカメラをそのまま拡大したカメラ
35mm一眼レフカメラをそのまま大きくしたような形状の、中判一眼レフカメラも存在します。
その代表は、やはりPENTAX 67シリーズ。
35mmフィルム一眼レフの代表的メーカーのひとつ、ペンタックスが、35mmでのノウハウを活かして作り出した、非常に機動性の高い中判カメラです。
巨大なのにもかかわらず使用性は35mm一眼レフとほぼ同様で使いやすいので、入門にもおすすめです。
また、形状は大きく異なりますが、上で述べたPENTAX 645シリーズも、設計思想としては35mm一眼レフの操作性を強く意識したものとなっています。
この形式のカメラは、35mmフィルム一眼レフと同じ、目の高さに構えるアイレベルファインダーを搭載することがほとんどです。
他の代表機種としては、旧東ドイツ製のペンタコンシックス、旧ソ連のキエフ-60などが挙げられます。
二眼レフカメラ
レンズが上下に並んだおしゃれなカメラ、二眼レフカメラ。
この二眼レフカメラを使いたいという理由で、中判カメラに入門する方も多いのではないでしょうか。
二眼レフカメラの代表的な機種としては、
Rolleiflex(ローライフレックス)
Rolleicord(ローライコード)
Minolta Autocord(ミノルタオートコード)
Mamiya Cシリーズ(マミヤCシリーズ)
Yashicaflex(ヤシカフレックス)/Yashica Mat(ヤシカマット)
Ricohflex(リコーフレックス)
Flexaret(フレクサレット)
ほか、非常に多くの機種が存在しています。
二眼レフカメラの使い方はどの機種でもほぼ共通しているので、一度覚えればどんな二眼レフカメラでも使えるようになりますよ。
二眼レフカメラは、上のレンズをピント合わせに、下のレンズを撮影に使用する構造になっています。
またファインダーは、上から覗き込むウエストレベルファインダーが一般的です。
二眼レフカメラの構造や入門におすすめの機種について、詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
中判レンジファインダーカメラ
中判レンジファインダーカメラとは、レンジファインダー(連動距離計)を内蔵したカメラ。
ファインダーの中で精密なピント合わせができ、一瞬の撮影チャンスに即座に対応することが可能です。
中判レンジファインダーカメラの特徴は、中判カメラのなかでもコンパクトだということ。
機種によりますが、後述する蛇腹折りたたみ機構により、ボディがとても薄くなる機種も多いです。
プロの使用に充分耐えうる超高性能レンズを搭載しているカメラも多いので、中判カメラに入門する方はもちろん、カメラマンや芸術写真家まで、とても中古の人気が高い機種ですよ。
代表的な機種としては、
New Mamiya 6
Mamiya 7
Plaubel Makina 67
FUJIFILM GF670
FUJIFILM GW690
FUJIFILM GS645
などが挙げられます。
どれも、中判カメラのなかでも人気の高いおすすめ機種ばかりです。
蛇腹カメラ
いっぽう、比較的新しい時代(1970年代後半以降)のカメラで蛇腹を採用しているものとしては、
Plaubel Makina 67
FUJIFILM GF670
FUJIFILM GS645
New Mamiya 6(カバー内に蛇腹を内蔵)
などが代表的な機種となります。
オートフォーカスの中判カメラ
さて、多くの中判カメラは自分の目でピントを合わせるマニュアルフォーカスのカメラとなっていますが、もちろん中判カメラにも、数は少ないながらもオートフォーカスのカメラが存在します。
中判カメラながら「押すだけ」で高画質の写真を楽しむことができるので、気軽に入門するときにもおすすめです。
中判オートフォーカスコンパクトカメラ
まるで35mmフィルムコンパクトカメラのように、押すだけで撮れるカメラ。
そんなコンセプトのカメラが1機種だけ存在します。
それはフジ GA645シリーズ。
まるでオートフォーカスの35mmフィルムコンパクトカメラをそのまま大きくしたようなこの機種については、後半で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
中判オートフォーカス一眼レフカメラ
もちろん中判一眼レフカメラにも、オートフォーカスの機種が存在します。
以下のものが代表的です。
PENTAX 645N・645NII
CONTAX 645
Mamiya 645AF
とくにPENTAX 645シリーズは中古価格も手ごろなので、中判カメラ入門にも最適です。
◆入門におすすめの中判カメラ10選
それではここから、中古フィルムカメラ専門店サンライズカメラのスタッフが、これから中判カメラに入門するときにおすすめのカメラを紹介します!
どれもフィルムカメラの歴史に残る名機ばかり。
ぜひあなたのお気に入りの一台を見つけてくださいね。
1.Hasselblad 500C/M(ハッセルブラッド500C/M) + Planar 80mm F2.8
一眼レフで中判カメラに入門するなら一番のおすすめ機種。
それがHasselblad 500C/M(ハッセルブラッド500C/M)です。
ハッセルブラッドとは、スウェーデン製の中判一眼レフカメラ。
中判一眼レフの頂点として、非常に中古でも人気の高いカメラですが、なかでも500C/Mは、ハッセルブラッドのなかでももっとも代表的な機種となります。
これから中判カメラに入門するときにハッセルブラッドがおすすめな理由。
それは高性能レンズによる上質な描写と、「ルックスの格好良さ」です。
ハッセルブラッドが採用しているレンズは、世界最高峰の光学メーカー、カール・ツァイス製のもの。
美しく精密かつ深みのある描写で有名なツァイスのレンズが、どんな光景でも芸術的かつ劇的に切り取ります。
また、「一目でハッセルブラッドだとわかる」独特のルックスも魅力のひとつ。
黒に銀縁で彩られた長いボディ。
仕上げの類まれな上質さとあいまって、カメラについて少しでも知っている人なら、すれ違った瞬間に振り向くこと間違いありません。
ハッセルブラッド500CMはレンズ交換式。
入門するときに最初に買うレンズは、Planar 80mm F2.8を選べば問題ありません。
関連記事
こちらの記事でHasselblad 500C/Mの作例を紹介しています。
ぜひご覧ください。
また、こちらではHasselblad 500C/Mとはどんなカメラなのか解説しています。
2.Rolleicord(ローライコード)
これから二眼レフカメラで中判カメラに入門するなら。
イチオシなのが、ドイツの「ローライ」のカメラです。
ローライの二眼レフカメラには、このローライコードとローライフレックスの2種類が存在しますが、初めての方の入門にはRolleicord(ローライコード)がおすすめ。
ローライコードは、もともとは後述するローライフレックスの廉価版として開発された機種。
ですが、単なる廉価版に留まらず独自の進化を遂げ、とても使いやすい機種に仕上がったのです。
ローライフレックスの特徴は、ローライフレックスに比べて小型軽量で、使用がとても便利だということ。
いつでもどこでも、二眼レフカメラを携えて世界を切り取ることができますよ。
搭載するレンズはドイツのシュナイダー製。
カール・ツァイスに勝るとも劣らない、非常に上質な描写を楽しむことができますよ。
これからローライコードを手に入れるなら、完成度が高いことから、ローライコードIV型(4型)かV型(5型)がおすすめ。
IV型は通常のシャッター・絞りなので操作性が良好。
V型はLV式(ライトバリュー式)なので少し操作に癖がありますが、年式が新しく全体的に完成度が向上しています。
関連記事
こちらの記事でRolleicord Vbの作例を紹介しています。
またこちらの記事では使い方についても解説しています。
ぜひご覧ください。
3.Rolleiflex(ローライフレックス)
上で紹介したローライコードと並ぶ、ローライの代表的二眼レフがRolleiflex(ローライフレックス)。
本来はこちらがローライ製二眼レフの元祖です。
ローライフレックスの最大の魅力が、カール・ツァイスの銘レンズが使えるということ。
(シュナイダー製レンズ付きもあります)
TessarやPlanarといった、すべての中古カメラファンが憧れる伝説のレンズ。
その豊穣なる描写を、思う存分楽しめます。
またローライコードに比べて多機能で、クランク巻き上げ・セルフコッキングなど便利な機能が多いのも魅力です。
(ただしその分、中古価格はローライコードよりも高めです)
ローライフレックスには非常に多くの機種があり、機能も中古価格も千差万別。
ぜひあなたにぴったりのローライフレックスに出会ってみてくださいね。
関連記事
こちらの記事ではRolleiflx 3.5Fの作例を紹介しています。
また、こちらではRolleiflexの使い方についても解説しています。
ぜひご覧ください。
4.PENTAX 67(ペンタックス67)シリーズ
PENTAX 67(ペンタックス67)は、35mm一眼レフカメラやデジタル一眼レフカメラで知られるペンタックスの、67判一眼レフカメラ。
バケペン(化け物ペンタックス)という愛称でカメラファンに知られているように、35mmフィルム一眼レフのペンタックスを、そのまま拡大したような外観が特徴です。
このペンタックス67シリーズの特徴は、その機動性の高さ。
35mmフィルム一眼レフの構造をそのまま受け継いでいるため、自然の中に持ち出してシャッターチャンスを掴むのに最適です。
もちろん、街中でのスナップやポートレートに使用しても、SMC PENTAXレンズの優しい描写が味わい深く被写体を切り取ってくれますよ。
ペンタックス67シリーズには、発売年順にペンタックス6×7、ペンタックス67、ペンタックス67IIの3機種が存在します。
初代ペンタックス6×7は経年劣化している個体が多いため、これから中古で手に入れるなら、ペンタックス67かペンタックス67IIがおすすめです。
とくにペンタックス67IIは絞り優先AEがついているため、中判カメラに入門する方にも使いやすいカメラに仕上がっています。
関連記事
こちらの記事でPENTAX 67の作例を紹介しています。
また、こちらの記事ではカメラについての解説を行っています。
ぜひご覧ください。
5.PENTAX 645(ペンタックス645)シリーズ
PENTAX 645(ペンタックス645)は、ペンタックス67シリーズに続いてペンタックスが送り出した、645判の中判一眼レフカメラ。
初代ペンタックス645、ペンタックス645N、ペンタックス645NIIと、改良が重ねられ3機種が存在します。
初代645の登場が1980年代に入ってからということもあり、プログラムAE・絞り優先AE・シャッター優先AEがそれぞれ使用可能という、非常に現代的な内容に仕上がっています。
また、2代目のペンタックス645N以降はオートフォーカスも搭載。
35mmオートフォーカス一眼レフと同様の使用感で、便利に撮影することが可能です。
645判はフィルムの面積こそ35mmフィルムの3倍程度で比較的小さめですが、それでも35mmに比べると画質の差は歴然。
さらに、このペンタックス645は中判カメラとしては非常に小型の部類のため、非常に機動性の高い撮影が楽しめますよ。
これから初心者の方が中判カメラに入門するにあたって、もっとも使いやすい選択肢のひとつといえるのが、このペンタックス645シリーズ。
35mmフィルムカメラそのままの操作感で中判を楽しむ。
現役の「道具」として、ぜひ愛用してみたいカメラです。
関連記事
ペンタックス645については以下の記事でも紹介しています。
6.FUJIFILM GA645(富士フイルムGA645)シリーズ
中判カメラの中でも「もっとも簡単に」使えるカメラ。
それがこの、FUJIFILM(富士フイルム)のGA645シリーズです。
GA645、GA645W、GA645i、GA645Wi、GA645Ziの5種類が存在。
Wがつく機種は広角レンズ搭載、GA645Ziはズームレンズ搭載となります。
このGA645シリーズの特徴。
それが、「全自動カメラ」だということ。
オートフォーカス、AEは当然搭載。
さらに、フィルムの巻き上げまで全自動なので、まるで35mmフィルムコンパクトカメラのように、「押すだけ」で写真が撮れるのです。
もちろん性能面でも、国産レンズのなかでも高性能として定評の高いEBCフジノンレンズを採用しているので、描写力は折り紙つき。
高次元の絵作りを楽しめますよ。
関連記事
GA645シリーズについては、以下の記事で紹介しています。
7.FUJIFILM GF670(富士フイルムGF670)
FUJIFILM(富士フイルム)GF670は、2009年に発売した「最新の」中判レンジファインダーカメラ。
見た目はクラシカルな蛇腹カメラを彷彿とさせるものながら、内部機構は21世紀の最新のもの。
現代の超高性能レンズで、美麗な写真が楽しめます。
新しいカメラだけあって使用性・操作感も非常に良好。
これから入門する中判カメラ初心者の方でも、簡単に使いこなすことができますよ。
年式が新しいので、中古市場にある個体も状態が良いものが多く、購入する際にも安心です。
富士フイルムの中判フィルムカメラでは最後になる可能性が高いこの機種。
技術陣の気合の入れようも相当のものだったはず。
ぜひ富士フイルムの「本気」を体感してみませんか?
関連記事
GF670についてはこちらの記事でも紹介しています。
8.New Mamiya 6(ニューマミヤ6)
New Mamiya 6(ニューマミヤ6)は、日本を代表する中判カメラメーカーのひとつ、マミヤが送り出した中判レンジファインダーの名機。
特徴は、66判の「ましかく写真」が撮れるカメラとしては、もっとも高機能で、便利に使えるカメラのひとつであるということ。
先に紹介したハッセルブラッドやローライの二眼レフは基本的にマニュアルで操作することになりますが、このニューマミヤ6は、絞り優先AEで便利に撮影することができるのです。
もちろん、レンジファインダーカメラかつ、レンズ部分の折りたたみが可能なので非常にコンパクト。
機動性がとても高く、どこにでも持ち出して正方形の画面を楽しむことができますよ。
レンズは交換可能で、さまざまな撮影シーンに対応できます。
レンズの性能や本体の操作感も、多くのカメラマン・写真家に愛用されていることからわかるように折り紙つき。
このニューマミヤ6を使用して写真作品を作っている芸術写真家も多いです。
実用的な、作品を生み出すための道具ならニューマミヤ6が最適。
ぜひ美しい写真を生み出してみませんか?
関連記事
ニューマミヤ6については以下の記事も参考にしてみてくださいね。
9.Mamiya 7(マミヤ7)
Mamiya 7(マミヤ7)は、上で紹介したニューマミヤ6に続いてマミヤが開発した中判レンジファインダーカメラ。
ニューマミヤ6との違いは、こちらは67判の長方形画面だということ。
ニューマミヤ6は66判でもトップクラスに中古人気の高いカメラですが、こちらのマミヤ7も、6×7判の中判レンジファインダーとして探し求めている人が非常に多い機種です。
こちらもレンズは交換可能。
判型を除き、ニューマミヤ6と似通った箇所も多いです。
ただし異なる点として、こちらはレンズ部分の折りたたみはできません。
もともと中判カメラとしては取り回しのよい部類ですが、サイズにおいてはニューマミヤ6に譲ります。
先に紹介したフジGF670や、この記事では触れていませんがプラウベル・マキナなど、67判のレンジファインダーカメラは中判カメラのなかでも激戦区。
中古カメラで中判に入門するときは、操作感や見た目で気に入ったものを選びましょう。
関連記事
マミヤ7シリーズについてはこちらの記事でも紹介しています。
10.FUJIFILM GW690(富士フイルムGW690)シリーズ
FUJIFILM GW690(富士フイルムGW690)シリーズは、69判の中判レンジファインダーカメラ。
このカメラの最大の特徴。
それが、69判の画面サイズを採用しているということです。
69判は、最初に120フィルムが発売したときに用いられていた、本来の画面サイズ。
35mmフィルムと同じ、3:2の縦横比を持ったフォーマットです。
しかしながら、実は発売時期の新しいカメラで69判を採用しているものはほとんどなく、実用に向いている69判のカメラは、このGW690シリーズをおいてほかにないのです。
(他にはマミヤプレスがあるくらいです)
機械式シャッター、露出計なしと、壊れる部分が非常に少ないカメラ。
その理由は、このカメラが観光地や学校の集合写真のための、プロの道具として開発されたものであるためです。
ひとりひとりの顔がくっきり判別できなければならない用途のため、搭載されたEBCフジノンレンズはとても精密な描写を誇ります。
中判レンジファインダーカメラということで機動性も高く、街を、自然を、風景を、細部まで破綻ない繊細な描写で切り取ることができますよ。
初代GW690、GW690II、GW690IIIと3機種ありますが、性能はどれも基本的に同じ。
中古の状態とデザインの好みで選びましょう。
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こちらの記事ではFUJIFILM GW690 IIの作例を紹介しています。
GW690シリーズについてはこちらの記事でも解説しています。
ぜひご覧ください。
◆お気に入りのカメラで中判に入門しよう
このように、中判カメラには多彩なおすすめ機種がいっぱい。
カメラの形や使い方など、それぞれに特徴があるので、きっとあなたにぴったりの機種がありますよ。
ぜひこの記事も参考にして、お気に入りの機種で中判カメラに入門してくださいね。